1日2題の英文和訳 解説編 Apr.26.2024
今日の英文はどうだったでしょうか。期せずして2題とも医系の大学だったので、そもそも内容が難しい英文でしたね。それでは解説を始めましょう。
【第1問】
「論文の執筆者たちは、冬眠を必要とせず、類似の認知機能の上昇を人々に提供することができる薬物療法を開発することは可能かもしれないと示唆している。」
【解説】
suggestの目的語であるthat節の中は主語が形式主語のitでto develop以下の名詞的用法の不定詞が真主語です。2つ目のthat以下はdrug therapiesを先行詞とする主格の関係代名詞節ですが、文末に怪しい語句がくっついています。
〜 a similar cognitive boost to people, no hibernation required
これは実は分詞構文で、主語が主節の主語と異なるので残っている独立分詞構文です。かつ、受動態なのでbeingも省略されています。つまり、
〜 a similar cognitive boost to people, and no hibernation is required
$${\downarrow}$$ 接続詞を省略して分詞構文に
〜 a similar cognitive boost to people, no hibernation being required
$${\downarrow}$$ 受動態のbeingは省略可能
〜 a similar cognitive boost to people, no hibernation required
というように出来上がっています。文末の分詞構文ですので連続的な意味か付帯状況的な意味が基本ですが、今回は付帯状況を念頭に自然な訳になるようにしました。参考にしてください。
【第2問】
「統制の所在とは、個人の経験の原因や、その人物が成功や失敗の原因と考える要因に関係する思考体系のことである。」
【解説】
individual's belief systemを修飾するrelating to以下の現在分詞句が長いですね。等位接続詞のandが2つの名詞を結んでいます。
① the causes of his or her experiences
and
② the factors to which that person attributes success or failure
②の方は関係代名詞節がついていますが、訳しにくいですね。そういう場合は先行詞を含めた一つの文に戻して訳してみます。
② That person attributes success or failure to the factors.
(その人物は成功や失敗の原因がその要因にあると考える。)
そうしてからあらためて関係詞節が先行詞を修飾するように日本語を組み替えるとうまく訳せます。
② the factors to which that person attributes success or failure
(その人物が成功や失敗の原因と考える要因)
このような手間を惜しまないことも英文和訳上達のコツです。覚えておいてくださいね!
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