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総合医育成プログラム研修記録医療運営コースDay1 受講:2024/1/6

総合医育成プログラムは、全日病と日本プライマリ・ケア連合学会の共同プログラムです。医学的な知識(一般的な内容)、医療経営、ノンテクニカルスキルの3領域を学びます。現在、Zoomで研修を受けることができます(以前は現地集合だったそうです)。座学とグループワークで学びや考えを深めます。  ※個人的な学びの記録です。

日本の医療の在り方

1.医療需要の変化

・医療は「病院完結型」から地域全体で治し支える「地域完結型」の
 医療介護へ移行
・入院患者数は増加傾向
・85歳以上が占める割合が継続的に上昇、2040年までに約8割となる
・外来患者数は減少している医療圏が多い
・在宅患者は増加傾向(2040年意向をピークに向かえる)

2.働き方改革

宿日直申請を行った医療機関が増えた。
宿日直の許可がないと、非常勤医師が勤務しにくくなる。

日本医師会 断続的な宿日直の許可基準 
https://www.med.or.jp/dl-med/doctor/hataraki/sanka_siryo2.pdf

3.かかりつけ医・かかりつけ医機能

かかりつけ医とは?
なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要なときには専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。

かかりつけ医機能とは?
地域における日常的な医療提供や健康管理に関する相談などを行う機能のこと。

「かかりつけ医機能」
①日常行う診療においては、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保健
 指導を行い、自己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、地域
 の医師、医療機関等と協力して解決策を提供する。
②自己の診療時間外も患者にとって最善の医療が継続されるよう、地域の医
 師、医療機関等と必要な情報を共有し、お互いに協力して休日や夜間も患
 者に対応できる体制を構築する。
③日常行う診療のほかに、地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健
 診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域におけ
 る医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに保
 健・介護・福祉関係者との連携を行う。また、地域の高齢者が少しでも長
 く地域で生活できるよう在宅医療を推進する。
④患者や家族に対し、医療に関する適切かつわかりやすい情報を提供する。

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000965965.pdf

総合医育成プログラムについて

勤務している医療機関で医療者のカバーする領域とレベルを上げることで、
  ・医療サービスの隙間が減る
  ・医療者・医療機関同士の連携が強固になる
  ・少ない人数で地域医療をカバーができる
  ・地域偏在や診療科偏在の解消につながる
ことが実現できるだろうと考えられている。

全日病と日本プライマリ・ケア学会の共同事業です。
下記HPのどちらからでも確認いただけます。

総合診療医とは?

・地域の人々は、様々な疾患を抱え、各々の家庭環境、金銭的余裕、思想
 などが違う。それらを「まるっと」カバーするのが総合診療医。
 もちろん専門的な内容は臓器別専門医と協力する。
・講義では、「総合診療医は、家庭医と総合内科医の両方の要素を備え、
 地域医療において、病院でも診療所でも活躍できる基本的な能力を持つ
 医師」と説明されています。
・総合診療医に求められる能力は、複数の問題と複雑性のある問題を解決する能力である。
・BPSモデル(Biopsychosocial Model)
 1977年にEngelが提唱。病気(disease)としてではなく病(やまい 
 illness)を大きな枠組みで捉える。
 生物・心理・社会のすべての領域を見渡して情報を集め、統合して医療
 提供する
  ①症状に関する情報を集め、疾患を診断する
  ②患者の経験を知り、病の意味を理解する
  ③個人と家族と社会との関係を観察し、患者の人生の枠組みを理解する

所感

厚労省や各学会が考えている日本の医療の制度について知らない点が多かった。慣れない内容で難しさを感じた。
BPSモデルは、複雑性のある症例で活躍するだろう。生物・心理・社会の領域で起きている問題のつながりを図式化すると多職種で理解できるようになる。心理・社会背景を医師1人で把握する必要はなく、看護師、リハ、医療社会福祉士、栄養士らが得た情報を統合することで全体像を理解できるのかもしれない。医療従事者みんなの力が必要!

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