最悪だ。
今日から社会復帰の第一歩。
地元のスーパーでのアルバイト初日だと言うのに部屋のエアコンはまだ壊れたままで夜中は暑くてほとんど眠れなかった。
それに加えて1年間のニート生活から社会復帰の不安もここ最近常に付きまとっていた。

とりあえず外の風に当たって気持ちを切り替えよう。
家の中よりも外の方がかなり涼しい。

近くの公園のベンチで涼みながらSNSのBuntanに投稿をしてみた。
「おはようございます。今日、1年間のニート生活からの社会復帰初日です。が、昨晩ほとんど眠れなかったり不安や緊張で・・・」
フォロワーからの励ましの言葉を期待しつつ他の投稿をチェックした。

気づけば1時間があっという間に経っていた。
あんまりゆっくりもしていられない。
アルバイトに行く準備をしないと。

家を出る時には気づかなかったがリビングのテーブルの上に父さんからのメモ書きがあった。
父さんは昨日の夜からの夜勤勤務で今は職場の介護施設で朝ごはんの食事介助をしている頃だろう。

「知宏へ　去年のことは去年のこと。気持ちを切り替えてアルバイトに行ってきなさい。管理栄養士だけが進むべき道じゃない。もし、知宏がまた管理栄養士をしたくなったら頑張ればいい。マイだって応援してくれると思うよ」
「ありがとう、父さん・・・」

「にゃあ」
僕はこんなに不安や緊張があるのにチコはいつも通りだな。