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2024年2月 本などの感想

まえがき

1月はずっとゲームやってたので、「本」と名の付くものを読めないまま1ヶ月が経ちました。
こうして振り返ってみると、WEB記事やらSNSやらで文章を読むことこそあれど、1冊の本としてまとまったコンテンツを味わうという機会はかなり減っちゃったなという印象を受けます。
でもいざ読んでみるとやっぱり面白くて。沢山の情報がきちんとまとめられていて、値段も数百円~千円強程度というのは、コスパ・タイパ共にとても良好なんじゃないかと思い直した今日この頃。自分のペースでちまちま読めるので隙間時間のお供にも悪くないし。
まあとは言ってもなかなか時間が取れなくて、ちゃんと読めた本はやはり少ないのですけれど。とにかく今回も面白かった本などの感想(軽いネタバレあり?)を書いていくので、よければ軽く流し読みでもしていただければ幸いです。

感想

※作者や登場人物等の名前は全て敬称略

2日
めしにしましょう(2) - 小林銅蟲
人気漫画家のアシスタントが一風変わった料理を作るという漫画――の第2巻。出てくる料理は家庭料理には相応しくない妙な手間がかかっていたり、うにや松茸などの高級食材を一般食材の如くふんだんにぶち込んだりと"現実で再現可能な非現実的料理"が盛りだくさん。
基本的にグルメ系の漫画は基本的な流れが決まっていることが多いですが、この漫画もその例に漏れず安心して読むことができます。全員で漫画書いてる中アシスタントが急に料理を始める→完成して皆で食べる、みたいな。たまに違う展開もありますけどね。
電子版の巻末にはカラーレシピが載っています。多分作って食べたら美味しいんでしょうが、手間とか材料費考えるとあまり作る気にはなれませんね……

21日
デモンズ・クレスト1 現実∽侵食 - 川原礫
ソードアート・オンライン」などで有名な、川原礫先生の新シリーズです。ずっと読みたいと思いつつ、時間を確保できず買ったまま放置されていました。ここらへんは目に触れにくい電子書籍のデメリットかもしれません。際限なく積ん読が増えていく。閑話休題。
川原先生といえばVRみたいなところがありますが、予想通り今回もVRゲームが関わってきます。とはいっても、今回の舞台はVR世界ではなさそうです。
VRMMORPG《アクチュアル・マジック》のテストプレイに招待された、雪花小学校6年1組の生徒たち。主人公の芦原佑馬がテストプレイを終え、現実へ帰還すると、そこは彼が知る元の世界ではなかった――
というのが本作のあらすじです。
現実が舞台のゲームというのは、同作者別シリーズの劇場版アニメ「ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール」を想起させますが、だいぶ毛色が違います。というより、クローズドサークルの中で物語が進んでいくというのはむしろ「SAO」本編のほうが近いでしょうか。
前述の通り、今作も「ゲーム」が重要な要素となってきます。やはりここで感じるのが、川原先生のゲーム設定の上手さです。まるで《アクチュアル・マジック》というゲームが実在していて、そこからそのまま引っ張ってきているかのような。もちろん実際はそんなはずもないので、単純に設定の構築が非常に優れているのでしょう。実際にプレイできたら面白そうなのがまた。
今作はWEBTOONとの同時進行企画ということで、興味を持った方はそちらから読んでみるのもいいかもしれません。
ただ個人的には小説版のほうが好みかな……。もちろん漫画版も面白いですし、展開も若干違うのでそもそも比べるものでもない気はしますが。

27日
言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか - 今井むつみ、秋田喜美
認知科学者と言語学者による共著。「言語の本質」について、「オノマトペ」と「アブダクション(仮説形成)推論」という2つの要素から掘り下げていく一冊です。
本書は、言語というものの謎を読者に問いかけるところから始まります。
「言語」。確かに謎だらけです。ごくごく身近に存在し、我々は当たり前のようにそれを使いながらも、その多くを知りません。
この地球には数え切れないほどの生物種がいるにも関わらず、その中で「言語」を用いて意思疎通を行うのは、観測されうる限り人間だけ。考えてみればこれは不思議なことです。人間以外にも高い知能を持つ生物はいますし、彼らが言語を有することはおかしくないように思えます。しかし我々の知る生き物たちは、明確な意味を示すコミュニケーション手段を持っているようすがありません。つまり、言語を介さない生物と人間の間には、何かしらの大きな隔たりがあるはずです。
その隔たりこそが「アブダクション推論」だと著者は述べています。人間のにとってそれはもっとも自然な思考であり、生存に欠かせない武器なのだと。この特性を持つからこそ、人間は言語を持つにたり得たのだとか。
演繹に比べて誤りも多い、ある種飛躍的な推論こそが人類の言語起源だというのはなんだか不思議な感じがします。しかし、今もなお新しい語が生み出され、新しい用法が生み出されているさまを見ていると、確かに得心いくものがあるのです。
もうひとつが「オノマトペ」について。
もとはギリシア語で「名前を作るもの」を表す、擬音語・擬態語・擬情語などを指すことばです。ぱらぱら、シュッ、メメタァ、グワァラゴワガキーンなどなどあらわす状況も質感も多種多様なのはみなさんもご存知の通り。
一般的にオノマトペは「言語」として扱われないことも多く、オノマトペをたくさん知っていてもその人の語彙が豊富だとみなされないこともしばしば。しかし言語の持つ特徴であるコミュニケーション機能、意味性、超越性経済性……etc.を有し、立派な「言語」の一員である、というのが著者の主張です。また、子どもの言語獲得に於いても関わりがあり、我々が思っている以上に重要な存在なのだと。
以上のように、本書は普段意識もしない「言語」について、いくつかの角度から多くを語る一冊でした。正直一度読んだくらいではちゃんと理解しきれていないので、しばらく時間開けてからもう一度読みたいですね。

最後に。
当感想には本書の解釈等に大きな誤りが含まれている可能性があります。より正確な情報を手に入れたい方は、是非実際に読んでみてください。面白かったので。

28日
デモンズ・クレスト2 異界∽顕現 - 川原礫
物語は、前巻で怪物との戦いを終えた直後から再開します。
未だ行方不明の幼馴染ナギを探して、主人公のユウマたちは現実世界(?)と仮想世界を奔走する――
というのが大まかな流れでしょうか。
前巻のラストで起こったことについて語られ、未だ解決の糸口こそ見えないものの、どういう事態が起こっているのかは少しずつわかってきたかなと。今後の物語の全体像もなんとなく見えてきた気がしないでもないですが、ここからどう話が展開されていくのか、楽しみで仕方ありません。3巻が楽しみですね。
ただ著者の川原先生は現在も複数のシリーズを同時に進めておられるので、このシリーズも完結まではけっこう遠いかなと予想。間違いなく各作品のクオリティは高いものになっているため、こちらもゆっくり楽しもうかなと思っております。ただ半年とか空くと前巻までの内容を忘れたりしてしまうのは困りもの。


あとがき

1月もほぼ本を読まず、2月もこの有様なので、3月はもうちょっと色々インプットしたいところです。
本は積んである本や、あえてまだ買っていない読みたい本などが山ほどあるので、「読む本がない」という自体がなさそうなのだけが救いでしょうか。
あとはどうやって時間と気力を確保するか。MPがクソザコナメクジなのをなんとかしなければ解決は難しい気がする今日このごろ。

使用素材

豆まきをするオカメインコのイラスト - ぴよたそ


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