記事一覧
私生活で災難にあっております。ちょっと次回投稿まで時間をください。通信手段を欠いております。なんでこんな目にあうのでしょう。投稿が日課になっていたので、そのペースが途絶えて残念です。怪我をしたとかいうことではありません。いやはや迷惑な話です。
いくつかの石 百六十一詩
棄てられた場所 #詩
愛が必要
だって こんな状態だから
壊れたものを修理して欲しい
それなのに
どうして
大切な部品だけ
あなたは 取り去ってしまったの
いくつかの石 百六十詩
見えなかった結末 #詩
野犬は消えても
影の近くをイタチが滑っていた
影さえ失った場所から
人々を追って
何かが
新しい太陽の下へと 四散した
いくつかの石 百五十九詩
少しつめたい #詩
手のひらは
小さく
固く
閉じることもある
種の声が聞こえたなら
いつかまた来る
花を
思い描くことができる
いくつかの石 百五十八詩
殺人事件 #詩
少女の探偵
恋のトリック
解けなかった謎
敗れたこころ
迷宮の日々
女流の作家
それとも描かれた道
歩みと 初めて燃やされた思い
唯一の手がかり
稚拙な手紙
いくつかの石 百五十七詩
愛を信じる #詩
瞳から瞳へと
思いから思いへと
差し出す勇気から 受けとる手へと
あなたの星へと
どれほど彼方にあっても
きっと もうひとつの光りから
いくつかの石 百五十六詩
もっと刺すもの #詩
月のかたちは変わる
だから
あなたは
いつか仰いだ あの光りを思い出す
思い出は変わる
けれども あなたの星は忘れない
いくつかの石 百五十五詩
犬たちのこえ #詩
野良猫よ
ここが荒野だ どこまでも走れ
人の住む家がある
その垣根がある
つめたく 硬い道がある
あるときは飛び
あるときはくぐり抜けていけ
けれども
夜には 瞳を光らせて
一瞬でいい
人を
見返してやれ
逃げ去ればいい
逃げ去ればいい
追いかけはしない 鎖が離さない
いくつかの石 百五十四詩
真冬の白い紙 #詩
描いても
描いても 消されていく
かならず
朝はやってくる
もういちどください
何も作り出せなかったのに
そんな声がする
言葉にならない 小さな音を返して
雪の道を歩いていく
いくつかの石 百五十三詩
泣いてもいい #詩
鳥の声は
いくつ聞こえたのか
冬空は
こたえてくれるだろうか
その手を
もう少し太陽へ近づけて
つめたい風が
胸にまで知らせるから
あなたの
それが翼であると
いくつかの石 百五十二詩
花を抱く種子 #詩
やわらかきもの
揺れるもの
太陽へと輝くもの
見つめるもの
いいえ
声なく語るもの
地下に眠る この瞳で
石よ
凍土に かしづくものよ
風に
欺かれてはなりません
いくつかの石 百五十一詩
それぞれの思い #詩
風
太陽を語ることはない
花
それでも揺れたこと
歳月
どれほど過ぎていった
雨
ともに受けとめていた
石
再び会えると信じている
虹
いくつも果てた思い
もう とどかない何かを
あなたは
誰につたえるのですか
いくつかの石 百五十詩
抱きしめる #詩
人魚
人形
少女
誰が気高く
誰がより生きる
物語
誰の胸のなかに輝き
そして残る
また
誰がより語り
思いは
きっと 受けつがれていく
いくつかの石 百四十九詩
生きること #詩
思いであり
言葉では足りない
少女であり
人形のままではない
受けとめるには
鼓動よりも大きかった
詩集であり
書架へと忘れられている
白き手であり
今また そのことを知った
あなたの本
少しずつ 重みを増していく
いくつかの石 百四十八詩
少し揺れたもの #詩
ひとつあるものは言葉
もうひとつは石
受けとめるものはこころ
もうひとつは砂
小さく 咲いたものは花
もうひとつの願い
もっと 暖かな風が見たい
あなたが
きっと 知っていること
遠くの海
その物語をして欲しい
いくつかの石 百四十七詩
誰もがきっと #詩
予感だけを抱いていた
もとめるものを知らずにいた
それは偶然の出会いだった
書架の隅で手にした
詩集の存在に胸をうたれた
自分も書こうとした
書けなかった
失意を知った
何度も知った
それでも忘れることはしなかった
他人の同じ手のことを思い
幸運に恵まれたときには
少しの熱を語り合ったりした