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マイクロノベルちょいす 049「やりにくい」

No.1210
新幹線でゆったりと座っていたら、隣の人の音漏れが気になってきた。お嬢さん、知っているのか? そのポッドキャストの小説、途中でバンド演奏シーンがあるんだ。どうする、教えるか? 爆音の下ネタソングですよ、って。


No.1220
部屋の大掃除は空気清浄機を設置して完了する。塵や花粉を取り除くだけでなく、エアコンの空気を効率よく広げる役目も果たすから侮れない。位置はエアコンの真下が最適と言われているが。「きゃっ、エッチ!」エアコンのスカートが繊細だから難しいんだよね。


No.1226
この地域の人間は暖冬で悩んでいるのか。悪魔である俺が助ける義理はないのだが、恩を売るのも悪くはないだろう。ほうら、一気に極寒の世界だ! 「ありがとうございます、悪魔様。大雪で水不足が解消されました。これで不自由なく暮らせます」あ、そう。


No.1231
せっかく雪がつもったから友達と雪合戦したいのに、手袋が見つからない。「お父さんの靴下を使いなさい」サイアク。ところが、投げた雪玉は過去最高の速度で対戦相手を叩きのめした。「いつもやっているからね」ふうん。お母さん、手袋を買って。


No.1236
いいかい、サンタの仕事は過酷なんだ。高いところに吊された靴下を開き、プレゼントを入れる。何度も腕を上げ下げするから、肩がバキバキに凝るんだ。だから靴下には、お礼の湿布薬を入れておきなさい。ハンドクリームもいいね。肩たたき券はダメ。



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