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私が800mで1分台を出した方法

こんにちは。渡部希です。

軽く自己紹介すると現在大学2年生(新3年生)で部活やサークル等には入っておらず、市民ランナーとして800m,1500mをメインに競技に取り組んでいます。

また、毎週土曜日に活動している新横浜ランニングクラブ(SRC)という中高生向けのランニングクラブでランニングコーチを務めています(この投稿の画像はそのクラブの練習風景です。興味ある人は是非!笑)

私は高校3年生の時に一度競技を引退し、2度と走らないと固く心に誓って大学に入学し大学1年生の頃は一切走らずにただ遊び続ける生活を送っていました。その頃に一度思いつきで走った800mは2:30でキロ3で800mすら走れないのかと絶望したことを覚えています笑

そんな私が競技復帰をしようと決意をしたキッカケは2022年1月2日3日に行われた第98回箱根駅伝を観たからです。

知っている先輩方が出走されていたり、駅伝部に所属しているかつての陸上仲間達がサポートなどを頑張ったりしているのを観て、とても輝いているように感じ、1月4日から帰省してきた某駅伝部の友達を三ツ池公園に呼び出し(本当にごめんせっかくの帰省期間なのに)ジョグをしたのが私の市民ランナーとしてのスタートでした。

そんな私ですがかなり長い期間のブランクがあり、2021年のシーズンベストが800m2:30、週3〜4日アルバイト、基本ポイント練習は1人という状況にも関わらず、競技復帰1年目の昨シーズンに800m1:58をマークし秋シーズンは3レース中2レースで1分台をマークすることができました。全然トップレベルのタイムではないし、市民ランナーでも自分より速い人は居るけど結構凄いことをしたのではないかと自分では思っています。

なぜこのnoteを作ろうと思ったのか


理由はシンプルに皆んなに速くなって欲しいからです。クラブチームのランニングコーチとして中高生と接したり、SNSで繋がっている中高生や市民ランナーの方を見たりしていると競技レベルや環境に関係無くとても熱心に競技に取り組んでいる人が多い印象です。

しかし、非強豪校の部活で競技に取り組んでいる人や個人で練習を行っている人はなかなか記録を伸ばすことが難しいと思います。

800m1分台という記録は中学生なら全国大会に出場できるし、高校生、市民ランナーにとっても決して簡単では無くこの記録を目標に競技に取り組んでいる人がとても多いと思います。

なので1分台を目指しているけどなかなか記録を伸ばせない人や、長いブランクから復帰しようとしているランナーの人に向けて自分が一つのモデルケースになれれば良いと考え、このnoteを作成しました。

ちなみに自分は基本的にポイント練習、ジョグ両方1人でこなしているので参考になる部分が多いと思います。

復帰1〜2ヶ月目 〜ポイント練習を行う為の土台作り〜

まず私は1年半全く運動をしていなかったので最初は走る事に慣れることから始めました。

最初の1ヶ月は三ツ池公園の上コース(アップダウンの激しい半分ロード、半分砂利道)をキロ6〜7ペースで30′ジョグからはじめて、徐々に時間を増やして最終的には60〜80′上コースジョグをしていました。(ペースは変わらずキロ6〜7)

それ以外だとごく稀にロードでキロ5〜5:30ペースで50〜60′ジョグをする程度であとは週2〜3回100〜200mくらいの流しを入れてたと思います。

市民ランナーとして復帰した当初は専門種目を何にしようか考えていなかったので、とにかく中長距離の練習に慣れる為にゆっくりのジョグと流しだけを行っていました。
練習の頻度は週5〜6くらいだった気がします。

当時メインで行っていたジョグ
三ツ池公園上コース


復帰して2ヶ月目は今まで行なっていたジョグは継続しつつ、週2回8kmの速めのジョグを入れ始めました。
最初はキロ4ペースで8kmから行い、余裕があったら次はキロ3:55で行うなど少しずつ設定ペースを上げていきました。
最終的に1ヶ月で8km3:45くらいで行なってた気がします。

この時はアキレス腱周辺炎になっていたこともあり、スピード練どころか流しもほとんど行っていませんでした。ジョグも気合いで行っていました。

この月の練習の意図としては、有酸素ベースを作ることでした。

自分はまだこの時中距離をやるか長距離をやるかを迷っていたのもありますが、仮に800mをやると決めていたとしてもこの様な流れにしていたと思います。

3〜4ヶ月目 〜ポイント練習の導入〜

3月に入りようやく週2回ポイント練習を行うようになりました。

その時に主に取り組んでいたのは
・8000mペーラン3:30〜3:40+1000m
・400×8〜10 72〜74″ r200mjog
・1000m×3〜4 2:55〜3:00 r60〜90″

