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部下の話を(本当に)聴く

今週はHPからお問い合わせいただいた新しいお客様のところで、管理職向けの研修を実施してきました。


部下の話を上手く聴けていない?

担当の方から課題をお聞きした時に、最初に出てきたのが
管理職が部下の話を聴けていない」というものでした。

とは言うものの、当の管理職の方たちは聴けていないとは思っていないはずです。
特に私のようなバブル世代と呼ばれる方で管理職をされている方は、多くの中から努力して勝ち抜いてきて今の立場に就いているので、ご自身の「成功パターン」を身につけていらっしゃいます。

これまで色々な方と関わらせていただきましたが、申し訳ないのですが優秀と呼ばれてきた方に限って、この「成功パターン」でやらかしている事例を見てきました。

ということで研修では最初にこんな投げかけをしました。

「こんな思い込みをしていませんか?」
・部下が困ったら自分から相談してくるだろう
・いつでも相談にのるよ、と言っているので相談してくるだろう
・部下が相談してきた時に時間をとってあげれば問題ないだろう
・上司が教えず部下が自分で考えることが成長だ
・自分から相談してくることが大事だ

そもそも上司に心理的安全性を感じていなければ相談なんてしにきません!

だからこそ、あえて相談する場を定期的につくることで、コミュニケーションをルーティン化する必要があるのです。

最近、1on1面談などが流行っているのはそういう理由です。

ここで登場するのがコーチング

管理職の方は経験も豊富ですから、部下の相談には「こうすればいい!」という答えが見えてしまうでしょう。
でもそれを言ってしまうと部下は「話を聴いてもらえた」とは思いません。

ここで登場するのが「コーチング」です。

受講者のみなさん、コーチングを聞いたことはあるようですが、実際にどうしたらよいかわかっていないようでした。

これも難しく考える必要はなく
・現状を確認する
・本当はどうなっていたのか理想の状態を明確にする
・理想と現状の間にあるギャップを明確にする
・ギャップを解消する行動を決める
・フォローする

これを「質問」することで会話を進めていきます。

人間、質問されると答えようとします。部下にたくさん質問してください。

15分を1セットで何度かワークをやっていただきました。最初はみなさん戸惑っていましたが、段々慣れてくると声も出るようになり、笑い声も聞こえるようになってきました。やっぱり優秀なみなさんは、やればできるのだと思います。

そして15分でも意外と話が弾むということもわかっていただけたようです。忙しい管理職の方たちですが、15分だけてもまずは取ってみる。そして重要な話が出てきたら、また改めてしっかり時間を取る。まずはここからスタートしてほしいところです。

傾聴+承認

意外と言ってはなんですが、今回みなさんからの反応が高かったのはこのパートでした。

「きく」には
耳で聞く:音声だけで入っている状態。他のことを考えている
口で訊く:話の事柄に焦点があたっている。自分が何て言おうか考えている
心で聴く相手の状態に焦点を当てている。相手が必要としているものは何か?

「みなさん、PC打ちながら部下の話を耳で聞いたりしていませんか?」という問いに反応された方が多かったです(笑)

わかろうと思って聴くというワークもやっていただきました。

それから「承認」というと「褒める」ことだと思っている方が多いのですがこれも違うことを説明しました。

承認とは、相手の存在を認める行為で「明確な言葉で伝えること」です。

褒めることだけではなく、あいさつ、叱る・・・も承認です。

問題なのは「無反応」です。会社で成果を上げることは当たり前なので、部下が何かした時に「無反応」になっていないでしょうか?

この問いも反応が・・・

この「無反応」と結果が出た時だけ褒める「結果承認」、途中の経過についても反応する「経過承認」の違いを体感するゲームも行いました。

ゲームをやっていただいた方は
「僕は結果を出すことに集中したいので、それまでは黙っていてほしいです。結果が出たら思い切り褒めてほしいです」と言っていました。
結果承認型ですね。

結果承認経過承認はどちらが良いということではなく、人によって求めているものが違うということをお伝えしました。
部下をよく観察していないとわかりませんよね。

ちなみに担当者の方は、ご自身の上司に「私は絶対、経過承認なんで課長お願いしますね!」と話されていました。課長さん、苦笑いをされていたのが印象的です。

こんな感じであっという間に一日が終わってしまいました。

私自身はこれが響くのか・・・と新しい発見ができ、有意義な時間となりました。


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