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ササニシキとコシヒカリの違いは何か?

 ササニシキって、お米の品種は、最近はほとんど見かけなくなったって思いませんか。

 1990年代初頭までは、ササニシキはコシヒカリと並んで、両横綱と呼ばれた人気品種だったのですね。

 ところが、平成5年(1993年)の大冷害をきっかけに、農家にとって、冷害や病気に弱く、栽培が難しく、また、品質が低下しやすいササニシキは敬遠され、それに取り組む農家が激減してしまいました。

 私も、その当時、米の流通が大きく減り、美味しくないパサパサの外米が入って来て、止むなく食卓に上ったのを記憶しています。

 今のササニシキの日本米に占める割合は、0.4%程度と言われているのに対して、コシヒカリは、30%を超えると言われています。

 かつて、ササニシキは、コシヒカリに次ぐ第2位の収穫量を誇っていたのにもかかわらず、このような変化となってしまいました。

 それぞれの品種では、味が全く違います。

 コシヒカリは、もっちりとした噛みごたえと甘みがありますが、ササニシキは、どちらかというと、さっぱりとして粘り気がなく、ほどよくお米がほぐれる喉越しの良い品種なのですね。

 この理由は、お米に含まれるデンプン(お米の70%はデンプン)には、アミロースとアミロペクチンがありますが、そのアミロースとアミロペクチンの含有量が、両者で異なることにあります。

 アミロペクチンが多く、アミロースが少ないと、粘り気が多く、もっちりとした食感になります。

 反対に、アミロペクチンが少なく、アミロースが多くなると、粘り気が少なく、さっぱりした食感になります。


 典型的なのは、もち米ですが、これはアミロペクチンが100%になりますから、もっちりどころか、モチの原料になる訳ですね。

 コシヒカリはアミロースの割合が17%前後であるのに対し、ササニシキは20~23%であり、そのため、コシヒカリがもっちりしているに対し、ササニシキはさっぱりしている食感になるのですね。

 日本人の好みも変わってきており、もっちりした食感を好む人が増えていることから、コシヒカリなどアミロペクチンが多めの品種が隆盛を極めているのでしょう。

 ササニシキは、アミロペクチンが少なく、アミロースが多い、ほとんど唯一の品種と言われています。

 このようにお米の味を抑えてさっぱりし、お寿司の具を引き立てるササニシキは、お寿司屋さんなどでよく利用されていました。

 ところが、昨今は、お寿司屋さんも寿司ロボットが握ることも多く、粘り気のある米の方がロボット化するのに都合が良く、「お寿司屋さん=ササニシキ」という構図はくずれつつあります。
 ※今も、ササニシキを売りにしているお寿司屋さんは、当然ありますよ。

 私の家では、ふるさと納税で、米を定期便(10か月連続で定期的に配達されるなど)で返礼品を受け取っています。

 かつては、コシヒカリを取っていたのですが、奥さんから、ササニシキにしてくれ、との強い要望があり、いろいろ探して、宮城県内のとある市町村に、ふるさと納税をし、特別栽培米のササニシキを受け取っています。
 ※今や、ササニシキは、宮城県を中心に、ごくわずかに作られているだけであり、東京都内の店舗ではまず見かけません。

 ササニシキは、さっぱりした食感から、東北人の特徴である奥ゆかしさと似ており、米好きは最終的にはササニシキに帰るとも言われています。

 うちの奥さんの考えは、成分的な科学面でも、理由のある話だったのでしょうね☆彡。

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