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大河ドラマ『光る君へ』記念☆『源氏物語』から学ぶ恋愛失敗学入門💓

いつも私の記事をご覧くださり、誠にありがとうございます。

今年の大河物語は「光る君へ」。
そう、源氏物語の作者である紫式部を主人公に据えた作品です。

当然、紫式部の書いた『源氏物語』にも焦点が当たります。

ところで皆さん、『源氏物語』をご存知でしょうか?
吉高由里子さんも気になりますが、教養としてまず押さえておきたいのは、紫式部と『源氏物語』についてですよね。

というわけで、今回は、源氏物語についてと、作品の中から学べるポイントををご紹介しておきましょう!


1.『源氏物語』は、日本が誇る、世界最古の長編小説。

『源氏物語』が書かれたのは平安時代。

世界最古の長編小説と言われています。

作者の紫式部は、藤原為時の娘で、「この子を男の子として持たなかったことがなんとしても不運な事だった!」と教養深い父に言われたほどの才媛でした。

当時、時の最高権力者であった藤原道長の娘・彰子が一条天皇の中宮として入内しており、式部は彰子に使える女房として出仕します。

式部と言うのは役職名で、本名は明らかになっていません。

ただ、『源氏物語』の主人公・光源氏の最愛の人で、有名な「紫の上」のイメージもあいまって、「紫式部」と呼ばれるようになったのではないか、との説もあります。

貴族社会の人間模様を観察した式部の豊かな構想力によって、『源氏物語』は紡がれていきます。

登場人物はすべて架空の存在だということですが、とても人間味に溢れていて、1000年経ってもまだお話として古びていないところが素晴らしいと思います。


2.源氏物語は突っ込みどころ満載の恋愛学!

『源氏物語』は作品としては非常に優れており、登場人物へもつい感情移入してしまうようなお話が多く、当時の宮中において大流行したことは想像に難くありません。

ただし、この『源氏物語』、恋愛物語としては突っ込みどころが満載でありまます。

「光源氏」といえば、「光輝くような美しさで非の打ち所がない美男子」です。

物語とは言え、とにかく光源氏の女性関係の多いこと。

その容姿端麗さから、沢山の女性を口説き、恋仲になっていくのですが、普通にこんな人いたらどんなイケメンでも引いてしまうほど、恋愛モードになるのがとにかく早く、そして同時並行能力ハンパなし。

昔の日本って、一夫多妻OKだったんだよな~と思いを馳せてみたり。

不倫だ女性問題だと騒がれている現代の芸能人たちも、1000年前だったら特に騒がれていないのかもしれないですね。

そう考えると、善悪の基準は時代と文化ともに変わっていくものです。

光源氏のように、沢山の女性を理想化して好きになれるとは、逆に才能かもしれません。

普通の人であれば、一度手痛い失恋をした後は、次は同じような苦しみを味わうことのないよう、多少警戒したり、女性に対して慎重になったりしそうなのです。

ところが、まったくそんな気配がないのが光源氏の凄いところです。

なかなか人を好きになることができない……そんな人にこそ、この光源氏の女性を理想化し、愛する能力を伝授していただきたいものです。

光源氏が選ぶ恋のお相手も、なかなかリスクのある人ばかり。

危険な恋ほど燃え上がるのかもしれません。

母親の面影を残す義母の藤壺の宮を初恋の女性としたり、藤壺の宮に瓜二つの若紫という少女を養育し、後の妻・紫の上としています。

つまり、義理の母と恋仲になったり、美しく成長しそうな少女を早めに家に引き取って、自分好みに育てたりとやりたい放題。

その中にも沢山の人生の学びがありまして、ちょっと衝撃的なエピソードもあります。

今回は入門編として、光源氏の恋愛失敗ポイントを軽くご紹介しましょう。


恋愛失敗ポイント①結局、亡き母の面影を探しているだけ?

光源氏が女性を思慕するようになった全てのきっかけは、生みの母親である桐壺の更衣を早くして亡くしたこと。

その結果、亡き母に瓜二つと言われた義理の母・藤壺の宮を慕います。

亡き母に似ている、という理由で義理の母を好きになるというのもちょっと不思議な感覚なのですが、それだけ藤壺の宮が理想的な女性だったのかもしれません。

光源氏が年上の女性ばかり好きになるのは、いわゆるマザコン、というものかもしれませんが、義理の母である藤壺に恋をして、彼女を悩ませる、というお話のスタートからして罪な男です。笑

