1日2題の英文和訳 解説編 Apr.23.2024
それでは本日も解説していきましょう。
【第1問】
「実際に、地球規模の税制秩序の伝統的な構造は多国籍企業が税源の侵食と利益移転に携わる機会を提供する。つまり、どれだけわずかな仕事しか行われていなくても、無税もしくは低税率の国に置かれた子会社により多くの利益を割り当てる企業もある。」
【解説】
横浜国立大学らしい経済分野に特化した英文でしたが、このような話題にあまり触れたことのない受験生にとってはそれだけで難易度が上がってしまいますね。特定分野に特化した英文を出題する傾向のある大学を受験する場合には、その分野のニュースや話題に日々触れておくことも大切だと実感していただければ、それだけでこの英文を取り上げた価値があるような気がします。
さて、前置きが長くなりましたが解説です。ダッシュの前の1文目はopportunitiesをto engage以下の形容詞用法の不定詞が修飾しており、その不定詞句には意味上の主語for multinational corporationsが置かれています。
ダッシュのあとはthat isが置かれているので、前文の言い換えになっていることが分かります。より詳しく説明しているんですね。
no matter how以下は「どんなに〜であろうとも」という意味の譲歩の従属節ですが、no matter howと複合関係副詞howeverは形容詞または副詞がないと使えません。
今回の英文ではちゃんと副詞のlittleを伴っていますね。この点は特に整序問題では頻出事項なので要注意です!
そして主節側では名詞affiliatesをlocated以下の過去分詞句が後置修飾しています。locateという他動詞は"locate A in/on B"という形で「A(建物など)をB(場所)に置く、定める」という意味で使いますが、" be located in/on 〜"「〜に位置している」という受動態の形で使われることが多い動詞です。今回はそれが過去分詞句になっているんですね。
【第2問】
「まるで自分が科学者であるかのように自分の学習を観察することによって、音楽や影響を与えるその他のものが自分にどんな影響を与えるのかが分かるだろう。」
【解説】
まず全体的な文の構成は主語が無生物で目的語が人なので無生物主語構文です。先日の週末英文法で取り上げましたが、訳し方をもう一度確認しておきましょう。
今回は主語を手段の意味で訳して「SによってOは〜できる」とすれば自然な日本語になりますね。
それでは細かい点を見ていきましょう。まず主語はobservingからscientistまでの動名詞句で、as if節が含まれています。この節内は一般には仮定法が用いられますので、現在のことなら動詞は過去形、過去のことなら動詞は過去完了形になることが多いです。(今回の英文のように現在形が用いられることもあります。)
(ex1) He talks as if he were an expert. $${\leftarrow}$$ 彼は実際は専門家ではない
(彼はまるで専門家であるかのように話す。)
(ex2) He talks as if he had seen a ghost. $${\leftarrow}$$ 彼は実際は見なかった
(彼はまるで幽霊を見たかのように話す。)
動詞部分は"allow + O + to do 〜"の形で、直訳すれば「Oが〜するのを許す、認める」です。もちろん今回は直訳はNGです。不定詞句で用いられている動詞seeはここでは「〜を見る」でも「〜に会う」でもなく、「〜が分かる、〜を理解する」という意味なので注意しましょう。
seeの目的語は間接疑問ですが、次のように出来上がっています。確認しておいてくださいね。
【肯定文】Music and other influences have an effect on you.
(音楽や影響を与える他のものがあなたに影響を与える。)
$${\downarrow}$$
【疑問文】What effect do music and other influences have on you?
(音楽や影響を与える他のものがあなたにどんな影響を与えるだろうか。)
$${\downarrow}$$
【間接疑問】what effect music and other influences have on you
(音楽や影響を与える他のものがあなたにどんな影響を与えるか)
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