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あんこう鍋を作ろう!

今夜は「あんこう鍋」を作ろう。
近所のスーパーで珍しく並んでいた「あんこう」に魅せられてしまい、果敢にも挑戦することにした。自分で作るのは初めて。うまくできるかどうかちょっと不安だったけれど、何事も「初めて」を経て、何かを得るものだ。

名古屋に『あんこう鍋』で名高い老舗割烹がある。
予約がなかなか取れないことで有名な(軽く2~3年は待つと言われていた)その店に、番組の取材で訪れたのは、仕事を始めて間もない22歳の頃だったと思う。当時はあんこうがどんな魚なのかよく知らず、まずは調理場に通され、吊るされていた巨大な鮟鱇を目にした途端、思わず「こんなに大きいの?」と驚いた。しかも姿形はヌメヌメと黒光りしていて、グロテスク。その後にほんの少しだけ味見させて頂いた(さすがに予約待ちのお客さんがいるので食べられなかった)高級なあんこう鍋の味もよくわからないまま、伊勢海老で出汁を取るという濃厚なスープに感動したことだけを憶えている。

さて。わが家の「あんこう鍋」。
もちろん伊勢海老ではなく、ふつうに昆布で出汁を取り、クックパッド先生のレシピのもと、味噌仕立てにすることに決めた。

あんこうを塩もみし、湯引きして、臭みが残らないよう流水でよく洗う。次に、あん肝を土鍋で乾煎りすると、何とも言えない香ばしい良い香りがした。これはきっとおいしくなると確信しつつ、だし汁を入れ、酒、みりん、しょうゆ、そして味噌をたっぷり加え、まずはスープを。おろししょうがを忘れずに。次に、あんこうを投入。あくを丹念に取りながら、白菜、にんじん、蓮根、しいたけ、山えのき、しらたきを煮て、最後に豆腐、春菊とねぎを加えてできあがり。

初めてにしては、下処理もきちんとしたからか、生臭さもなく、あんこうはぷりぷりとして美味しかった。しょうがの香りが効いていて、夫婦ともども大満足な夕食になった。大成功、といってもいいと思う(クックパッド先生ありがとう!)。


あんこうは11月から2月、冬の時期がもっとも美味しい旬らしい。

この冬、あともう一回くらい、作れるかな。

またスーパーで、新鮮なあんこうに出会うことを願って。

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