藤壺の宮への思いが募るばかりでしたが、道ならぬ恋に藤壺の宮は苦しみ、出家してしまいます。

そもそも、藤壺の宮に惹かれたのも、亡き母に似ているらしい、という話から始まっているので、結局は亡き母である桐壺の更衣の面影を探していたのかもしれません。


恋愛失敗ポイント②生霊が多発!―六条の御息所の執念

この「生霊問題」は特に、「六条の御息所」との関わりで出てくるエピソードです。

六条の御息所は、源氏よりも年上で誇り高い貴婦人。

元大臣の娘で、前の東宮妃という経歴からも分かる通り、気品と教養に満ちており、若き日の源氏が足繁く通った女性です。

若い頃の光源氏にとっては、六条の御息所は、年上の女性の思慮深さを感じる魅力的な存在そのもの。

しかし、段々とその気位の高さが少し窮屈に感じられ、夕顔など、従順で可愛い女性に惹かれていきます。

男性が若いうちは年上の女性に惹かれ、年をとるにつれ、年下の女性が良くなっていくという、あるあるのパターンではあります。

気持ちが離れていく源氏に対し、段々と六条の御息所の方がご執心になっていきます。

離れていくほど追いかけたくなる、という女心でもありますね。

そしてとうとう、光源氏が他の女性に恋をしていると、六条の御息所が相手の女性に生霊となって取り憑くようになります。

夕顔正妻の葵の上など錚々たる登場人物が六条の御息所の生霊によって亡くなるという、そうとうな念の強さ。

六条の御息所は、さらには死霊としても現れており、源氏の後半生を大きく悩ませた女性であるのは間違いありません。

「六条の御息所」のエピソードは、女性の執念の恐ろしさや、プライドの高い女性を弄んではいけない、という教訓を教えてくれます。

普通に考えて、好きな男性が他の女性に目移りしていくのを見ることが辛いわけです。

一夫多妻の世界にしたら生霊だらけになるんだろうな、ということが懸念されるエピソードでもあります。


恋愛失敗ポイント③初恋の人への報われない思いを現在の恋人に投影

さんざん女性遊びをする源氏でしたが、義母であり、初恋の人でもある「藤壺の宮」に関連する女性となれば、手あたり次第に自分のものにしていく印象です。

特に、源氏物語のヒロインとも言われる「若紫(後の妻・紫の上)」と出会って惹かれたのも、藤壺の宮の姪であり、幼き若紫が藤壺の宮と瓜二つであることに気づいたから。

源氏は若紫を引き取り、自分の理想通りの女性となるように育て、最愛の妻・紫の上とします。

ただ、紫の上も、光源氏が自分に藤壺の宮の面影を投影しているのを感づいています。

叶えられなかった思いを自分に向けられ、それに答えようとするだけでなく、光源氏に精神的な安定をもたらした紫の上の度量には感服します。

ただ、光源氏の女好きは収まらず、「藤壺の宮」に関連する女性には目がない、という事実は、紫の上を傷つけることになります。


恋愛失敗ポイント④最愛の人・紫の上を手に入れるも、煩悩は尽きず……

光源氏の最愛の人と言えば、紫の上。

政略結婚のために正妻となった葵の上とは、葵の上がプライドが高かったため、最後まで打ち解けることができませんでした。

葵の上が亡くなると、正妻のいなくなった光源氏は、大切に養育され、美しく成長した紫の上と結婚します。

このまま紫の上と添い遂げるかと思いきや、光源氏の女好きは改まらず。

老年になってからも、義兄朱雀院に頼まれ、「女三の宮」を正妻として受け入れます。

「女三の宮」の母は、光源氏の義理の母にして初恋の人、「藤壺の宮」の妹。

つまり、紫の上と同じく、大好きな「藤壺の宮」の血縁者です。

これが決定打になって紫の上は病に伏せるようになり、六条の御息所の死霊に襲われるようになります。

結局、自分以外の女性への興味の尽きない光源氏への幻滅ですよね。


光源氏の若い頃の罪が回ってきたのか、女三の宮は内大臣の息子・柏木と密通して不義の子を懐妊。

源氏は自ら犯した罪への報いだと実感します。

紫の上はの残りの人生を仏道に捧げたいと、出家を願い出ますが、光源氏はそれも許さず、自分の傍にいてほしい、と願います。

最愛の人、紫の上を失くしてからは、光源氏の悲しみは深く、出家を意識しながら、茫然と過ごします。

とはいっても、色男、ここで終わるわけではないのですが。


「源氏物語」の恋愛から何を学ぶか?

結局、光源氏は亡き母親の陰をずっと追い求めて、満たされない想いを持ち続けた人生だったのかもしれません。

紫の上を最愛の人と定めて身を落ち着けたら良かったのに、他の女性への好奇心が止まずに手を出し続けた結果、光源氏の後半生は常に影が付きまとうようなイメージです。

「源氏物語」から何を学ぶか?ですが、甘美なる恋愛の一面だけではなく、その裏には人間関係のもつれによる悲劇が沢山描かれています。

光源氏は確かにモテますが、両想いになる一瞬は素晴らしくても、あとの人間関係が全てグチャグチャ。

『源氏物語』は恋愛失敗学としても、注目に値するのではないかと思います。笑

しかし、だからこそ、読者を惹きつけて離さなかったのでしょうし、紫式部は今であれば、長編の恋愛ドラマを書ける最高の脚本家になっていたかもしれません。

紫式部の圧倒的な力量に敬意を払いつつ、吉高由里子さん演じる紫式部も楽しんでいこうと思います!

最後までお読み下さり、誠にありがとうございました!


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