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のんびりやのカメさんのお話🐢【実話をもとにしたSTORY】

はじめに。

このお話は、これまで自分が体験したり感じたり
した事【実話】をもとに創られています。

.° -

いくじ(育児•育自)に行き詰まりを感じた私
が、内なるひかりを取り戻し、

本来の自分自身*わたし・を生きる
事を決めるまでのストーリー。

第1話

あるところに
のんびりやのカメさんが住んでいました。
カメさんはどこに行くのものんびり。

マイペース。

それがカメさんにとって
とっても心地よかったからです。

お友達のうさぎさんは
カメさんのスピードを見てびっくり。
「おばあさんみたいだね」
と笑われてしまいました。

第2話

カメさんは
うさぎさんと一緒の学校に
通うことにしました。

うさぎさんと同じように
ピョンピョン飛び跳ねるのは
とても素敵に見えたからです。

「どうしてみんなと同じように
飛ぶようなスピードで動けないの?」
「のろま」
「どんくさい」

カメさんは毎日毎日
周りのうさぎさんと同じように
できないことを笑われ
「ダメだよ!」
と怒られていました。

とても怖かったけれど、
怒っている人は
自分のためを思って言ってくれている。

カメさんはそう思って
周りに合わせて頑張ることを覚えました。

うさぎさんと違うことはダメなこと。
恥ずかしいこと。

はみ出したら、隠すこと。

カメさんは毎日毎日
うさぎさんと同じものを食べ、
同じように暮らすことを覚えました。

第3話

いつしかカメさんは、
自分が頑張っていることも忘れ、
カメさんであることも忘れてしまいました。

困った時は、うさぎさんのような
ことを言いうさぎさんのように振る舞えば
誰にも何も言われない。

カメさんは、うさぎさんと一緒に
遊んだり笑ったり、できるようになりました。

それは、ずっとカメさんが
めざしてきたことで、とても幸せな景色が、
そこには広がっていました。

うさぎさんと同じ学校を卒業したカメさんは、
うさぎさんと同じ会社に入りたい!
と就職活動をはじめます。

ところが それは なかなか
うまくいきません。
面接官たちは、
「私はうさぎさんのように
ぴょんぴょん とびはねることもできるし、
人参もバクバク食べることもできます!」
と言うカメさんが、
うさぎさんではなくカメさんで
あることを知っていたからです。

かめさんはそれでもがんばって、
うさぎさんと同じような会社に
なんとか 入社させてもらうことが
できました。

第4話

今まで以上にがんばらなくては!!!

うさぎさんと同じように
お金をいただくんだもの!!!
カメさんは意気ごみました。

毎日毎日 がんばりました。

うさぎさんと同じような
スピードで
うさぎさんと同じような
可愛いポーズで
うさぎさんと同じような
軽快な しゃべり方で

カメさんにとっては
息切れしそうなペースでも
それは決して見せてはいけない
恥ずかしいこと

カメさんは、仕事から帰ると、
ため息をつくようになりました。

心から笑えることってなんだっけ?

人参って自分にとって
本当においしいんだっけ?

そうこうしているうちに
うさぎさんたちは
どんどんスピードをあげて
仕事ができるようになっていきました。

追いつかなきゃ
追いつかなきゃ
追いつかなきゃ…

うさぎさんのうしろ姿が
どんどん遠くなっていきました。

カメさんは、ある日、気づきました。

自分が歩いている草原が、
カメさんにとって生きやすい
場所ではないのだと
いうことに。

第5話

会社に向かう足が止まり、
からだは動かなくなってしまいました。

からだが動かない…

会社に行かなければならないのに…

うさぎさんと同じように生きるために、
こんなにもがんばってきたのに…

これから、どうしたらいいの…?

