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夜と霧を読んで


例えばこの本を読んで、それらを経験したことのない人間が何を語れるのだろうかと思う。
ハンナ・アーレントが「悪の汎用さ」といったように、世の中に本当の怪物はいないのかもしれない。
希望がなければ、人は辛い出来事を乗り越えられないのだろうと思う。
さて自分は、この本を読んで、実際は何を感じたのかと考えると、多分何も感じられていない。
正確に言えば、その場にいた人と比べるとう条件下で、この文章を読んだだけの自分が何かを感じられたのかについて疑問に思う。
この本の中にも、収容所での経験を、それらを経験したことのない人たちに対し、どのように説明したとしても伝わり得ない。ということが書かれている。
まさにその通りなのだと思う。
そしてだからこそ、多くの人にこの本を読んでもらいたい。
伝わり得ない何か、分かり得ない何を感じ取ってほしい。
ただ、それだけを思う。


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