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鳴かず飛ばずの人生を転換させるには「他者評価からの脱却」が重要

鳴かず飛ばずには、「将来の活躍に備えて、機会を待っている様子」、「何の活躍もしないでいるさま」と2つの意味がありますが、一般的には後者の意味でよく使われています。

長い間、不遇(=鳴かず飛ばず)が続くと、

「人生、このまま鳴かず飛ばずで終わりたくない」

と考えてしまうもの。

この記事では、そんな鳴かず飛ばずから脱却できるヒントが書かれた本を紹介しながら、脱却のための肝について考えてみました。

本のタイトルは、ずばり「鳴かず飛ばずの中高年サラリーマンが、アドラーの「人生の意味の心理学」を通勤電車で読んだら」です。

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人生が鳴かず飛ばずになる原因

本書では、人生が鳴かず飛ばずになる原因として「私的論理」に基づく考え方を挙げています。

「私的論理」に基づく考え方とは、自分の利益、自分の欲求に基づいて行動することです。

若いうちは、新しい経験や昇給を通じて自分の欲求を満たすだけでも満足して生きていけるものの、中高年になると次第に私的論理だけでは満足できなくなってしまいます。

例えば、出世の道がなくなった、給料が上がらない、左遷される、などの経験は、これまで充足できてきた私的論理の欲求を満たせなくなる転換点でもあります。

また、私的論理に基づく欲求を充足しきってしまい、目標を見失うことで「鳴かず飛ばず」になることもあるそうです。

鳴かず飛ばずから脱却する方法

本書では、そんな「鳴かず飛ばず」から脱却する方法として、自分軸を明確にすることの重要性を説いています。

・目標を紙に書く
・アンテナ読書をする
・各種セミナー、講演会を受講する

このような行動をすることで、自分軸を明確にできるとしています。

自分探しの旅のようにも見えてしまいますが、鳴かず飛ばずのトンネルから脱するには、このようにもがいてみるしかないでしょう。

重要なのは他者評価からの脱却

本書を読んで感じた「鳴かず飛ばず」を脱するための一番の肝は、他者からの承認・評価から脱却なのだろうと思います。

本書の言葉を借りると、

承認という「私への執着」から、「他者への関心」へと、自らのスタイルを変える

鳴かず飛ばずの中高年サラリーマンが、アドラーの「人生の意味の心理学」を通勤電車で読んだらから引用

ことです。

これはゴールドラット氏が書いた経営学の名著でもある「ザ・ゴール」で説いていることとも通じるものがあります。

ザ・ゴール」では、会社の目標は「お金を稼ぐこと」、しかし人生の目標は「自分で見つけなくてはならない」と言っています。

そして、目標(ザ・ゴール)が明確でなければ、行動の結果を評価することすらできないとも言っています。(もちろん、目標に近づく結果が、よい結果です)

逆の言い方をすると、目標(ザ・ゴール)が明確であれば、自分が出した結果を自分だけで評価できるようになり、他者からの評価を必要としなくなるのでしょう。

まとめ

「他人からの承認・評価を得る」という動機で仕事をしていると、いつか「鳴かず飛ばず」の暗いトンネルにぶつかる。

しかし、「自分の設定したゴール・目標に近づける」という動機で仕事をすれば、他者の評価に頼らずに充実した人生を過ごすことができる。

そんなことを思い返させてくれる一冊でした。

他にも、本書では著者が実際に「鳴かず飛ばず」から脱却するためにやったこと、考えたことが書かれています。

「自分の人生はこのままでよいのか?」と悩む中高年の方におすすめです。

中高年のキャリアを再考するのに適した本を以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。


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