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ナカさんの寄席日記 20 新作落語の雄、小ゑん師匠

落語の歴史は江戸時代までさかのぼることが出来ます。幕末から明治にかけて活躍した三遊亭圓朝は「落語中興の祖」と言われています。この圓朝が作ったとされる噺、有名な噺では芝浜、死神、牡丹灯籠、真景累ヶ淵、鰍沢など今では古典の大ネタですが、演じられた当時はもちろん「新作」だったわけですよね!落語二百年の長い歴史の中で新作が出来、たくさんの人が語り、練り上げられ時代々々の新しいクスグリを入れられ、それを現代に生きる私たちが「古典落語」として楽しんでる、って考えると改めて落語ってスゴイなぁと思います。落語って時代と共に生きてるんですよね。
現代の新作落語は果たして百年後語られているのか?!
考えるとワクワクしますね!私たち“寄席クラスタ”は寄席でかかる噺で季節を感じることが出来ますが、小ゑん師匠の新作落語「ぐつぐつ」を聴くと冬の訪れを感じます。秋と言えば目黒のさんま、冬と言えば芝浜もいいけど「ぐつぐつ」は寄席では欠かせないネタです。駅前の屋台のおでん屋の鍋の中、おでんの具達の声に耳を傾けてみると・・・。イカ巻さん、こんにゃくさん、ハンペンちゃん、巾着さん・・・みんな一緒にぐつぐつ煮えてます。ほぉら楽しそうな声が聞こえてくるでしょう?冬の夜空に広がるファンタジーな一席です。噺の中でおでんが「グッツグッツ!」と煮える様子を表した小ゑん師匠の仕草もクセになります!
小ゑん師匠の作った新作落語「ぐつぐつ」ですが、他の噺家さんだと圓丈師匠、吉窓師匠、けい木さん、つる子さんなど多くの人が演じています。2010年には小原春香さん(AKB48)のお芝居にもなりました。きっと百年後には古典落語になってると思います!
寄席で「ぐつぐつ」聴いた後は、一杯やりながらおでんで心も体も温まりましょう♪

◎柳家小ゑん千一夜vol.8
【収録】ぐつぐつ/牡丹燈籠42.195km

2018.11

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