見出し画像

週末は3年前まで勤めていた会社で、有志で創立記念パーティーをやるとのことで、そこに混ぜてもらいました。

コロナ前の私の仕事

コロナ前はこの会社の人事総務のリーダーをやっていましたので、社内行事の企画運営も大きな仕事の一つでした。
社内行事はたくさんあり、端から見るとコイツ何やってんだと思われてもおかしくないくらい様々なことをしていました。
(個人的には嫌いではなかったので)

会社を退職したころコロナが広がってこうした社内行事はほぼすべて中止となってしまいました。
そして今年から会社の勤務体系も大幅に変わったため、これを機会に社内行事の8~9割くらい人事総務の仕事から削除されたそうです。

本来なら人事総務が主導で創立記念パーティーも毎年行っていましたが、節目の年だけとなったようです。
今回は若手社員が、さすがに寂しいのでコロナも緩和されたこのタイミングで有志でパーティーをやりましょうとなったそうです。
新入社員の歓迎会もできていなかったので新入社員も招待して行いました。

社内行事は仕事ではない?

今回は若手の有志が発起人となっていたようですが、来たのは全体の3分の1程度の人数です。強制でないならプライベートを優先するとか、仕事が忙しいのにそんなことやってられるか!!など様々な要素があったと思います。
それでも参加したメンバーは「やっぱりこういう集まりっていいよね」という声が聞かれていました。

よく言われますがコロナ禍でお互いのコミュニケーションが薄れていったことは間違いないのだと思います。

人事総務が社内行事をやらないようになったのは、新しいリーダーがそこに価値を見いだせなかったこともあり、大幅削減したようです。

ただ、これは社内行事をどう見るか?だと思っています。

確かに社内行事は乱暴な言い方をすれば、ワイワイ集まって飲んで食べてが中心になっていました。運営するのはまあまあ大変です。それが自分たちの仕事には見えないというのはわからなくはないのです。

社内行事自体を仕事の目的としてしまうとそうなります。

社内行事はあくまでも手段であって目的ではないのです。

社内行事をすることで、人事総務として社員に何を提供するのか?
これが共有されていることが一番大事だと思っています。

社内行事は組織開発の大事なツールの一つ

前回のブログでも紹介した「入門 組織開発(中村和彦著・光文社新書)」の中にも書かれていますが、組織開発を考える時、
目的や戦略、会社の仕組み、制度などのハードな側面と、
人の能力や才能とお互いがどのような関係性で関わっているかのソフトな側面の両方へのアプローチが必要です。

社会保険労務士という仕事をしていると人事制度だとか評価制度を入れたい
(入れれば上手くいく?)という話も耳にしますが、確かに制度をしっかり作ることは大切ですが、制度を作れば組織が良くなるわけではなく、そこに働く人たちはどういう人たちでどんな状態で働いているのか?
その人たちが活き活きと働ける制度でなければ全く意味がないのです。

要するに組織開発をやろうとしたら、まずはソフトな側面である「人」の部分に着目するのが順番だと考えています。

また、本の中に書かれていましたが社員同士でネットワークがあることで仕事がしやすくなります。しかしこれは自然に目減りしていき、何もしなければ関係性や風土はより目減りして、組織の土台がさらに弱体化するとありました。

社員同士の部門を超えたネットワークをつくるのに有効な手段の一つが
社員旅行や社内行事などと書かれています。
それも全社的にアプローチできるのは人事総務にしかできないことだと思います。

人事総務は社内行事を通じて、社員同士のネットワークづくりの場を提供しているのです。これを忘れないでほしいです。

大事なのは組織風土づくりに貢献するということ

実際、パーティーに参加していたメンバーから「この3年間はこういう集まりがなくなってしまい、自分の部署以外のメンバーがいまどんなことをしているのか全くわからなかった。不安だったしつまらなかった」と言っていました。

社内行事をやらなければいけないということではありません。
組織開発の基本は、社員間で起こっていることに気づき働きかけ良くすることです。これは日常のコミュニケーションや会議などでも行うことができます。

社内にはどんな人たちがいて、その人たちをどんな仕組みやツールで、どんなコミュニケーションを取ってほしいのか?
ここをしっかり考えて全社的にアプローチできる人事総務の特権を活かして仕事に誇りを持ってほしいと思います。

パーティーの帰り道、新人の一人に声をかけてみると
「めっちゃ楽しいです!ありがとうございます!」と満面の笑みで答えてくれました。

あ、たぶんこの子は大丈夫だと思って帰路につきました。


この記事が参加している募集

人事の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?