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スーパー栄養士さんお仕事奮闘記 第10話〜鮮魚の源さん〜

三田さんの言葉でダメージを受けていると後ろのドアが開いて男の人が事務所に入ってきた。

「お疲れっす」
「お疲れ様、源さんもう上がりなん?」
三田さんがすかさずその源さんに反応した。

「鮮魚の朝は早いからな」

「兄ちゃんが今日レジに入ってきた新人か。湿気た面してどうかしたんかい?」
「え、あ、いやー」
軽く頭をかきながら会釈をした。

「新人見つけたらまた源さんあの話するんやろ」
三田さんがニヤニヤしながら源さんに話しかけた。

「まぁいいじゃねぇか」
三田さんへ返事をした後源さんは僕に話しかけてきた。

「俺は元々東京で魚屋をやってたんだぜ。嫁は早くに逝って、娘は一人で育ててきた。娘も就職で家をでて、俺は東京でひとりぼっち。心に大きな穴が空いて、店もあんまりうまくいかんくって、最終的に店をたたんだんだ」

「そしてこっちで娘と一緒に住むことになったっちゃ。優しい娘だと思わないか?親のこと思って一緒にいてくれるんだからよ」

そういうことか。
さっきから感じてた違和感はやっぱりあのしゃべり方だったんだな。
関西じゃ耳馴染みのない江戸っ子風の口振りだ。

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