鍼灸の外部性

昭和のころ、お灸の名人がいらっしゃいました。
「政治や国が乱れるのは、鍼灸師の腕が悪いからだ!」というようなことを、どうやらおっしゃっていたようで。

ようするに、健康なカラダを維持できない政治家は、まともな思考をめぐらせることができず、健全に国をまとめることができない、だから、鍼灸師が政治にかかわる人の健康を保てるように腕をふるい続けなければいけない。でも、充分に鍼灸施術の効果が行き届かないから政治家の思考がまっとうになるまで及ばないのだ!というところでしょうか。
なるほど、さすが、天下に名をとどろかせた名人のおっしゃりそうなことです。

ここまで肩肘張って、国の在り方を左右するような鍼灸師になろうとは思い至りませんが、健康と思考とはとても密な関係があります。
体調が良ければ機嫌がいい。
機嫌が良い人たちが集まれば、世間は平和に問題を解決することができるだろう。
そんなふうに考えます。

世の中にはいろいろ改善しないといけないことがありますが、機嫌良く平和にすすめることができるのは、胆力や忍耐力があるから。
肝が据わってがまんができるのは、カラダが元気だからです。

もし鍼灸施術がたくさんのひとに用いられて、機嫌のよい人ばかりになれば、世間はもっと平和になるのかな、と。
鍼灸の外部性、こんなふうに考えれば、ぼくももうちょっと積極的に腕をふるいにでかけないとなぁと思います。
家で待ってるだけじゃ、鍼灸師の腕がもったいない。

お出かけ前に、自分の「足の三里」をケアしながら、ふとしたところの思いつき。

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