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雑学note【第24回】有機野菜の「有機」って何?

有機栽培とか、有機野菜という言葉をよく聞く。でも、その「有機」とは具体的にどういうことなのか、僕はよく知らない。

体にいいみたいなイメージはあるけど、なぜなのか。

「有機物」といったら、炭素を含むものだと、昔理科で習った気がする。「有機野菜」は炭素を含んでいるということなのだろうか? だとしたら、他の野菜は炭素が含まれていないのだろうか? 炭素は体にいいのだろうか?

調べてみることにした。

「有機」という言葉の意味

普段の会話で「有機物買ってきて」とか「今年は有機的な一年だったね」とか「あいつ自分のことを有機っぽく見せようとしてるよね」とかあまり使わないから、まず言葉の意味として「有機」がわからない。まずはそこから。

「有機物」というのは定義としては、確かに炭素を含む化合物のことである。

ただし、それは、生物の体から作り出されるものなので、イメージは生物と強く結びつく。「有機」という言葉は「命」や「生物」という意味合いが強い。

「機」は「仕組み、からくり」みたいな、何かシステマチックな感じを表す字らしい。「有機」はそれがあるということ。細胞や葉緑体、根や花や種、頭や手足や臓器など、いろいろな部分がシステマチックに働いて全体を作る生物は、まさに「有機的」な存在ということなのである。

一方「無機」は生命や命とは無関係のイメージということになる。例えば、「無機質」という言葉は「味気ない、人間味がない」みたいな意味で使うけど、命がない、血が通っていないというイメージなのだと知ると納得できる。

一言でまとめると、「有機」「無機」は「命っぽいかどうか」「生物的かどうか」ということである。

「有機栽培」の有機は肥料の話

野菜を育てる肥料。昔は普通に家畜のフンなど有機的な肥料が使われていたのだけど、時代が進むとケミカルで無機的な科学肥料が用いられるようになる。

でも「ケミカルなやつ、自然じゃないし、怖いよね、体に悪くないの?」等の懸念から科学肥料を使わないやり方が見直されて「有機栽培」「有機農業」という言葉が生まれることになる。

昔は普通、全部が「有機栽培」だった。これは電子書籍が増えるほど、「本」を「紙の本」とわざわざ言わないと、いけない感じに近い。

意味もわからず抱いていた、「有機栽培」が体にいいというイメージは、無機な化学肥料を使わずに育ててますというところから来ているというわけだ。

「有機野菜」という言い方はおかしいらしい

調べてわかった。野菜はどれも「有機物」だから有機栽培で育てた野菜を「有機野菜」というのは、厳密にはおかしいらしい。「有機栽培で育てた野菜」と言うべきだと。

わかりました。気をつけます。

でも、言葉って、結構そういうところあるじゃん? 「電気をつける」も、「照明をつける」という言い方じゃないとおかしいんだろうけど、みんな言うし。

ついでに「オーガニック」って何?

「有機栽培」と関連して、よく聞く言葉「オーガニック」とはどういう意味なんでしょうと、ついでに調べてみる。

答えは「有機」のこと。単に英語にしたものだった。

参考文献

http://kokugoryokuup.com/organic-inorganic/

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