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【初めての今ドキ登山】暑っつい! 立山へ行こう!(@富山県立山) その5


 2023年8月12日、立山に登った。その模様はすでに動画でこちらに公開してある。↓

 noteでは、動画で表現できなかったことを書こう。つまり、
 1.撮影しなかった、できなかったこと。
 2.AV、視覚聴覚以外の感覚のこと。
 3.映像や現象の裏にある、理由、感情、背景、歴史。
 4.なぜ山に登るのか、山に登るとは自分にとって何なのか。

以上、前置き終わりです。


 Youtubeの動画では、下山の部分がほとんどない。登りと同じルートで下りているから同じ風景の繰り返しになって退屈だろうという判断もあったが、実は撮影しながら下山するのは、難しい。特に、立山のような急斜面の山の場合は。

 山登りで、下りは上りよりも楽だと思ってない? 上りは自分の体力で一歩一歩高度をかせいでいかなくてはならない。一方、下りは上りで蓄えた位置エネルギーで下りるだけだから、体力を使わなくて楽だ。そう思っていたら、とんでもない! 人がボールなら転がり落ちることもできるが、そういうこともできない。足を使って降りる人間特有の問題があるのだ。

 膝である。下りで足を下ろして地につく時に、衝撃が足に伝わる。それを主に吸収するのが膝である。下りで膝を酷使すると、膝がいう事を聞かなくなる。ガクガク震えて歩けなくなる。膝が”笑う”という奴である。3,000mの世界で歩けなくなったら、どうやって帰ればいい?
 だから膝に自重がかからないように、体全体で下りる。地面に着地した時の衝撃を体全体に分散するように動く。そして、当然急斜面でバランスを入念にとって下りる。体全体を使って、バランス、重心、足の置き場、置く時の力の入れ具合をコントロールしながら下ることが、山登りの「下り」なのだ。体力はそれほど使わないが、頭と神経を使う。

 そう考えながら下山する私の前に、外国人の若い女性が歩いていた。白人だ。大柄だ。メガネをかけて歩いている。外国人の年齢はわかりにくいが、20歳くらい。大学生が日本旅行に来たのだろうか。なにより目を引いたのは、彼女は一人、連れがいない、単独行だ、ということ。

 彼女に追いつきたい。追いついて、声をかけたい。歩けども歩けども、彼女との距離が開いていく。彼女は私よりも大きなザックを背負って、すいすい前を歩いていく。彼女の歩きは自然だ。平地を歩くのと同じ雰囲気で下っていく。
 ”そうか、彼女は、私みたいに色々考えずに下りれるんだ”
 若いから、自然に歩くだけで、膝の筋肉が衝撃を吸収する。体が無意識のうちにバランスをとる。

 一の越をすぎて室堂までの道は、広いから後ろから追い越すこともできる。若い三人組の女性が喋りながら、私を追い越していく。
ーー若いってズルい。

《……to be continued》

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