見出し画像

雑学note【第18回】 ロマネスコ

ブロッコリーやカリフラワーについて調べていたら、その道すがら、気になる存在を発見した。

それが「ロマネスコ」という野菜である。知らなかった。こんなものがこの世には存在したものか。

この見た目である。なんだこれは。こんなものが、自然に存在するものなのか。

カリフラワーの仲間らしいのだが、疑問点をいくつかに絞って調べてみることにしよう。

①なぜ、こんな形をしているのか? 人工的に無理矢理作ったのかな?

②味は?

③どこで買える? 値段は?

ロマネスコという名前は、「Broccolo Romanesco(ローマのブロッコリー)」というイタリア語での呼び方の、「ローマの」の部分だ。日本ではなぜかその部分が呼び名として採用されているようだ。「イタリアンバジル」を「イタリアン」、「フレンチブルドッグ」を「フレンチ」と呼ぶようなものだ。

ロマネスコの幾何学的な形は「フラクタル形状」と呼ばれる。「フラクタル」というのは「どれだけ拡大しても複雑な図形」のことで、一部を拡大しても、中からどんどん同じ図形が出てくる感じのやつだ。

ロマネスコの形はまるで人工物のように整っているが、フラクタル自体は自然界でよく見られる。樹木が枝分かれするのもフラクタルだ。一本の枝から枝が伸びて、その枝からまた枝が……という繰り返し。

カリフラワーやブロッコリーもフラクタル構造を持っているが、ロマネスコは、それが特にわかりやすい形で綺麗に現れているのだ。

ロマネスコは16世紀にローマで作られるようになったと言われている(ドイツという説もある)。ブロッコリーは食用に品種改良されたもの。ブロッコリーが変異したのがカリフラワー。ロマネスコもまた、さらに変異したもののようだ。「このカリフラワー形が綺麗だな」みたいな変異体を、昔の人が大切に育てたのだろう。たぶん。

ブロッコリーもカリフラワーもロマネスコも、人工的な品種改良の結果ではあるが、ロマネスコの幾何学的な形自体は、自然から離れたものではない。

あまりに作りものっぽい形のせいで「これ食べ物? 食べて大丈夫なの?」とさえ思ってしまいそうだが、たんに形の綺麗なカリフラワーみたいなものなので、心配はいらない。

味はブロッコリーに近く、食感はカリフラワーに近いらしい。

ということは、両方を同時に食べれば、なんとなくロマネスコを食べたように気になるのかもしれない。

どうやらスーパーなどで(売っていれば)、150円~300円くらいで買えるようだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?