【レジェンド オブ キューバン ラム】世の中に出回らなかった超希少ラムの魅力と、「自由」への憧憬。

"おじ趣味"は「自由」への羨望だ。

革靴、カメラ、鉄道、
ヘビーデューティーなアメカジ、
飴色の空間

それらが好きで、手に取ると、心が躍ってくる。

学生時代、好奇心とエネルギーを持て余し、思春期特有の家族への思いも、ちょっと複雑な環境の恋人も拗らせていた私は、学校のある駅に一度は降り立つものの、そのままどこかへ行ってしまった。

基本的には友人と徒党を組み、時にはひとりで、中央線沿いの知らない街を駆け回る。
行き先を決めることができるのは、高校生当時の限られた「心のバランスを取る自由」だ。

マズイことにバッタリと先生に会っても、笑顔でごまかせるだけの特別な何かを備えていることを、私は自分で知っていた。

なんとか留年せずに高校を卒業し、めでたく「日本」の大学に上がった私はすぐに、
『休学してバックパッカーの旅に出るから、その準備をしている』という子に憧れた。

大学を出て就職をして家庭を持つ前に、長期の旅に出ておくのだと。

行きたいところに好きな時に行ける「自由」は、拗れてがんじがらめで意気地なしの私にとっては、眩しすぎた。

就職を機に…といえば、旅どころか音楽活動をスッパリと辞めてしまう人もたくさんいた。

その即効性の「自由」を、どうして”時間区切りに”なんてできるのか。
到底理解できずにいた。

でかいバックパックを背負って一人旅に漕ぎ出したのは、あの羨望から数年後。(体調の関係もあって)みんなが大学を卒業した、ずっと後だった。

革靴を履いて、カメラを持ち、欧州鉄道フリーパスを購入。

えへへ、素晴らしいぞ、”おじ趣味”。

ヘビーでデューティーなギア。
それは頭の片隅にあった「自由」への羨望の象徴だ。

「自由」は「適当」になった瞬間に、支払う代償が大きいと思っている。

支払うのは、自分自身の残りの人生。
旅に出れば一旦の責任は一人で負うということだから、イベントとしては実感できやすい。

それは本物の大人になっていくための通過点かもしれない。

「海で寝かせたウイスキー」のボトルは、音振動によって味が変わる?

1年ほど前、沈没船から引き上げた様な風貌のボトルが並んでいるのをバーで見かけた。
ラベルが見えないほどに、ラップの様なものでグルグル巻きになっている。

これは「海で寝かせたウイスキー」のボトル。

"音による振動" によって、味が変化する。

と、飴色のカウンターでマスターは教えてくれた。

きっと海ごとに"音"は違うのだろう…!
お酒×自然環境 という奥深いマリアージュの物語には素直にロマンを感じるし、「実際にやってみた!」という話しは魅力的だった。

どこかで、あの日の「自由」への羨望を思い出した。
まだ見ぬ世界への憧れが"夢"かどうかを知るには、実際に自分で追い求めて、味わってみなくちゃならないわよね。

これまた「旅心」がくすぐられてしまう。

レジェンド オブ キューバン ラムとは?

物語を見せてくれる、立川の「Bar R」で何度か時間を過ごすうちに、気になるメニューを見つけた。

「レジェンド オブ キューバン ラム(LEGEND OF CUBAN RUM)

なんだかきらびやかな名前だし、値段もひときわ高い。

このラムは、年間出荷量が限られている希少なラム。
革命前のキューバで蒸留され、樽詰めのまま海を渡り、スペインの名門バルデスピノ一族の酒蔵において、ソレラ・システムでボトリング直前まで熟成された超希少ラムだそうだ。
そこで登場する人物が、経営者ミゲル・バルデスピノ。バルデスピノ家は、創業1340年まで遡るシェリー酒の名門で、家族経営だったからこそ宝物のように守り、ボデガを訪れた人だけにしか飲ませないし、売り物ではない。と門外不出のお酒だった。
それから数年後、彼に突然不幸が襲った。大切な息子が病床の身に、そして地元のパレードの女王に選ばれたほどの美人であった娘を交通事故で失ってしまう。
彼は経営に情熱を無くし、その膨大な古酒とともに会社を売り払った。そして売り物にしてこられなかったこのラムを手放した。彼のボデガは今、更地になっているという。失われてしまった時間が、すべてそこに詰まっている。まさしく “伝説のラム”だ。

マスターの語りは、鮮やか。
ワンショットを注文をすると、目の前には「伝説」のボトルが並んだ。

なんですかこの優雅な香りは?ブランデーみたいですよ!!

個人で購入するには?

この超希少なラムは、「年末になると」毎年発売される。
価格は、どんどん上がっているのだそうだ。

もし個人で普通に購入したいと思った場合は、

① 大きめの酒屋に通って、発売の日になったらすぐに購入する。

② ヤフオクなどで探す。

ちなみに、イオタビ ライターは、新宿の酒屋に毎日通い詰めて、クリスマスの日に1本手に入れた。(酒屋さんの方ではいつ入荷日か分からない。)

それから、こちら。

立川の洋酒専門マイクロインポーターSpirits Works
「Bar R」と合同で、葉巻のセミナーなども行われている。日本が誇る2台葉巻の輸入元シガークラブさんと ダビドフさんに講師をお願いしたところ、それが日本初だったようで、タバコ界隈ではざわついたそうです(笑)

レジェンド オブ キューバン ラムを飲み比べる。

堂々とした背の高いボトル!

毎年、微妙に風味は変わるが、総じてレベルは高い。
香りはカラメル なのに甘すぎない。

右 : 2017年末入荷 ⇨ 2018年に飲む。 少し酸味と甘みが強い。
左 : 2018年末入荷 ⇨ 2019年に飲む。 辛みがあって暴れている感じ。

間違いなくリアルシェリーの樽なので、シェリー樽ウイスキーが好きな人にはオススメ。


同じバルデスピノ社の『ファミリー ヘリテージ ブランデー 1897』

≪平均50年以上 1897年からのソレラ熟成 超古酒≫平均熟成で50年以上 19世紀の古酒も含まれたソレラ熟成 高品質のシェリーを生産することで定評のあるバルデスピノ社ですが、「レジェンドオブ キューバン ラム」などをはじめ、ソレラシステムを応用した長期熟成蒸留酒も、それ以上の人気と評価をこれまで獲得してきました。

「レジェンド オブ キューバン ラム」と同じくリアルシェリーの良い樽を使っている。

(私個人が体験した記憶メモなのでニュアンス違ったらごめんなさい。)

レコードの優しい音色が心地よく、
ゆっくり時間を忘れてしまって、いつも大変…!(タイムスリップしてる?)

「お酒」それは各国の文化、気候、生活感が染み付いた貴重な文化資料と考える事ができるのではないだろうか。

遠く離れた地で、その場所の味に触れることができる。
大人になったからこそ、手を伸ばしてみるのも、いいかも知れない。

(ぶん・しゃしん 前田紗希)

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