永田喜嗣(永田ヨシツグ)

大阪府出身。大阪芸術大学で演劇を学び、愛媛大学でドイツ文学を専攻、大阪府立大学人間社会…

永田喜嗣(永田ヨシツグ)

大阪府出身。大阪芸術大学で演劇を学び、愛媛大学でドイツ文学を専攻、大阪府立大学人間社会学研究科博士課程修了(人間科学博士)。 戦争映画研究家、作家、大阪公立大学非常勤講師。

最近の記事

今流行りの中国製トイガンの同等の技術は日本で完成していたという話

ここ数年、トイガンファンダムで話題の中華式スライドアクション排莢式トイガン。「トリガーブローバック」「フィンガーアクション」「中華排莢式」などなどファンによって呼び名が違う。 レーザー光線発射機能、スポンジ弾の発射機能とかよりも、注目はトリガーを引くだけでスライドが後退してカートリッジを装填排莢されるというギミック。 こうした中国製の遊戯銃(トイガン)がAmazonを中心に販売されていて、トイガンファンの間で人気なのだ。 多くは自動拳銃のモデルなんだけど、引き金を引くだけ

    • 『続・名もなく貧しく美しく 父と子』の衝撃

       松山善三監督の名作『名もなく貧しく美しく』は忘れえぬ映画である。  その続編『続・名もなく貧しく美しく 父と子』は鑑賞したいと長年望んできた作品だったが、なかなかその願いが叶わずにきた作品で、知人の映画コレクターのご厚意でようやく鑑賞することができた。実に40年もかかったわけである。  観ることができたものの、前作の印象と全く異なる壮絶な映画であった。  続編を観て、正編をもう一度観ようなどという気持ちにはとてもなれないほど、作風もテーマも違っている。  この映画、前作

      • 🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「きみのMacht」

         ずいぶん前のことだ。  もう生きていたくないっていう中学生の少女と話したことがあった。  彼女はもう生きていたくないので、自らの命を絶ちたいというんだ。  生きていることって辛いかもしれない。  死ぬことはもっと辛いかもしれない。  月並みに死んではいけないなんて言たって、ぼくはその言葉に何の説得力も感じないと思う。  死んではいけないって言葉の意味すらぼくにはわからないからだ。  でも、なぜ死んではいけないのか、考えてみるのもいい。  死んでしまっては辛かった

        • 🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「誰がために生きるのか?」

           誰がために生きるのかってことを考えていたけれど、これは難しい問題。  誰かを助けて、その人の役に立つこともあれば、そうではないことだってある。  せっかくの好意も相手に通じないことだってある。  散々努力したところで、感謝されるどころか、当たり前みたいな顔をされたり、当たり前みたいに言われたりすることだってある。  そんな時、妙にがっかりしたりするもんだ。  ドイツに伝わる民話でこんな話があるよ。  ある日、幼い女の子が森へ出かけて、そこの池に落ちで溺れた。  

        今流行りの中国製トイガンの同等の技術は日本で完成していたという話

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「苦しみに耐えるきみへの手紙」

           愛するきみへ  きみがじっと何かに耐えていることをボクは知っているよ。  仕事や対人関係、家族、恋愛……きみはその中で頑張っているんだね。  きみは泣かないと決めている。泣くことが何か敗北であったり、自分の弱さなんだと頑張っている。  過去に辛いことがあって、  そのことを自分の心の中で封印してしまって決して誰にも見せないんだね。  そして、ずっとがんばっている。  自分を強くするために。  大きな城壁を自分の前に張り巡らして、  きみは重い鎧を身に纏ってがんばって

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「苦しみに耐えるきみへの手紙」

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「カナリアの十字架」

           ヤニューシュ・コルチャック。  ポーランドの医師で、ワルシャワでユダヤ人の子どものための孤児院の院長をしていた人。子どもの権利条約の基礎となる概念を作った人。  1939年、第二次世界大戦が始まって、ポーランドがナチスドイツに占領されてから、ユダヤ人だったので、コルチャック先生は孤児院の子供たち200人とともにワルシャワゲットー(ユダヤ人の強制居住地域)に住まわされます。  ナチスのドイツ人は、ユダヤ人を劣等民族だと決めつけて差別していました。  家を奪い、一般の人たち

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「カナリアの十字架」

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「幸いを見つける」

           作家の安岡章太郎の自伝小説のなかに中学時代の思い出を綴ったものがあるんだね、その中にこんな話があったよ。  主人公の中学生が母親に駅まで定期券を買いにゆかされる。  50銭札を渡されて駅へ行った主人公は、窓口で疲れた顔をした若い窓口係の駅員に定期券を売ってもらうんだ。  駅員は50銭札を1円札と間違えて50銭を超えるたくさんお釣りをくれた。  主人公は大喜びで儲かったと、50銭を何に使うかわくわくする。50銭って、いまの貨幣価値に換算すると2万円以上になる。  主

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「幸いを見つける」

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「星の王子さまの贈り物」

           サン・テクジュペリの『星の王子さま』で、大事にしていたバラの花と喧嘩して、地球に来た王子さまが、キツネと出会う場面があります。  キツネは王子さまに言います。  おれの目から見ると、あんたは、まだいまじゃ、ほかの十万もの男の子と、別にかわりない男の子なのさ。だから、おれは、あなたがいなくなったっていいんだ。  あんたもやっぱり、おれがいなくなったっていいんだ。  あんたの目から見ると、おれは十万ものキツネと同じなんだ。だけど、あんたが、おれを飼い馴らすと、おれたちは、も