カメさんは、何日も何日も
動けない日々を過ごしました。

うさぎさんと同じ会社につとめることは、
もうできなくなりました。

ベットに横になる中で
カメさんは、考えました。

幸せになりたい。

その一心で、うさぎさんをめざして
がんばってきたのに…。

もう、うさぎさんをめざすのはやめよう。

そうだ、この動かない
こころとからだを元気にしてあげたら、
きっと幸せになれるにちがいない。

会社につとめながら貯めてきた
お金で、こころとからだの健康
について学べるスクールに
通うことにしました。

これは、自分のこころとからだの
健康にも良いだろうし
一生続けられるお仕事に
なるかもしれない。

カメさんは今までに増して
がんばるようになりました。

資格を取り、その資格を
いかした仕事に就きました。

**

疲れたうさぎさんたちの
こころとからだをゆるめて
元気な笑顔にする
素敵なお仕事です。

カメさんは
お店に来てくれるうさぎさんたちに
元気な笑顔がもどるたび、

あぁ、この仕事をしていて、本当に
よかった。

うさぎさんのお役に立てるなんて、
なんて 素晴らしいことなんだ。
と思いました。



第6話


お店に来る うさぎさんたちは
カメさんに
いろんなお話をしてくれました。

大変なこと、たのしいこと、
おもしろいこと…。

どれも のんびりやのカメさんには
とうてい 体験できそうにない
ことばかりです。

お話だけでも、きけてうれしいな。
たのしいな。

カメさんは、お店に来る
うさぎさんたちのお話をきくのが
たのしくて、大好きになりました。

そして、お仕事から家に帰ると、
自分も、
お店に来てくださるうさぎさんのように、
幸せになりたいな。
と思うようになりました。

いちばん心に残ったのは、
幸せそうな笑顔で、
お孫さんの
赤ちゃんうさぎちゃんのお話をする
おばあちゃんうさぎさんのことです。

お孫さんかぁ……。
きっと、きっとそれは素敵で
幸せなことにちがいない。

カメさんは、
お店に来てくださった
おばあちゃんうさぎさんのように
幸せになりたい。
と思いました。

第7話

ずっとずっと、
だれかのために、お店に来てくださる
うさぎさんのために、
がんばってきたけれど…。

今度は自分の
家族のために、生きてみたい。
そんなふうに思うようになりました。


わたしとずっと一緒に
いてくれる
うさぎさんはいるのかな…?

カメさんは、ますます、
うさぎさんのお話に耳を傾ける
ようになりました。

「カメさんの思うようなうさぎさんは、
いないと思うよ」
「もっともっとうさぎさんのように
ジャンプしないとね!」

カメさんはがんばりました。

いつかのおばあちゃんうさぎさんのように
幸せになりたくて…。

がんばってがんばってがんばって

家に帰ることも忘れて
お仕事に熱中するように
なりました。

幸せに、なるために…。

第8話

そんなある日、届いた、
一通の手紙。

そこには
とてもとても
悲しい知らせがありました。


仲良しだった兄弟が
病気で亡くなったというのです。

大切な大切な家族。
家族の病気  どうすることもできなかった。


幸せってなあに?


カメさんはわからなくなってしまいました。

お店をやめて、
家族と一緒に、
のんびり暮らそう。

本当に自分に合う
パートナーは、
どんなだろう?


第9話

カメさんは少しずつ、
カメさんのペースで歩くことを
思い出しました。

うさぎさんたちと遊んだり
お仕事をしたりする時間をへらして、
のんびりペースでいられる時間を
増やしていきました。

その中で、
「カメさんは、カメさんのペースで
いたら、いいんだよ。
ずっと一緒に暮らそう。
家族になろう。」

そう言ってくれるパートナーに
出会うことができました。

パートナーは、
カメさんのしたいと言ったことを
なんでも応援してくれました。

カメさんは
パートナーとともに一生を歩むことを決め、
一緒に暮らしはじめます。

まわりのうさぎさんたちは言いました。
「君は本当に幸せ者だね。」
「よかったね。」
と。

しばらくして
カメさんは 新しいいのちを授かります。
そして
その時カメさんは思いました。

こんなに素晴らしい瞬間を
自分が味わっていいんだろうか?

愛する兄弟はもう、何も味わうことは
できないのに。


そうだ。自分は旅立った兄弟の分まで
幸せになろう。

そう心に決めました。

  *.  °



第10話

うまれてきた赤ちゃんカメさんたちは、
それはそれは美しい光を
はなっていました。

かわいくてかわいくて、
この子たちのためなら
どんな事でもできる。
このキラキラをそのままに育てたい!

