エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスを観てきた

めちゃくちゃ面白かった。

ネタバレを含みますので未鑑賞の方はご注意ください。






元々楽しみにしていて、金城一紀のツイートでますます楽しみになっていた作品。

公開されてやっと観れたことでツイートの意味を改めて理解できたの嬉しかった。



ラストシーンで(やっぱり愛か〜!!)となる作品が多い。
もちろんそれも好きだけど、この作品はそこから更に腑に落ちるラストだった。

愛だけど、役割ありきじゃなく(母親だから、女性だからetc.)、個としての関係だったのがめちゃくちゃしっくりきた。


【でもわたしはこの世界でこれを選びたい】ってすごい大きなメッセージだと思うし、やり方が自分の受け取りと合わないと白々しくなってしまうのだけどこの作品に関しては本当に腑に落ちすぎてなんでこんなに泣いてるんだろうというくらいボロボロと涙が止まらなかった。なんだろう時々出会う心の柔らかいところに直接触れてくる、揺さぶってくる作品だった。


マルチバース作品増えたね〜?!
わたしが観る方向性?ジャンル?がそうなだけかな。観るたびに、ドラえもんありがとう〜!あと、パラレル同窓会読んでて良かった〜!と思うなどしている。何しても上手く行かなかった、それは2択のテストで0点を取ったのび太くんでは?!とか。

マルチバースとパラレルワールドとは何が違うのと言われて上手く説明できないけどなんかマルチバースの方がもっと立体的なイメージ。

ミシェル・ヨー、かっこよかったなぁ。
表情で夢見るうっとりだったり、忙殺されてたり、自信に満ち溢れてたり。スクリーンの向こう側なのに生々しかった。かっこよかった。カンフーバチバチかっこよかった。
看板振り回すのって何でこんなに惹かれてしまうんだろうね…

キー・ホイ・クァン、ロキの続編に出るんですね?!やったーーー!!!スーツのシーン、やたら暗いしずっと会話だし、シルエット多めだし、なのにめっっちゃくちゃかっこよかった。
ウォン・カーウァイ作品のオマージュとのこと。ずっと観たいなぁと思っているのでそろそろ観よう。そういう作品多い。観ないで楽しみにしてる時間も楽しいんだけど。

SFによくある3Dホログラムで説明!みたいな感じじゃなく、スマホだけどちょっとアナログな感じ。黒字に緑の画面、危なくなると赤くなるアレ。めっちゃ好き。


あとは女性のエンパワメント!!活躍!!な作品、勇気をもらうこともあるのだけど、(いまはそういう気分じゃないです)みたいなタイミングもある。でもこの作品はあまりそこにフォーカスされすぎてなかったように感じた。フォーカスされてたのかな?わたしはそういう視点で観なかったというだけかもしれない。

映画の受け取り、自分の体調・メンタルetc.にだいぶ振り回されるから分からない。相対的でしかない。


カオス理論の話が始まって、伊坂幸太郎作品を思い出したり、関連して大須賀めぐみ作品を思い出したり。履修しててよかった!!

わたしはずっと伊坂幸太郎の『モダンタイムス』の"人生は要約できない"というフレーズが大好きなのでこの映画を観て改めて(なんかやっぱりそうだよね〜!)と心のなかで同意したり。大きな出来事にフォーカスされがちだけどなんやかんやで日々が人生だよなぁと最近考えてたので特に。

映画愛の方向性でいくと『ブリグズビー・ベア』的な熱量を感じました。あの映画もまた観たい。


このタイミングでこの映画が公開されて観に行けたのもご縁だなぁと。

例えば10代高校生、20代でも大学生、就職前、就職直後、社会人数年経験どのタイミングで観ても違う感じ方、感想を持つとけどきっと好きになってたんじゃないかなぁと思う作品。

親に対して(ほっといてくれ!!!!)とか(近くにいるから関係が…)とかそういう感情を抱いたこと或いは抱くことがあるのでとても生々しくて…


子は親を選べないし、親も子を選べないし、親は子に呪いをかけるし、子も親に呪いをかけられたと思うし、なんなら親も親(つまり祖父もしくは祖母)もかけられた呪いをかけるまいと呪いをかけるのできっつい。でもなんか目の当たりにさせられる映画すごくよかった。


自分のなかの呪いを解いてくれたような、あるいは呪いを見えるようにしてくれて向き合うことにさせてくれた、そんな作品。


今後30代、40代、もっと上の世代になってまた観返したときに感想が変わっていたら面白い。

ps
パンフ読んでたら大森望さんの文章載っててびっくりしてしまった。最近出た『モダンタイムス』の文庫版解説も大森さんでしたよね…好き作品にめちゃくちゃ登場頻度高くて大好きです。『三体』から始まりお世話になっておりますという気持ち。(もっと前からお世話になってるかもしれない)

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