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「他人に正しく報告(報連相)する」ということ(1)

「報連相(報告・連絡・相談)」については、様々な形でその重要性が語られ、技術・技法や留意すべき観点などについても多く発表されてきました。 今更というテーマかと思われる方も多いかと思いますが、本項ではタイトルにあるように、「人(自分)が他人(対顧客・対上司・同僚・部下)に、正しく報告(伝える)」ことの難しさというところに視点を置いて、3回に渡り紹介します。
 
第3回で投稿しました「何故システムトラブルは無くならないのか」という内容にも通じますが、報連相には報告者の「性格・置かれた環境など」が、大きく関係してしまうと考えています。よって標準的な技術・技法を身に付けていても、「自身を自覚しながら、報連相に臨むことや報告書を作成する必要がある」ということが重要なのだと考えています。


■自身の「性格の自覚」

まず、「報告」にあたって、自身の性格ということについて考えてみてください。もちろん、ケースバイケースという方もいると思いますが、「システム開発の場」だったらということで考えてみてください。
以下に、「報告」という場面に影響すると考える、性格的要素を並べてみました。どちらにあてはまるでしょうか?

① 気になったことを
「過大評価(不安症)」する/「過小評価(楽観症)」する
② 他人の行為を
「性善説」で捉える/「性悪説」で捉える
③ 怒られるのは
「苦手」(後々まで引きずる)/「切り替えられる」
④ 失敗することを
「恐れる」/「糧」にする
⑤ 自分の行っている行動、やり方に
「拘る」/「切り替えられる(臨機応変)」
⑥ 意見を求められた時には
「結果(答え)」が出ないと発言できない/「途中経過(見通し)」でも発言する
⑦ 判断は
ひとつの事象でも「判断(答え)」を出す/「複数の事象」を見て判断する
⑧ 相手に伝わった(理解した)かを
「確認」する/「そのハズ」と思いたい
⑨ 真実は
「一つ」である/人によって取り方が「違う」と思う
⑩ 知っている人が言っていることは
「信じる」/「確認した上で」判断する
⑪ 事実は
事実として「それだけ伝える」/「自分なりの考え、背景」を入れて伝える
⑫ 複数の仕事がある時は
「一つのこと」を片付けてから次にとりかかる/「時間配分」して対応する(マルチ) 
⑬ 複数の指示が重なった時、手を付ける順番は
「早い順から」/「優先度を付けてから」/「簡単なものから」
⑭ 課題を報告する時
「課題だけ」伝える/「自分なりの対応方法を付けて」伝える
⑮ 全体会議などをする時
「全員」を出すようにする/「責任者(リーダー)」だけにする

如何でしょうか? ご自身がその状況にあった時、どのような「情況」で行動をしますか? 
報告や報告書を作成する際に、是非振り返ってみてください。

■報告時、作成時の「状況(情況)認識」
報告や、報告書を作成する際、「如何に事実(真実)を伝えるか」「伝えられるか」がキーになることはいうまでもありません。多くの方々が「当たり前のこと」と思われるでしょうが、実はすごく「難しい」ことだと考えています。 「自分のこと」として考えてみると、思いつくことがあるのではないでしょうか。

■報告時・作成時の「状況(情況)認識」

 報告や、報告書を作成する際、「如何に事実(真実)を伝えるか」「伝えられるか」がキーになることはいうまでもありません。多くの方々が「当たり前のこと」と思われるでしょうが、実はすごく「難しい」ことだと考えています。
 
 それは、「自分のこと」として考えてみて頂くと思いつくことがあるのではないでしょうか。

・「ここで報告すると煩わしいことになるかも」
・「まだ大丈夫、何とかできるだろう」
・「何もしてくれそうもないのでは(言っても無駄感)」
・「裏付けを求められると面倒(定量化してない)」
・「怒られたくない」
・「誰かがやってくれるだろう」 

とかとかの心情

といったように、その人が置かれた状況(ex.進捗)や環境に加え、個人の性格、実は「能力も」含め、複雑な要素が絡み、報連相の実態を「後回し」又は「丸く収めようとする」「なんとかなるだろう」といった傾向が生まれてしまうのでは無いでしょうか。要は、「人の思考が入る」「入らざるを得ない」というのが、「報告の世界」にもあるということです。
 
システム開発の場(それだけでは無いと思いますが)では、それら(情況による弊害)を最小化するために、これまで色々と「手法や技法」が生み出されてきた訳ですが、未だに解消されず、解決のタイミングを逃し、後手を踏むということが、繰り返されていると考えています。
 
そこで、次回は、少しでもそうしたトラブル回避(自他とも)に向けた「報連相の有り方」について、紹介したいと思います。

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