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時計を初めて読んだときの話


別に意味は無いんだけど、何でか思い出したエピソード。


子供の頃、両親と祖父母の中で子供1人だった私は、家族のみんなが
「○○時□□分」
などと言い合っているのを聞いていて、私も時計の読み方を知りたくて仕方ありませんでした。

「いま、なんぷん?」
口癖のようにしょっちゅう聞いていました。

たまに
「だから□□分やって言ってるやろ!」
と物凄く怒られました。

でも気になって気になって
「よみかたおしえて。」
と訴え続けても誰も時計の読み方を教えてくれませんでした。


何でだったかは忘れたのですが、私は
「5、10、15、20、25…」
と、5刻みに数を数える方法は知っていたんですよ。

5歳のある日、私は家にあったローマ数字の文字盤の時計を眺めていました。
Ⅰ…Ⅱ…Ⅲ…ⅠV…V…VⅠ…VⅡ…VⅢ…IX…X…XⅠ…XⅡ
『Vが5だから、5-1で4を表してるのか。5+1で6、5+2で7、5+3で8。なるほどなぁ。V(5)が2つあると10で、10-Ⅰが9、10+1が11、10+2で12。おぉ!12じだ!』
と、閃いたんです。

『あれ?5(Ⅰ)…10(Ⅱ)…15(Ⅲ)…20(ⅠV)…25(V)…30(VⅠ)…35(VⅡ)…40(VⅢ)…45(ⅠX)…50(X)…55(XⅠ)…60(XⅡ)…60ぷんだ!』

嬉しくて嬉しくて、読み方を母に確認したら
「そうだよ。」
と言われたので、晴れて私は時計を読めるようになったのでした。


私は自力で時計の読み方を覚えました。


だけど、家族の誰にも褒められることも無く、そしてそんなエピソードなんて、家の外でも言う機会も無く、私が自力で時計を読めるようになった話など、誰も知らないのです笑


私は、
『時計って自分で読み方を覚えるようになるもんなんだなぁ~。』
と思っていたのですが、小学校1年の算数の時間に時計の授業があり、驚きました。

『何で今更時計の読み方なんて勉強するんだろう?時計なんて自然に覚えるものなのに?』
と不思議で不思議で仕方ない時間を過ごしたのです。

後になって、
『あれ?もしかして時計って自然に読めるようになるもんじゃなかったのかな?じゃあ私って凄いんじゃないかな?だけど誰も褒めてくれなかったから、やっぱり凄いことじゃないのかな?う~ん…。』
と、謎が謎を呼んだまま、この記憶は封印されていたのでした。


何故かこの度封印が解かれました笑


いや、時計の読み方位教えたれよ!


そう。私のエピソードは一人ぼっちで孤独なものがいっぱい。

ちょっと切ない。


だけど、思えばこういうエピソードが多いから
『私は大人になったら、絶対に子供にも色んなことを教えられるような人になる!』
って決意した体験が多かったのかもしれません。だから、知識欲が強い面があったり、誰かにものを教えることを頑張ってしまうのかもしれません。

でも、本当は
『何で他の大人は教える工夫しない癖に、私は工夫を頑張らなきゃいけないの?!』
っていう憤りもどっかに抱えてて……そういう行き場の無い苦しみをもう解放して良い時を迎えられたのかもしれませんね。


私、頑張ったね。


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