心からそう思いました。

ところが
カメさんがどんなに走っても
周りのうさぎさんママのように
速くすすむことはできません。

どんなにがんばっても
がんばっても
うさぎさんママとの距離は
はなれていくばかり…。

うさぎさんママにはできて、
カメさんにはできてないこと。

欠けていること。
ダメなこと。
遅いこと。怒られつづけてきたこと。

小さい頃からずっとずっと
気になってきた
自分のペースが目について
止まりません。


つらい…。


やっぱり、どんなにがんばっても
うさぎさんママとは違う、
自分はダメなママなんだ…。


ごめんね
ごめんね

赤ちゃんカメさんたち

こんな私のところに
うまれてきてしまって。

のんびりやで
どんくさくて
マイペース。

こんなママじゃなくて、
ぴょんぴょんはねて
かっこいい

すてきなうさぎさんのところに
うまれてくればよかったよね…。

毎日毎日、カメさんは、
心の中で泣きました。

赤ちゃんカメさんたちの前では、
ニコニコ笑顔で言いました。

「うまれてきてくれて、ありがとう。」


。- *  .°


第11話

カメさんのこころの中にはいつもいつも
真っ黒な雲が
うかぶようになりました。

大好きだった遊園地に行っても、
心が晴れわたることはありませんでした。

そんな様子を見たカメさんの
パートナーは、言いました。
「カメさんが楽しそうじゃなくて
悲しかったな。」

第12話

カメさんの心の中にうかぶ雲は
時々嵐を起こすようになりました。

赤ちゃんカメさんは
カメさんに似て、
のんびりマイペース。

それを見たカメさんは

「こんなママだからいけないのね」

と、心の嵐を、言葉で
表現するようになりました。

うさぎさんにずっと言われ続けて
きた事が、カメさんの心の中に
雨を降らせ、嵐を起こします。

「どうして、うさぎさんのように
できないの…?」

カメさんは、心の中にうかんでくる
真っ黒い雲をどうしても
なくすことができません。

カメさんの力では
どうにもならないのです。

どうしたらいいのか、
わからない…。

カメさんの心の中は、星の見えない
夜空のようになってしまいました。

目にうつるのは、
のんびりやのカメさんによく似た、
のんびりマイペースな子どものカメさん。

「ママがダメだから、こんなふうに
育っちゃったのかな。」


第13話

子どもになった赤ちゃんカメさんは
言いました。
「ママは、ぼくに うさぎさんたちと
同じようになってほしいの?」


カメさんは、本当に
どうしていいのか、わからなくなって
しまいました。


わたしは、どうしたいの…?

ほんとうは?

カメさんはうまれてはじめて、
ほんとうは、
どうしたかったのか?

自分に問いかけることを
始めました。

こんなにも
がんばってきた。

だけど
うさぎさんと同じようには
できなかった。


消えてしまいたい…。


そんなおもいがわいたとき、

もう、十分がんばったよ
消えてもいいよ

それくらい、がんばってきたじゃないか。
どこからか、
やさしい声がきこえてきました。

それは、
ずっと苦しんできたカメさんを
じっと見守ってきた
カメさん自身のうちがわから
きこえてくる声でした。

誰かの役に立たなくてもいい
誰に必要とされなくても
そこにいていいんだよ。

カメさんは気づきました。

ずっとずっと
うさぎさんに認められたいと
思って生きてきたけれど

本当に求めていたのは
自分自身に認められる事
だったんだ。

カメさんはカメさんのままで
そのペースで
そののんびりやさんのカメさんで
いるだけで よかったんだ。

カメさん自身の中にある
本当の声に耳を傾けはじめると、
カメさんの心の中の真っ黒な雲が
少しずつ少しずつ
小さくなっていきました。
「ママは、ママの好きなように
生きるよ」

カメさんは子どものカメさんに
本当の気持ちを伝えました。

「うん、僕もずっとそうしてほしい
と思ってたんだ」
子どものカメさんは答えました。

第14話

カメさんは、
カメさん自身の中にある
ダメだと思ってきたところ
隠したい、恥ずかしいと思って
うさぎさんに合わせてきたところを、
もともとのカメさんに
戻していくことにしました。

カメさんの目には
うまれたての頃と同じように美しく
キラキラ輝くひかりが
子どものカメさんの中に変わらずにある事が
うつるようになりました。

あぁ、なんてかわいいんだろう!

怒る日も、楽しい日も、イライラする日も、
成長したなぁと感じる日も、ある。

どんな瞬間も、あっていいんだ。

ずっとずっと追い求めてきた幸せは
風の中にとけていきました。

すべてが、もう、ここにいるだけで、
完成している。

うさぎさんのように生きることが
幸せだと思ってきた日々に
別れを告げよう。

第15話

カメさんの心の中に、
何にも変えがたい ひかりが
とり戻されていきます。

この、ひかり

これを思い出させるために、
この子は、わたしの心に
色んな天気をもたらしてくれた。

すべては、
ギフトだったんだね。

カメさんは、
どんな時も立ち戻る事ができる
カメさんだけの居場所を
見つけることが、できました。


おしまい。


おわりに。


今 どんな風に見えるいのちの中にも



どんなものより美しい輝くお花が

もうすでに 咲いている




それは

いのちの輝きみたいなこと

あなたがあなたのままで
いられますように。










読んでくれてありがとう。 出会ってくれて、ありがとう。 通りがかってくれて、ありがとう。