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京都

雪が積もっていたから、滑らないように気を付けていた。
彼の腕をつかみながら一歩ずつゆっくり歩いたまま、朱色の鳥居を今日は一緒にくぐってしまった。

彼と出会って初めて引いた一年前の水占は、良い結果だけを信じ、悪い結果は忘れるようにしていたけれど、やはり心の片隅に残ってた。
――あれから一年たったから結果も変わるかもしれない。
わずかな期待で、白い御神籤を凍りかけの冷たい水にそっと浮かべる。

徐々に文字が現れ、私はかじかみそうな手でそれを掬い上げた。
「不和の予兆」という言葉だけがクローズアップされて目に焼き付く。

私が泣き顔になったせいなのか、「ただの占いだから忘れろ」と彼は簡単に言い放った。
「私だって忘れたいよ」と聞こえないように小さい声で言葉を返した。


しんしんと冷える京都の夜。

――昨夜久しぶりに私を抱いたのは何故?気づいたあなたの背中の傷。誰がつけたの?


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