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麻痺側立脚期の膝過伸展をどう評価するか?

こんにちは!
理学療法士をしているyukiです。
このnoteをご覧頂きありがとうございます!

このnoteでは4月のテーマでまとめていた、
・”脳卒中者の歩行分析”について1つのnote記事でまとめる
・これらの研究内容と臨床での歩行分析から僕が考える脳卒中者の歩行分析(矢状面)

についてまとめています。

それぞれの詳細はそれぞれの記事をご確認頂けると、理解が深まると思います!

では、早速目次です!

脳卒中者の歩行に関する論文のまとめ

まず、4月の歩行が関連するnote記事と参考文献数をまとめると、
note記事:9本
参考文献引用リンク数:199本

でした!
平均して、1つの記事に対して約22本の論文を引用して文章を構成した形になります。

このように分析すると、1つの論文から得られる情報量がとんでもなく多いことに気づきます。
僕の記事で引用していない参考文献もあるため、原著を見返すとさらに情報量増えると思うので、興味がある方はそれぞれの原著論文も是非ご覧ください。

さて、早速ですが記事の振り返りとそれぞれの記事で重要な知見をまとめていきたいと思います!

↑この記事の要点は、
1. 亜急性期を対象にしているため、歩行が困難な方に対してどのような工夫で歩行介入を展開しているか
2. 亜急性期の歩行訓練による効果はどのような結果となっているか


↑この記事では、脳卒中対象者に筋力増強訓練を実施しています。
脳卒中者においても、もちろん筋力は重要ですが、個人的には筋力よりも随意性や筋単位をどのように調整した運動ができるか、の方が重要に思っています。
一方で、上記の研究では痙縮をコントロールしながら筋力の向上を図れています。


↑この介入は運動イメージをRCT研究で行っています。運動イメージが歩行能力に良い影響を与えることは様々な研究で報告されていますが、運動イメージの利点は、まだ実際に歩行が行えない臥位レベルの対象者でも行えて、イメージをすることで歩行能力が改善されることです。


↑機能的電気刺激療法は脳卒中ガイドラインでも高く評価されています。実際にAFOよりも良い点としては治療的な介入が行える点であると思います。AFOは制御、制限、固定、これらの点では良い点であると評価できますが、一方で筋の廃用的な影響は懸念されるところです。


↑臨床においても麻痺側をどの程度、どのように機能させるかは非常に大きな課題と考えています。これまでも過荷重は内部モーメントを十分に生み出せない対象者では負担になるだけであり関節に対して悪影響となります。


↑より早期からステップ運動、つまり歩行訓練を繰り返すことや単純なステップ数が増えることで歩行能力が改善しやすい、とした報告になります!
急性期〜回復期初期にかけての課題で早期からステップ数を増やすことが重要であることを結論づけています。


↑歩幅の非対称性は脳卒中患者でよく見られる歩容ではないでしょうか?その非対称性が非麻痺側、麻痺側でどのような影響を与えるのかを研究しています。


↑慢性期脳卒中者を対象にした研究です!慢性期例においては、地域社会でどのように生活できるかは非常に重要な要素の1つです。範囲が広がるだけで生活の質が変わるだけでなく、恐らく活動性が変わるため、長い目で見ると生存率や二次的障害(廃用など)、健康状態にも影響することが懸念されます。またperryらによって歩行速度の違いで生活範囲がある程度決まってしまうことを研究しているため、歩行速度との関連性を評価することは非常に重要です。


↑この研究で参考にすべきかは客観的な評価で研究がなされていることです!三次元動作解析による関節運動学的視点、筋電図による筋活動、床圧センサーによるモーメント戦略など、臨床で見ることができないですが、非常に重要となるポイントを歩行速度別に評価しています。また、よりリハビリテーション介入で重要となる急性期から回復期まで、入院時から6ヶ月後の経過を見ています。


ここまでの論文報告と僕が臨床で観察していて、膝関節に依存した運動とそれらに対する生体力学的な内容の解釈をしていきたいと思います!

脳卒中者の膝過伸展をどう評価するか?

脳卒中後の歩行に関して、臨床上よく観察される歩容として、”麻痺側立脚期の膝過伸展”があります。

この異常歩行として観察される歩容ですが、結論から伝えると、”エネルギー温存効率をどう評価するか”です!


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