この時はちょっと気持ちが長距離に傾いていたのもあり、このようなメニューをやっていました。目標は復帰初戦3000m8分台でした。(結局800mに移行しました。)

ただ、400インターバルは最初は76″を8本で行っていましたし、1000インターバルも最初は3:05,3:09,3:19と見事に垂れ散らかしたことを覚えてます(笑)

ジョグと同じで少しずつ設定を上げていきました。

目標から逆算していくのでは無く、現状の能力から少しずつ段階を踏んでレベルを引き上げていくことがいちばんの近道だと思います。

最終的に復帰して4ヶ月の練習で
・8000m ave3:30
・1000m×4 r90″ 3:00,3:01,2:59,3:03
・3000m+1000m r3′ 9:30+3:05
・2000m+500m r3′くらい 5:59+1:27

とかで走っていました。結果的に800mに繋がる有酸素ベースが出来たと考えています。

復帰5ヶ月とそれ以降 〜800m初戦、1分台まで〜

800mをやろうと決意したのはGW頃、同じ大学で市民ランナーをやっている先輩に「今月末までに800m2:03切れば県選手権に出られるよ」と言われたからです。
復帰1年目で県選手権出れたらシンプルに凄いのでは?っていうノリだけで月末にある東海大記録会で2:03を切る事を目標に800mの練習を始めました(笑)

僕が800mの練習でメインとしているのは400mのレペです。
というかポイント練習で800の練習は基本的にそれしかやりません。

試合までの期間は3週間で、直前の1週間の調整期間を除く2週間のポイント練習は

・400×3 r10′ 57〜58″
・120×3×2 rウォークバック R400mウォーク
・6〜8km ave3:40〜3:45

をこなしていました。

400のレペは1本目は1周目をイメージして入り気持ち速く後半はリラックス、2本目は中間走のイメージでイーブンペースだけど1本目よりは速いタイム、3本目はラストのイメージで乳酸が溜まっている状態で頑張って動かす。これはこの時のみならず今でも行っていて自分の中で800mの王道練習です。

1人で600のレペやセット走を行うのは難易度が高いし、200や300は勢いだけで走れてしまうのであまりレースに繋がらないと思います。(あくまで個人の意見)

この週3のポイント以外はジョグで4:20ペースくらいで8〜12kmくらい走ってました。

そして3週間の練習で挑んだ復帰初戦2年半ぶりの800mは2:00.95(60-60のイーブンペース)という結果で見事目標を達成します。

復帰初戦の東海大記録会800m


ここからは基本的に同じ流れで練習を積んで、夏に1ヶ月ほど捻挫と腸脛靱帯炎が重なりポイント練習ができない時期がありましたが、9月に1:59.57で見事に1分台を出すことができました。

1分台を出した9月の日体大記録会

この時のポイント練習は
・400m×3 r10′ 57,57,56
・120m×3×2 rウォークバック  R400mウォーク
・1600m×4 r2〜3′ 3:20/kmペース
・2000m×3 r3′ 3:15〜3:20/kmペース

をメインに取り組んでいました。400レペ、スプリント、有酸素系を週に1回ずつです。

1:58を出した時もこれと同じ練習を繰り返して流れで出た感じです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?それぞれで読んだ感想は違うと思いますが、おそらくほとんどの人は「意外とスピード的には自分でもいけそう」「有酸素系の練習の設定が少しキツイな」と感じたのではないかなと思います。

自分の身の回りにいる800m専門で1分台を出せていない選手を見ていると、800mはスピードが大事だ!という感じでとにかく絶対的なスピードを上げることを優先してメニューを組んでいるイメージがあります。

しかし、800mにおける有酸素性能力と無酸素性能力の割合は

有酸素60%:無酸素40%

となるんです。(ネットとか論文で出てくるとヒットします)

意外と有酸素性能力の方がレース全体で見ると貢献度が高いんですよね。

だからこそ800mを速く走るためにはスピードばかり追い求めるのではなく、ロングインターバルやペース走や普段のジョグなどを気持ち多めに取り入れて、バランス良く有酸素性能力と無酸素性能力を強化していくことがタイムを縮める近道だと考えます。

最後に

今回はあくまで自分が昨シーズン実際に実践して、1人で1分代を出した方法をまとめました。しかしこれはあくまで一例なので、それぞれの練習環境や自分の能力などに合わせてアレンジをしていくべきものだと思います。

次回はまとめの部分で少し触れましたが、バランスの良い練習メニューの組み方など自分が練習メニューを考える時の理論的なものをもっと詳しく掘り下げていったものを発信しようかなと思います。

それでは!!!

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