効果的な施術

鍼灸師をしています。
20年ほどのキャリアですが、ご縁をいただく方々は日々変化しているので、常に「初心」というところから離れられません。
鍼灸師に仕事の依頼をするわけですから、最低限目的である「効果的な施術」は求められます。

ひとによって、淡々と施術を受けられて寡黙なまま会計を済ませて大した会話もないまま後にされる方もいらっしゃいます。
あるいは、施術の合間もお着替えの最中も会計が終わっても時間が許せばずっとおしゃべりをしておられる方もいらっしゃいます。
こうしたおしゃべりを施術の目的の半分におかれている方もいらっしゃいますが、普遍的に求められるのは「効果的な施術」。

20年ほど前に独立開業して、ほどなく妊婦さんや慢性疾患などで長期に体調不良を訴えられる方とご縁をいただきました。
妊婦さんは出産後も赤ちゃんを連れて、連日親子で施術を受けられたり、慢性疾患や「不治の病」といわれる方を連日、そして、最後の方では毎日のようにお宅にお邪魔させていただいていただくこともありました。
そんなわけで、開業してほどなく、連日の施術を金銭的な負担をできるだけ感じないように料金設定をさげて、年中無休で施術をすることにしました。
場合によっては営業時間外にも、必要があれば施術のご依頼に対応させていただくこともありました。

20年の間にいろいろ人間関係や鍼灸施術に求められるものも変わってきました。

僕の鍼灸の求められ方が変わってきていることは、随分前から実感していたのですが、ぼちぼち本来の自分のスタンスをとりもどそうかと思い、今年の7月から開業当初の料金設定にもどしたり、今までとらなかった休みをちゃんと取ろうと決めたり(休みはすでにとりはじめていますが)。

人から求められるものが減っているから、休みは増やせるし、余計な割引料金も設ける必要がなくなります。
自分の仕事が世間さまから求められていないのなら、求めていただけるような「仕掛け」をつくって、本来の自分を活かせるような方向へうってでることができます。
求められる割合が多かったから受け身だった今までの鍼灸師のスタンスから、本来の自分のスタンスをとりもどすまで、仕掛けづくりを含めてあと1月ほど。
7月から自分の腕を存分に生かせるような仕掛けをためしながら、フットワークよく仕事をすすめて行きたいこのごろです。

時と場合と人が変われば、効果的な施術のやり方はかわります。
自分の引き出しに何が入っているのか、それは今までの積み重ねの中から引き出すまで。
自分の可能性は、しょせん自分の足元や手の内にしかありませんからね。まぁ、鍼灸師、の場合。

休んだ分だけ、なにをしよう。なんてね。

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