【綿町ダイアリー】#165 中村文則/教団X
メンタルを安定値に戻したいとき、
僕は中村文則と対峙する。
今日は595頁に及ぶ長編「教団X」。
そこには日本への否定と肯定が散りばめられてた。
これはいつもの純文学ではない。
中村文則さんのイデオロギーであり、政治思想、社会思想に溢れたノンフィクションなんじゃないか。
難しいと言えば難しい内容である。
ただ、作家が魂を込めて書いた作品というのは、読み手である僕たちもそれ相応の気持ちで受け止めなきゃいけない。
それが読書の醍醐味なんだと僕は思っている。
そしてこの本の核は、宗教ときた。
僕が長年頭を悩ませている分野である。
『あらゆる宗教の聖典は、それが大昔に書かれたということのみによって信用され、それが大昔に書かれたということのみによって変更不能なのです。』
この一節には僕も大いに共感した。
ーーー 久しぶりに長編を読み切った。
午前10時。心穏やかな読後感に浸っている。
さて、ちょっと苦めの珈琲でも淹れようか。
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