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「星の王子さまの贈り物」

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「期待に応えられない きみへの手紙」

           愛するきみへ  誰かの期待に応えなくてはいけないって悩んでいるんだね。  きみの小さな両方の肩には 大きな期待がまるで鉛の錘のように重くのしかかっているんだろうね。  ボクの目には見えないけれど。  そんな期待を背負いながらもきみは頑張っているんだ。  何とか愛する人のためにと……。    それはすごく美しい姿だとボクには思える。  でも、同時に残酷で苦しい姿だとボクには思えるんだ。  きみにとってはどっちだろう?  もしも、きみが誰かの期待に応えることを幸福に感

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「期待に応えられない きみへの手紙」

          ⭐️天国に旅立った文太郎⭐️

           保護していた、ケガしたカナブンの可奈文太郎が天国へと旅立ちました。  お腹いっぱい昆虫ゼリーを食べて、土の中に潜って、眠ったまま短くて長い命を終えました。  駅の自動改札機の谷間に転がっているの見つけたのが2週間前。  文太郎との出会いは  このひと夏の思い出となりました。  文太郎が幸せだったか?  一度しかない命の最後の2週間、少しでも文太郎が幸せであったらいいなと思います。  子どもの頃、ケガしたクワガタ虫を保護したことがありました。  30代の時に、そ

          ⭐️天国に旅立った文太郎⭐️

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「ねばならない?」

           ドイツの文豪、ゲーテは言いました。  人生はすべて「したいけど、できない」「できるけど、したくない」からの二通りから成り立っている。  なるほどねえ、そうですね。  どちらも何も進まないことになりますね。 「したいけど、できない」の問題「できない」という問題ですよね。 「できるけど、したくない」の問題は、「したくない」の問題ですよね。  でも、できなくても、したいという気持ちがあるから希望がある。  したくなくても、できるという力があるから希望がある。  し

          🍀🌈虹のコラム✨きみへのメッセージ☀️「ねばならない?」

          🍀🌈虹のコラム✨「よい子はさよなら」

           よい子でいなくちゃいけないって、思っていた人がいて、よい親でいなくちゃいけないって思う人もいる。  よい生徒じゃいなけいけないって人もいれば、よい先生でいなきゃいけない人もいる。  よい子でいないといけないって思い始めると、さあ、よい子でない自分はどこへ行ったらよいのかわからなくなる。  よい子でない自分が心の中で暴れて「わかってよ!」って声をあげて泣き出しても、よい子はそれをじっと抑えてしまうものなのかな。  誰かのために生きるのだって、自分の思い通りにしたいのさ。

          🍀🌈虹のコラム✨「よい子はさよなら」

          🍀「リリーマルレーンが教えてくれたこと」

           第二次世界大戦中、ナチスドイツが占領していたルーマニア。その首都、ベオグラードのドイツ軍放送局から放送された一枚のレコードが奏でる歌声。  売れてなかった歌手、ララ・アンデルセンの歌声。  そのレコードが選ばれた理由は、放送禁止になっていないレコードがその一枚だけだったから。  若い女性のリリー・マルレーンが兵舎の外にある街灯の下で兵隊の恋人を待っているというストーリーの歌「リリーマルレーン」 Lili Marleen リリー・マルレーン Vor der Kaser

          🍀「リリーマルレーンが教えてくれたこと」

          【プリゴジンは暗殺された? 歴史が語る暗殺のはなし】

           1943年、反ヒトラー派のヘニング・フォン・トレスコウ将軍はロシアの前線視察に来たヒトラーの乗機に爆弾を仕掛けた。  爆弾はコニャックの瓶に似せてあった。  爆弾は爆発せず、暗殺は失敗に終わったが、もしも成功していれば航空機事故を装った確実な暗殺になったに違いない。  プリゴジン氏の墜落死も同様ではないかと思う。  飛行機が空中爆発したなら、爆発がターゲットに致命的な損傷を与えなくとも、機体の墜落で確実に相手は死亡する。  だから爆弾が爆発するのは高空で飛行している

          【プリゴジンは暗殺された? 歴史が語る暗殺のはなし】

          鉄腕アトムで考える来るべき大阪万博

          ⭐️鉄腕アトムで考える大阪万博⭐️ 鉄腕アトムはモノクロアニメの時代では、科学万能の思想だった。 科学の発展が明るい未来を創るという夢と希望があった。 ところが1980年のカラー版アトムでは、科学に対してペシミスティックな視点が生まれた。 科学よりも明るい未来を創るのは人間性であることが全面的なテーマとなった。 1970年の大阪万博ではまだ、第一期のアトムの思想が主題でもおかしくはなかった。 それでも、岡本太郎が科学の進歩がどれだけ人類を蝕んだかを語り、プリミティブへ

          鉄腕アトムで考える来るべき大阪万博

          ⭐️玉音放送(大阪弁語訳)⭐️

          ⭐️玉音放送(大阪弁語訳)⭐️  わてな、広い世界の状況とな、わての国の状況をごっつい考えたんやけど、ちょっと普通ではあり得へん方法で終りにしようかと思うねん。あんたらわての民にな、この際そのことを言うとかなあかんっておもてな。  わてはな、アメリカ、イギリス、中国、ソビエトの4つの国ににやな、共同宣言を受け入れるように政府に言うたんや。  あんたらわての臣民がやな、何事もなく無事に暮らしてくれるのも、世界中の人がみんな栄えて平和に暮らすことも、それはなぁ、わての先祖は

          ⭐️玉音放送(大阪弁語訳)⭐️