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中小企業の採用・当り前から見直してみる

4月から採用でお困りの会社に訪問させてもらっています。
今回はその中から、ついやってしまっているなと思ったことを書いてみました。


給料が低いから応募者が来ない

割とよくある話ですがこちらの会社も
「うちの会社は他社に比べて給料が低いから応募者が来ない」
とずっと話しておられました。

社内でずっとその話になっているそうです。

世間の相場を知りたいということだったので、いくつか調べる方法はありますが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査の資料を提示してみました。

細かいことは言わずに企業規模や欲しいと思っている年齢層で金額を調べてみると、それほど大きくかけ離れていることはありませんでした。
決して高いとは言えないけど低くもない。平均的なところです。

それでも担当の方がボーナスはどうかとか、年収はいくらと書いた方がいいのかとか更に気にされるので、
「ボーナスはウソ書いても仕方ないので実績ベースでいいですよ。利益が出ればボーナスは上下するくらい求職者はわかるでしょ」とお伝えしました。

いくら取り繕っても、実態と離れていたらそれだけでミスマッチです。給料に関しては上を見ればキリがないですし、到底大手企業には勝てないのですから、極端に低いのでなければ判断軸にしない方がよいことをお伝えしました。いくらがんばってもそこで勝負はできません。

普段の仕事の様子から探ってみる

大事なのはその会社で働くことがイメージできることです。求人票にもそれがわかるように載せたいところです。

欲しい層が30代を中心にということだったので、例えば男性女性に関わらず、子育世帯が多いと思いましたので、

「もし、その方が急に『子供が熱を出したから申し訳ないけど今日は休ませてほしい』って言ってきたら、みなさんどういう反応になるのですか」と聞いたところ

「了解、わかった。何かやっておくこととか連絡事項とかある」っていう感じかな?ということでした。

嫌みを言われたりしないのか率直に聞いてみると、この会社はベテランも多いのでそういう時にカバーできることが多いとのことでした。
育児休業などを取っても出世できないとか、変な圧力がかかるとかないという回答でした。

いいじゃないですか!そういうことを書きましょうよ!と私が強く言うと、担当の方は「当り前過ぎて気づかなかった。そういうことがアピールポイントになるんだ」と話されていました。

簡単に言ってしまえば働きやすさということになりますが、給料は高いにこしたことはありませんが、この世代には仕事とプライベートの両立がしやすいということも大きなポイントになります。

制度を整えるではなく、普段、通常と違う状態になった時の周りの反応は働く上で重要です。

そういう会社の良さもどんどんアピールしたいです。

応募が来ないから間口を広げてみたが・・・

今回は営業職の話だったのですが、一口に営業と言っても様々なスタイルがありますし、その会社が大事にしていることもあると思います。

そういうことが求人票から伝わってこなかったので、そのあたりを深掘りしていきました。

よく聞いて見ると、応募者が集まらなかったので間口を広くしてみたとのことでした。

その結果、ざっくりしすぎてこの会社の仕事をしている様子がわからなくなっていました。

世の中には「営業」という求人票は腐るほどあります。その中で自社がどういう仕事をしているのか伝わらなければ応募しようという気にはなりません。(そうなると判断基準は給料になります)

良い、悪いではなくまずは「うちはこんなことを大事にして仕事しています!」をしっかり伝えてください。
それを見て「なんかここなら自分に合いそう」と思ってくれる人を採用してほしいです。

それが自社にあった人材です。
中小企業は大量に採用するわけではないので、ほんの一握りの自社にあった人材を見つけることが事業継続の近道です。

担当の方は「採れないからといって益々逆のことやっていたんだね」と話されていました。

現場と採用担当の意識統一

ということで、今回あらためて「職種」と「仕事内容」を表現し直してもらう宿題を出しました。

完璧なものでなくて良いので自社のことが伝わるようにしてくださいとお願いしたところ「次の予定を少し先にしてくれる?これ、自分一人でやるんじゃなくて、現場の責任者としっかり話し合いたいから時間がほしい」とのことでした。

もちろんです!

採用して実際に仕事をするのは現場の方です。
採用窓口の方と現場の方が違うことを表現していたら、そこから人材定着は崩れてしまいます。
お互いの認識あわせは一番大事なことですね。

担当の方からこの言葉が出たのがちょっと嬉しかった私でした(笑)



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