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備忘録『日本の水道をどうする!?』内田聖子 編著(コモンズ 2019)

備忘録 : 2,964文字

水がなくなると、
人のことだけで言えば、血流が滞り、栄養が全身に行き渡らなくなり、
細胞が死んでいき。。。
水や食べもののことは重要だから、小さい頃に学んでおく必要がある。
自然の「水」だけでなく、水道の「水」のことも。
上水道と下水道のこと。上下水道事業は、各市町村の管轄であること。
「水」が「生存」にかかわること。故に「基本的人権」にかかわること。
「水道民営化」で、生きることの根幹が危ぶまれること。
10年前から日本は、「水道民営化」のターゲットとされる。
世界的には、1970年代、アメリカのいつものやり方で
クーデーターを起こされたチリから
新自由主義の「水道民営化」は始まる。
2017年1月時点でターゲットとされた市町村を以下に。
現在、問題が進行している所もあるだろうし、
市民運動家のおかげで一時的に回避されているところもあるだろうが、
住まわれているご自分のところの水道状況は確認されたし!
水道民営化」で、水質は下がり、水道料金の大幅な値上げも想定される。
世界的に失敗している「水道民営化」。それに逆行してやりはじめる日本。
民営化されていれば、「水道再公営化」の必要がある。

大阪市、奈良市、広島県、橋本市、紀の川市、ニセコ町、浜松市、大津市、
宇都宮市、さいたま市、柏市、横浜市、岐阜市、岡崎市、三重県、
四日市市、京都府、熊本市、宮崎市。

『水道をどうする!?』 P. 199 第5章 「公共の水」をどう維持し、発展させるか

1990年代に入り、IMFと世界銀行は途上国への新規融資や
債務削減の条件として、国や自治体が担う水道事業などの民営化を
構造調整プログラム(SAP)の一環として押し付けてきた。
融資を餌にした公共サービス民営化の強制である。

『日本の水道をどうする!?』 P. 12 第1章 世界の水道民営化の30年

2004年10月にウルグアイで実現した先駆的な憲法改正
(・・・)
自治体の水道労働組合や環境団体が「水と生命を守る全国委員会」をつくり
(・・・)
改正案は、「水は人権である」と規定し、「水政策の策定にあたっては、
経済的利益よりも社会的配慮を優先させるべきである」
「水道は政府機関が非営利目的で提供すべき公共サービスである」とし、
民営化を違法とする内容も盛り込んだ。
国民投票で改正案を支持した有権者は63%にのぼった。

『日本の水道をどうする!?』 P. 37-38 第1章 世界の水道民営化の30年

2011年のPFI法改正によって、水道事業にコンセッション方式(公共施設等運営権方式)を適用できる状態がすでに整えられていた。
(・・・)
2018年の水道法改正では民間企業が参入する際のハードルを低くし、リスクをより軽減することで、事業参入を促す内容が盛り込まれたのだ。
具体的には、給水責任を自治体に残したうえで、企業は事業認可を得ずに、
厚生労働大臣の許可を受けてコンセッション方式の実施が可能になる。

『日本の水道をどうする!?』 P. 101 第3章 世界と逆行する日本の政策

PFIとは、Privete Finance Initative(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)の略語で、公共施設などの建設や維持管理、運営を民間の資金や技術、経営ノウハウを使って効率化したり、サービスの向上を図ろうというものである。

『日本の水道をどうする!?』 P. 103 第3章 世界と逆行する日本

「規制緩和=善」「官(公)によるサービスは非効率、民営は効率的」という考えが一貫して強調され、多くの公共サービスの民営化方針が打ち出され、現在まで続いている(表3-1-2)。

『日本の水道をどうする!?』 P. 103 第3章 世界と逆行する日本


『日本の水道をどうする!?』 P. 103 第3章 世界と逆行する日本

民営化のトップランナーであった英国の会計検査院は2018年 1月に、
PFIの「対費用効果と正当性」に関する調査の報告を行い、
デメリットのほうが多いと述べた。
過去40年にわたって行ってきたPPP/PFIは「失敗」であると評価したのだ。

『日本の水道をどうする!?』 P. 106 第3章 世界と逆行する日本

私たち市民は、政府のなりふるかまわぬコンセッション方式推進策に
自治体が流されないように、水道の公共的な役割を捉え直したうえで、
議員や議会に強く働きかけていくべきだろう。

『日本の水道をどうする!?』 P. 116 第3章 世界と逆行する日本

公共の財産を使って利益を得ようとする人びとの台頭を許したのは、
紛れもなく私たち市民一人ひとりである。
毎日当たり前のように蛇口をひねり、当たり前に水を利用するなかで、
蛇口の向こう側に対してあまりに無意識・無関心だったのではないか。欠かせないにもかかわらず欠かせないにもかかわらず、「人任せ」にしてきた。

『日本の水道をどうする!?』 P. 130 第3章 世界と逆行する日本

フランスでは2013年の法改正で、
水道料金の滞納を理由に事業者が水道供給を止めることが違法となった。
(・・・)
「住民が料金をなぜ支払えないのか」という問題を行政や市民が
共有しなければならないとしたのだ。

『日本の水道をどうする!?』 P. 132 第3章 世界と逆行する日本

内閣府によるPFIコンセッション方式推進の動きは、厚生労働省水道課による2017年 2月の「トップセールスリスト」につながった。
水道へのコンセッション方式導入を
大阪市、奈良市、浜松市などの19事業体に働きかけたのである。

『日本の水道をどうする!?』 P. 138 第4章 民営化が懸念される自治体

2018年に入って浜松市では市民による集会、要請、署名、スタンディング、
資料調査などが行われ、水道民営化に反対する声が高まった。
2018年10月の市議会では、最大会派の自民党が「民間事業者出資や役員派遣などで内部から統制できないなら(民営化に)賛意は示せない」という見解を示した。
2019年1月に行った「命の水を守る全国のつどい・浜松」には600人が集まり、「命の水を守ろう!」「止めよう!水道民営化」の声をあげた。
反対の声の高まりのなか 1月31日、鈴木市長はコンセッション方式導入決定を「当面延期する」と発表した。

『日本の水道をどうする!?』 P. 150 第4章 民営化が懸念される自治体

全国に水道民営化の導入が懸念される「要注意地域」がある。
厚生労働省の「コンセッション導入に向けた働きかけ(トップセールスリスト)」に挙げられている自治体や、「上下水道一体の事業診断による経営の効率化促進事業」など、内閣府が支援している自治体だ。
前者の対象地域の要件は、
人口20万人以上、平成25年度に原則黒字経営、
2040年度まで人口減少率が20%以下
」である。

『日本の水道をどうする!?』 P. 187-188 第5章 「公共の水」をどう維持し、発展させるか


今週 2/23、れいわ新選組のWEB勉強会で、
内田聖子さんの「水道再公営化」の話がある。
無料の登録(れいわ・フレンズ)でも観られる。
その前に、本を読んでみた。
水は自分にとっても大切なのに、水道から出て当たり前と思い、
水のことを蔑ろにしてきたから、危険が迫る。