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他人の幸せを想う。

大学を卒業して、社会人歴4年目となったいま現在、
日々、業務に追われて仕事に没頭していると、自分が今まで歩んできた学生時代での歩み、思い出などが徐々に薄れていく感覚がある。

友達に囲まれて、一緒に遊んだり、思わぬ事で喧嘩したり、語り合ったり、色々な意味で輝いていた学生時代。

他者との関わりが、色々足りてない自分の性根と向き合うきっかけになったり、逆に他者を思いやることで自分に出来ること、出来ないことがはっきりして勝手に落ち込んだり、行動に移したり。
血気盛んで、他者のためにきちんと"生きる"事ができていたように感じる。
そういう大学時代があった。

今の私にはない"生き方"だ。

仕事に追われて、何かとスケジュールが詰め詰めの日は人への気遣いが疎かになる。

「すみませんの一言がなぜ言えないんだ!」

社会人1年目の頃はよく叱られた。

朝イチで急いで事務所から外出する準備をして、
バスに乗って落ち着いてきた時に、
「朝のミーティングに参加できずにすみません。の一言を皆に言ってもよかったなあ」と、
いつも後悔の念が後からやってきて、社会人になって、自分の事しか考えられなくなっていることに気付く。

忙しいと、心の余裕がなくなり、他者のことを思いやる気持ちが疎かになる。
自分のことでいっぱいいっぱいになってしまう。

大学に通っていたあの4年間は、有り余るほどの時間があり、他者のことを考える時間だったり他者と関わり合える時間が山ほどあった。
今思うと、あの時間ほど贅沢なものはない。

社会人として生きる今、1番欲しているものは地位や名誉、お金でも何でもなく、時間だ。
他者を思いやったり、関わりあったり、時間を作ることで、それが1番自分の成長に繋がっていたように感じる。
今の自分にはそれが1番、あまりにも尊すぎてあまりにも足りなすぎる。


この前、久しぶりに大学の男友達から電話がかかってきた。

彼とは1年生の時に、同じサークルに入って知り合い、彼がサークルの部長、私が副部長という関係性が長い事続いた。

お互い、一人暮らしの家が近いこともあってか、頻繁に入り浸るようになり、
彼に彼女ができて、彼女との半同棲生活を送るようになってからも、頻繁に彼女と彼と私で、飲んで食べて、語り合っていた。

そんな彼が去年の夏にその時の彼女と結婚したのは、彼から聞いていた。
そんな彼からの突然の電話。

今度、結婚式をやるんだけど、友人代表の挨拶みたいなのやってくれないか?

言われた瞬間、頭が真っ白になった。

「え?まじで?俺でいいの?」

「だって俺と彼女のこと、1番見てきて、俺らのこと1番知ってるの、お前だろ?やってよ。」

大学時代にふざけて、

「お前らが結婚する時用のスピーチはもう考えてるから、結婚式は絶対呼んでくれよな」

と何度かホラを吹いていたことは度々あって、

「お前なんて真っ先に呼ばないよ!」

と返されてしまうくだりを毎回繰り返していただけに、
本当にその時がやってくるなんて夢にも思わなかった。

沢山、思うことがあったので、二つ返事で引き受けた。
考えてみると、沢山の時間を彼と歩んできたことに久しぶりに気付かされる。

真面目貫徹で、サークルの行事だったり遊びのイベントに関しても何事もきっちりしたい部長の彼と、
サークルなんだから、ちゃらんぽらんにゆる〜く活動をしていきたかった副部長の私。

彼とは方向性の違いから、喧嘩して疎遠になって仲直りして、を1番繰り返した友達だったと思う。

誰よりも物知りで、人懐っこくて、真面目。
料理がプロ並みに美味くてコーヒー豆に人一倍のこだわりがあり、F1レースが好き。
彼ほど多才で、多趣味な友達は今まで会ったことがない。
でも、少し頭が固くて不器用。
思い立ったら後先考えずに突っ走っておかしな方向に進んでしまうことが多々あった。
そんな一癖ある(笑)彼を引き受けてくれるのは、スポンジのような吸収力をもつ彼女しかいないと思っていた。

彼女は、いつだって物事を俯瞰に見ることができて、冷静で。感情に身を任せることをしない。
突っ走る彼を止めてくれるありがたい存在でもあるし、彼の趣味嗜好に1番の理解がある。
コーヒー豆の奥深さ、違いというのを彼から学び、
彼から教わったF1レースの車の車種であったり、選手であったりが人一倍詳しくなり、彼からあらゆるものを吸収して自分のものにすることができる。

これが、本来あるべき人と人との関係性なんだなと彼と彼女を見て思う。
そんなお互いを補い合える様な他者との関係を結んだ経験に乏しい私にとっては
本当に羨ましくもあり、結ばれるべくして結ばれた尊い関係性だなと思う。


社会に揉まれて、他者を思う時間がどうしてもとれなくなると、心が麻痺してしまうことがある。
学生時代の、他人のために"生きていた"あの気持ちが薄れてしまった今の自分に、書くことができるのか?
学生時代、彼らを想いやっていたあの時の100%の気持ちで私はスピーチを読んでいたい。

だから私は、今の限りある時間の中で必死に思い出す。
あいつとああいう時間を過ごして、あいつの性格はこうで、俺はあの時、こういう事を思ってたよ?

恥ずかしくて、一対一で面と向かって話せるようなもんじゃないから、どうせなら皆に聞いてもらおう。

でも、とりあえず大人の挨拶から学ぼう。
あぁ、親族の方への配慮も忘れない様にしないと。
自分語りとか、式に相応しくない内容は避けよう。
長すぎず、3〜5分あたりで話を収めないと。

他者を想うって時間がかかるし、こんなにも大変なものなんですね。

初めて知った最近の学びでした。

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