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一歩前進


こんにちは、nagiです。


先日、1日限定で料理人になってきました。
スパイス料理を振る舞う機会をいただいたのです。

遡ること約4ヶ月前。
スパイスを買うときにお世話になっている人からの一言。「お客さんが持ってきた食材で料理を作るイベントが10月にあるんだけど、どうですか?」
それを聞いて、なぜ私?と思いましたが、その場では承諾はしました。まだ先の話だし、後から断ることもできるだろうと思っていたから。

でも思考転換できちゃう私。数日前には「楽しみ」に変わっていました。詳しく言えば「不安だけど楽しみ」ですが。
私は「助っ人」とい立ち位置だったので、なんかあれば聞きゃあいっか、という心持ちでした。


当日。田舎のイベントなので設営は全部自分たちでやります。
開始時刻になると次第に食材が集まってきました。何を作ろうか、何が作れるか。頭を悩ませながらも少しワクワクしていました。

私たち以外の料理人は2組。人気な料理教室の先生と、元料理人で蕎麦職人&学生でした。
早くも料理教室の先生が3品完成させた後、私も最初の料理を盛り付けました。

並べられた皿はあっという間に空になっていきます。それが嬉しくて、不思議な感覚で。まさに料理人になれた気分でした。
普段何気なく作っているスパイス料理を興味深そうに見られるのも新鮮でした。


結局、10品近く作った気がします。
終了時刻になっても食材がたくさん余っていたので、ただカットしただけの果物を並べたり、りんご飴を作ったり、パスタを作ったりと、料理人たちは自由に続けていました。

芋や麺は調理に時間がかかるので、火にかけている間はあちこち動き回れる自由タイムです。ドライフルーツ、サーターアンダギー、コーヒー、ハーブティーなどを売る人たちに挨拶をしながら、前日に作ったスパイスクッキーを配りました。


17時半。片付けなどを終えてようやく帰路に着きます。助手席で薄暗い空を眺めながらコーヒー片手に食べるとらやの最中が沁みます。

駅に着いて車を降りようとしたとき、私を誘ってくれた料理人が5,000円手渡してしました。「そんなに力になってません!!」は心からの言葉でしたが、「寄付金として結構もらったので」と返却に応じてくれません。続けて「包丁代の足しにしてください」と言います。帰りの車中で私が指を切った包丁の話をしていたからです。
申し訳ない気持ちとありがたい気持ちと、いろんな思いを抱えて車を降りました。


調理器具やらスパイスやら全て揃っていて、整った環境で料理ができるなんて、なんてありがたいことなんだろう。
この恩とご縁は絶対活かそう。そう思いました。

その日の夜は通りで眠れませんでした。
いつも午後には飲まないコーヒーを飲んだことは要因のわずかにしかすぎなかったでしょう。


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