見出し画像

脂肪燃焼と空腹状態(エクササイズ前に糖質を摂取することにより、ミトコンドリアへの長鎖脂肪酸の流入が減少するのはインスリンの作用により脂肪組織の脂肪分解が制限されること、解糖流量が増加すること、そして、脂肪酸の運搬と酸化にかかわる遺伝子の発現が減少する)

空腹時に行う有酸素性エクササイズ

脂肪の減少を促進させるために空腹時に有酸素性エクササイズを行うという概念は、エクササイズセッション中に燃焼する脂肪量へと効果だけを考えても誤っていると言わざるを得ません。

確かに非鍛錬者においては、複数の研究により、低強度の有酸素性エクササイズ(約60%VO2max)の前に糖質を摂取することにより、ミトコンドリアへの長鎖脂肪酸の流入が減少することが示されています。

その原因は、インスリンの作用により脂肪組織の脂肪分解が制限されること、解糖流量が増加すること、そして、脂肪酸の運搬と酸化にかかわる遺伝子の発現が減少することにあります。

しかし、トレーニング状態と有酸素性エクササイズの強度はどちらも、エクササイズ前の摂食による脂肪の酸化効果を低減することが知られています。

絶食後の心臓血管系トレーニングは脂肪減少効果を高めるか?

ボディビルダー、アスリート、フィットネス愛好家がよく利用する脂肪燃焼法は、早朝空腹状態で心臓血管系エクササイズを行うというものになります。

この方法は、Bill Phillipsの著書「Body for Life」により普及しました。

Phillpsによれば、一晩絶食した後の20分間、高強度の有酸素性エクササイズを行うことは、食後に1時間の有酸素性運動を行うことよりも脂肪の燃焼に効果があるとしています。

その理論的根拠は、グリコーゲン濃度が低いと身体のエネルギー利用は、糖質から貯蔵脂肪へと切り替わるため、より多くの貯蔵脂肪が燃料として利用されるというものになります。

ここから先は

1,966字

¥ 300

ご覧になって頂き本当にありがとうございます。