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vol.10 バラエティ番組に思うこと

私は小さいころから生粋の「テレビっ子」で、
バラエティだったりドラマを見て、一日中テレビに張り付いているような大人しい子供だった。

普段あまり喋らない私が、
テレビの前でだけ、面白い場面の時は手を叩いて笑って、悲しい場面の時は感動して泣いていたり、
はっきりと喜怒哀楽をみせる光景は、両親から見ると、かなりおかしな光景だったと思う。

特に昔からお笑い番組が大好きで、
「笑う犬」とか「はねトビ」。
「めちゃイケ」が第一線で面白かった世代。
フジテレビが華やかで輝いていた時代と、そうではなくなった時代を両方、体感してきた。

余計なことばかり普段から思考してしまう自分にとって、テレビのバラエティというのは無くてはならない存在で、
仕事でやらかして、後悔の気持ちが渦巻くそんな夜も
「もうテレビの奥では大人たちがこんなしょうもない事やってるし、もう考えるのやーめた!」と思わせてほしい。
どんな時代になってでも、くだらないことをひたすらに追及していってほしいと思う。

ある日、「ゴッドタン」という番組で
キングコングの西野さんと劇団ひとりさんが対決するという内容の企画があった。
1年に1回ぐらいの感覚でその企画はやってきて、
毎回2人が喧嘩したり仲直りしたりを繰り返す茶番劇である。

「西野をもう一度嫌いになろう!」っていう名前の企画があったと思う。(笑)
仲が悪かった2人が色々な企画を経て仲良くなり、
再びお互いを嫌いになろう!という趣旨が、
もう最高に意味が分かんない。

会って早々、ひとりさんが西野さんの着ているシャツをビリビリに破く。
これはもう毎回恒例の儀式となっていて、
最初にこれを見た時の衝撃はすごかった。
涙を流して笑った。
"会って早々に服を破く"というひとりさんなりの
コミュニケーションが可笑しくてしょうがなくて、

服ってこんなにも抵抗なく破けるの?とか、
地上波でいったい何を流してるんだよとか最初は思ったけれど、
そんな"服を破く"という行為そのものに疑問を抱くことが野暮だよね。
と思わせるぐらいのハチャメチャな世界観がもう最高にたまらなく好きなのだ。

その後、2人はお互いの尻と肛門を剥き出しにして、
お互いの肛門に水を吹き合うっていう謎の対決(?)が繰り広げられるんだけど、
もはやそこに考える隙間なんてない。
お互いの髪の毛を各々で切り合ったりするのなんてはっきり言って誰にもメリットがない。(笑)
(お互い売れっ子だしその後の撮影が控えているのに💦)

でも、そういう理由も何もないバカが許されるのはテレビならではであって、この内容でクレームの一つもなく、17年も末永くやっている「ゴッドタン」という番組に感謝の意を表したい。

どんなに仕事がつらくても、この滅茶苦茶なエンタメを手放しに笑っていられる自分にホッとするのだ。
よかった、まだ大丈夫だ。と思える夜が何回かある。

「最近のバラエティはつまらなくなった」という声をよく聞く。
同世代の人たちはもはや「テレビを持ってない」という人たちが半数以上いたりする。
そういう人もいるよなと思いつつも、若干、そこに寂しさを覚えたりする。

今はスマホが普及して、Youtubeだったり他のエンタメだったりが面白くなっていって、テレビの存在は古びたエンタメの一つになりつつあるのかもしれない。
色々あるエンタメの中でも、テレビというのはクレームであったりBPOの審査機構であったり、非難の標的になりやすい媒体なのかなと思う。

今、書いてみて思うのは、
今のテレビは点けてみると、情報の量が異常に多い。

ニュース番組が多いのは昔からの事だが、
今あるゴールデンのバラエティの数々は、
「○○ランキング!」とか
「○○特集!○○クイズ!」とか、
何かしらの教養と知識が無理くりねじ込まれて、
ありきたりな内容に終始した内容が多い気がする。

色んな事に配慮した結果そうなった。と言われればとても納得できる。

でも営業という仕事柄、
情報をインプットして、いかに営業に取り入れるかを常日頃考える事を強いられる私にとっては、
「いや、そういう情報から離れるために俺はテレビを見てるんだよ!」と
思ってしまう瞬間がある。

「ゴッドタン」みたいに服を破きあって、
大人たちが仕事の垣根を越えて心の底から笑う悪ふざけをここ最近テレビの向こう側から見ることが少なくなった。

確かに知識と教養とは無縁で、
"無駄"な時間にしかならないかもしれないけど、
そういう"無駄"をとことん追求した番組に救われる私みたいな人がいるのだから、
もっと増えていってもいいと思います。

いま、毎週欠かさず見る番組は
「水曜日のダウンタウン」「アメトーーク」と
「相席食堂」。
「あちこちオードリー」とかもすごく見ごたえがあって、欠かさず見る。
まだまだ面白いテレビ番組は沢山あふれてるので、
是非とも欠かさず見て、テレビ界を廃れないようにしてほしいです。
そしていつだって私はそれに救われます。


p.s

東京に住む同世代の人たちと話をしていると、
「キングコングの西野さんのファンなんです!」と言われることがある。

本屋に行っても、自己啓発のコーナーに西野さんの本が平積みしてあるのをよく見かけたり、影響力の高さと、若者からしっかりと支持支援されている事がよく分かる。

その時思う。
「服を破き合い、肛門をさらけ出し、バラエティに奮闘する西野さんの生き様込みで西野さんの事好きなんだろうなぁお前ら!」と同世代の友達たちに問いたい。

でも絵本とか見たことないし。それしか知らないんだけど。私の場合は。
お笑いファンの悪いところが出てます。すみません。(笑)

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