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⭐️心の処方箋 2回目 本当の医療とは⭐️

4月から新入社員を迎え、医療現場は活気に満ちています。
一部のスタッフがぎこちなく、まごまごしている姿もみかけます。
一見頼りない様に見える新人スタッフがベテランスタッフよりよい仕事をしてくれる場面は多いです。
例え不器用であっても応援したいと思います。
私自身、研修医になりたての頃本当に緊張していました。
周りは優秀に見え、今日自分と一緒に出来ないことを悩んでいた同期の友人医師が、翌日には達人の様にマスターしている姿を見ると焦り、自信が持てなくなることもままありました。
自分の様な医師が世の中にいてもいいのではないかと思えるようになったのは、つい最近のことです。
さて、今日ご紹介したいのは、日野原重明さんの言葉です。
日野原重明さんは医師になってすぐに肺結核になりました。
「もうこれで終わりか」と落ち込んでいた時、お母さんがやって来ては背中とベッドの間に手を入れてくれたそうです。先生はこう語っています。
「母は床ずれができないようにと、毎日手を入れてくれました。それはどんな栄養剤や卵よりも嬉しく有難かった。そして私はこの母の手こそ本当の医療なんだと知らされました」
もちろん、医師は病気を迅速に正しく診断し、患者さんを迷わせないことが大事です。
しかし、正しい診断がついても、病状の回復までに時間がかかり、いわゆる「時薬」が必要なケースが多いです。そんな時この様に手を差し伸べることができる人は資格の有無によらず名医と言えると思います。
現在、医療現場は経済的な問題もあり極限まで人員が減らされ、なかなか「病を診ずして人を診よ」という診療が困難になってきています。
患者さんと医師との間の隙間を埋める人になっていただけたら、そして国民全員が名医になって医療を支えていただけたらと思います。
まず私自身が自分の名医になれるよう、今日も心がけてゆきたいと思います。


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