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備忘録#2 [Renaissance: A Film by Beyonce]

2023年の大晦日に、ビヨンセの映画「Renaissance: A Film by Beyonce」を観てきた。
ワールドツアーの様子を収録したもので、当日のライブパフォーマンスはもちろんのこと、本番に向けた準備期間や当日のバックヤードなど普段は見れない過程にもフィーチャーした作品。
新宿のTOHOシネマズで観たんだけど、声出しOKの会場ということもあり派手な服装の観客も見受けられ、さながらビヨンセのライブ会場のような雰囲気だった(行ったことないけど)。

ライブ自体は2022年にリリースしたアルバム「RENAISSANCE」の曲を骨子として展開されており、このアルバムはボール・カルチャーの文脈を踏襲しながらハウスミュージックをリバイバルさせている。
この辺の記事に詳しく載ってるのでぜひ読んでみてください↓

作中では、このツアーを「すべての人にとって安全な場所、セーフスペースにしたい」という旨の発言が繰り返される。これはボール・カルチャーおよび「ハウス」のような役割を示唆していて、LGBTQ+コミュニティに対する感謝や仲間意識が表現されている。
ハウスについても以下の記事を読んでみてください↓

ダンスパーティーの参加者は、それぞれハウスと呼ばれる団体に所属しながら、ダンスのテクニックを伝授されます。ハウスは数多く存在していたため、ボールの対決において派閥がありました。特に、「House of Xtravaganza (ハウス・オブ・エクストラヴァガンザ)」や「House of Ninja(ハウス・オブ・ニンジャ)」がボール・カルチャーのなかではよく知られているハウスです。

ボールの参加者のほとんどがLGBTだったことから、差別や家庭から勘当された経験を持つため、第二の居場所として機能されていました。ボール・カルチャーは、当時のLGBTを受け入れるコミュニティともいえます。

Japan Youth Dance Festival「ヴォーギングとは?ボールカルチャーの歴史とLGBTQ+との関係性」


彼女がここまでLGBTQ+に接近するのは、叔父であるジョニーの存在が大きい。作中でも、彼女が音楽に興味を持った原体験は叔父であったことが語られていた。

時代に求められたアーティストなんだな。
世界中のラグジュアリーブランドが提供した煌びやかな衣装に身を包み、ド派手な舞台装飾の中で全く引けを取らないゴージャズな佇まいを見てそう思った。
妻・母親・黒人性・LGBTQ+と様々なものを背負ってステージに立つ姿はまさに無敵のディーヴァだった。
前述したような文脈をきっちり抑えたうえで、ビヨンセがハウスミュージックをやるということに意味がある。文脈ってこうやって紡がれていくんだな。

煌びやかなステージの裏では、舞台装飾や照明に細かく指示を入れ続けるなど(娘からもあきれられていた)、見てる側がウッとなるほどの妥協なき姿勢や、「私はサイボーグじゃなくて人間なの」とこぼしてしまう弱気な部分などもドキュメンタリーとして収められている。

そんな背景を知った後にみる輝かしいステージでのパフォーマンスは一入で、映画館内のボルテージも最高潮、椅子から立ち上がって踊る観客もたくさんいた。
おれビヨンセあんまりしっかり聴いてこなかったなぁ、改めて聴き直してみよう。と帰り道に思う。


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