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変態ポエム達

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まいこプラズマは変態詩人です。
運営しているクリエイター

#現代詩

初シンドロー夢

初シンドロー夢

罰当たりなんです
もう何回目?
あくび噛み殺すのは
僕の街では何も起こらないって

ワクワクするような
事件でも起これば良いのに
僕の街では何も起こらないと
罰当たりな事を考えるロクデナシです

ドラマチックに憧れて
平穏無事に飽き飽きしてて

サバイバルには向いて無いくせに
波乱万丈な刺激を求めてる

データ更新されていない
カーナビゲーションみたいに
道を見失うと
道を作ってやろうと鼻息荒げ

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【ドラマチック熱望シンドローム】



頬杖ついてるテーブルの上に
ドラマチックが転がっている
いつもの帰り道、街灯の下
ドラマチックの花が咲いている



退屈ですか?
もう何回目ですか?
あくび噛み殺すのは
君の街では何も起こりませんか?

ワクワクするような
事件でも起これば良いのに
君の街では何も起こらない
それがご不満なのでしょうか?

ドラマチック熱望シンドローム
平穏無事に飽き飽きし

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ジャングルジムと夢想

ジャングルジムと夢想

増殖する鉄パイプの立方体構造の家は
清々しい程に無駄が無い
壁さえ無いから
扉も無いし窓も無い
猫も鳩も
どんな来訪者とて拒む事は有りません

屋根も有りません
そんな事だから雨も風も拒みません
自然界を逸脱した人間は
夏は日照りで干からび
冬は雪だるまになって
この家で生命を維持することは叶いません

夢想を育むにはこの上ない環境でしょう
悪趣味な色彩を吐き出すテレビや
脳細胞を破壊するWi-F

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嘆きの深海魚

まいこプラズマ

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りとるらいとさん主催の日曜作曲に参加です。

■制作環境

iPhone11

Nano Studio 2
Lyricistなど



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【嘆きの深海魚】


深き海の底
光無き暗闇に
圧力に耐えて生きている
あなた深海魚みたい

何かの間違いで
底引き網に引き上げられ
飛び出したはらわたに
眼を点にして驚いてる

空が好き
太陽が好き

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欠伸

欠伸

むかしの人々は
だらしなく開かれた口から
魂が抜け出ると信じていたらしい

なにかの間違いで
底引き網で引きあげられて
はらわたがドロリと飛び出した

深海魚みたいにですか?

怪しげな
エクトプラズムと似ていますか?

ぼくたちは
魂だけで何が出来るのかな?

肉体は要らないのですか?
それは本心ですか?

圧力に耐えて生きているのですね

外に飛び出して
開放されたいと
顎を外しかねない程に焦

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落ちてきて流れてゆく

落ちてきて流れてゆく

通りすがり
とある中学校のフェンス越し

昨日からの雨で校庭は
ぬかるんだり
小さな川が流れたり

片隅に植えられた
紫陽花の葉っぱの上では
雨粒たちが
青瑪瑙の勾玉みたいに
一瞬捩れたように踊っている

バケツの中に集められ
ただ淀んでゆくのを待つだけなのは
ほんとうの幸せなのかな
などと
考えさせられたりして

居心地の良い居場所に
こだわる必要なんか
意味のない事なのかも知れないね

落ちて

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きぐるみ

きぐるみ

去年は
シロクマの
きぐるみで
過ごしました

今年は
そのシロクマのきぐるみに
黒い絵具で
柄を描きたした
パンダのきぐるみで
過ごそうと
決めました

来年は
クチバシを付けて
絵具でさらに柄を描きたした
ペンギンのきぐるみで
過ごすつもりです

再来年には
クビを作り足して長く伸ばし
全体を黄色に塗り直した
キリンのきぐるみで
過ごそうと目論んでいます

kiss

kiss

空洞が無いと
オカリナは
風の歌を聴かせてくれません

空洞が無いと
ドラムは
退屈な時間を切り刻んでくれません

空洞が無いと
ピアノは
弦をときめかせる事が出来ません

などと

空洞だらけの
ワタシが
言い訳をする

それでは

アナタの空洞に
ワタシの息を
吹き込んであげましょう

アナタの
歌を
聴かせてくださいな

天秤座のワタシ

天秤座のワタシ

扇風機の羽根に
纏わりついた
綿ぼこりが
窓をすり抜けて来た風に
ほつれて
ふうわりと
フロアに舞い降りてくる頃

天秤座のワタシは一つ歳を取ります

プロペラを持っているのに
電源コードで
壁に繋がれているが故
飛べない扇風機が
身悶えています

いいえ

あれは
機械仕掛けでスイングしているだけ

飛ぶ方法を
いくつかは知っているのに
いつまで経っても
飛ぼうとしないワタシは
一体
何に繋がれ

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インクが滲む

インクが滲む

涙で
インクが
滲んでゆきます

もつれた線が
解けてゆきます

意味は半透明になり
影を失ってゆきます

それは
生まれたての
原始の海のようにも見え
ワタシの心を癒してくれます

滲んだインクの浜辺に
木を一本描きました
小鳥のカップルも描きました
そうして
巣作りするカップルと
彼らの卵を描きました

いつでも
最初から
始められるのですね

風雨を防ぐ森も描かなくてはね
落ち葉の下には

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鍵盤と鍵盤の隙間に

鍵盤と鍵盤の隙間に

それは夢

花のように
鍵盤を
ピアノから摘み取る夢

ひとおもいに
撒き散らせば
フロアを埋め尽くす
白と黒

インプロヴィゼーションなお花畑
ケ・セラ・セラな作曲家はご満悦
偶然は
神の御告げと信じてる

だけど
探しものは
まだ見つからないの

ああ神様

鍵盤と鍵盤の
隙間に
隠された音を
お聴かせ下さい

言葉と言葉の間に折り畳まれ
誰かに見つけて欲しいと
揺れている
やわらかな息づかい

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「真」super moon

「真」super moon

そんなに
近寄られると
嬉しいような
苦しいようで
皮を剥かれた心臓が
脈打つたび
ルナティックに叫び出しそうな
ワタシを
ワタシの中に
ワタシが見つけるのです

bye-byeしないで
アタマを撫でないで
笑わないで
話しかけて
手を差し伸べて
でも
時々冷たくあしらって

アナタは
ワタシの
super moon

ワタシの影が
闇に溶け入る頃

放課後の
理科室の匂いのような眩暈と
狂った重

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失い続けて

失い続けて

日々
ただ
失い続ける

汗が蒸発し
ボクとアナタの涙は雲になる

スニーカーは
履きかえれば良いのだけれど

老いて
身体を失っても
輪廻を巡り
まだまだ
失い続けるんだろうね

彫刻家が
巨大な大理石の塊から
マリア像を彫り出すように

不必要なものは
削られて
失い続けることになっている

みたいですよね
だからまた会える

ボクもアナタも
スニーカーのゴム底なんかじゃないから

それぞれ

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えら呼吸は忘れました

えら呼吸は忘れました

日照りが続くと
実感するよ
僕達が
柔らかい機械
なんだってね

えら呼吸を忘れ
体内に海を抱えて
何処へ行くつもりなのかな?

いっそのこと

部屋中を水で満たしたいな
高層ビル群を
ハイウェイごと街の全てを
水で満たしたいな
国境と人種と宗教も
まるごと水没させたいな

火薬は使えないし
爆撃機のジェットエンジンも点火しない

柔らかい機械達は
何を求めて
陸に上がったのだろうね?

サイダー

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