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被殻出血における皮質脊髄路が運動能力の回復過程に与える影響


こんにちは!
理学療法士をしているyukiです。

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このnoteの詳細です‼︎↓
掲載雑誌:Neuroscience Letters, 2017
Impact Factor:2.274

本noteの参考文献数:22本(リンクにてpubmedへ)


では目次です!

はじめに

脳卒中後の運動機能低下は、脳卒中の最も深刻な後遺症の一つであり、脳卒中患者の50%以上に運動機能低下が残存していると言われている(1)。

脳卒中後の運動機能低下の回復過程を明らかにすることは、臨床家や治療者が適切なリハビリ期間を推定し、科学的な治療計画を立てることを可能にし、短期および長期の目標を設定することができるため、脳卒中リハビリテーションの重要なテーマとなっている。

脳卒中後の運動機能低下の回復経過については、多くの研究が報告されている(2-9)。

しかし、多くは運動機能低下の回復過程全体に焦点を当てたものであり、運動機能をつかさどる神経路の状態による詳細な回復過程はほとんど知られていない(2-9)。

人の脳では、皮質脊髄路(CST)をはじめ、さまざまな神経路が運動機能に関与している(10-14)。
運動機能に最も重要な神経路であるCSTは、近位筋群だけでなく遠位筋群も制御している(10,15,16)。

そのため、CSTは脳卒中患者の運動機能低下の予後を予測するために用いられている(17-19)。
さらに、多くの研究が慢性脳卒中患者におけるCSTの状態による運動機能の違いを報告している(16,20,21)。

しかし、CSTの状態による運動機能低下の回復経過の違いについては報告されていない。

著書らは、脳卒中患者の運動機能低下の回復過程は、CSTの状態によって異なるのではないかと予測した。近年開発された拡散テンソル画像(DTI)は、CSTの3次元解析と推定に優れている(22)。

本研究の目的

拡散テンソル画像を用いて比較出血患者のCSTの状態による運動機能低下の回復過程の違いを調べた。


対象と方法

対象者:脳卒中患者36名(男性27名、女性9名、平均年齢50.2±7.78歳)
対象者属性
1. 初発の脳卒中であること
2. 発症時に四肢の完全脱力があること
3. 基底核のレンズ状核を中心とした血腫があること
4. 慢性期(発症から3ヶ月以上)にDTI検査を行ったこと
5. 水頭症、くも膜下出血、脳室内出血がないこと
6. 重度の認知症及び失行障害がないこと

臨床評価
運動機能評価としてMotricity Index(MI)(23)を用いて6ヶ月間毎月評価した。
MIは上肢スコアは肩関節屈曲、肘関節屈曲、手関節屈曲の運動で評価され、下肢スコアは股関節屈曲、膝関節伸展、足関節背屈筋群で評価される。


Fiber tracking(*参照)
*Fiber trackingとは・・脳内の繊維束を可視化する手法であり、現在臨床レベルでは拡散テンソルMR画像を用いた手法が用いられる。

DTIのデータは6つのチャンネルヘッドコイルを用いて画像を取得した。
CSTのDTI所見を用いて、CSTの完全性に基づいて、すべての患者を2つのグループに分類した。
A群:CSTの病変部の周囲で保たれている
B群:CSTの不連続が病変部の周囲またはそれ以下でも観察される

統計解析
・t検定を用いてMIスコアと平均年齢,MMSEスコア,DTIまでの平均月数または発症からの期間などの人口統計学的データとの関連性を評価した。
・ペアのt検定では,各グループ内の月齢間の差を検定
・線形混合モデル:MIの経時的変化を評価


結果


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