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就活④ドラクロワと岡本太郎

就活を終えた。

先日、4月に内定をもらった企業から郵送されてきた
内定承諾書に記入をして印鑑を押し、
封筒の宛名の敬称を「様」に書き換えて、切手を貼って、ポストに投函した。

昨年11月から約半年続けた就活を、パン屋で書いた内定承諾書と、コンビニで買った84円の切手と共に、終えた。


就活のために用意した薄いA5サイズのノートは、2冊まるっと使い切った。

1冊目は、大学の友人とのヨーロッパ旅行で訪れたルーヴル美術館で購入した、ドラクロワの作品『民衆を導く自由の女神』をモチーフにしたノート。
2冊目は、母と姉と行った岡本太郎展で購入した、グッズのノート。

A5サイズ


自己分析も、フィードバックも、面接準備も、企業分析も、面接の内容や反省も、全てこのノートに書き込んだ。


就活は難しい。
私が約半年かけて取り組んでみて、感じた結果だ。
改めて文字にすると、小学生の日記みたいな愚直な感想だな。

Job hunting was difficult.
うん。なんか英語にしたら少し良くなった気がする。中1の英語の教科書に載れるだろう。

自分に対してとことん向き合って、
ようやく理解できた自分について、限られた時間の中で相手にも理解してもらわなければならない。
その上で、良いな、と思ってもらわなければならない。

「選ぶのは求職者側」「お互いミスマッチが起こらないように」などと言っているが、落とされる時は大抵理由もわからずバッサリと切られ、「お祈り申し上げます」となんだかふんわりとした言葉で締めくくられる。

「入れてください」と門を叩いた会社に、「弊社はあなたのこといりません」と言われ続ける生活は、いつもうっすらと辛かった。


就活というと、朝井リョウさんの『何者』が一番に頭に浮かぶ。

私は就活をする前もした後も、
「何者」かにはなれかった。
履歴書で目を引くような学力も、他者と差別化を図れる特出した経験も、第一印象で出し抜ける愛嬌も、特に持ち合わせていなかった。

ただ、それでもいいや、と思う。

誇れるような何かがなくても、
本屋にこれから読みたい本が並んでいる限り、私は自分に対して肯定的でいられると思うのだ。

とりあえず来年4月からは、
読みたい本が買えるように、
おいしいものが食べられるように、
夏はぶどう狩りに、冬はみかん狩りに行けるように、
せっせと働いて、せっせとお金をもらおうと思う。

あーー100万円ほしーーー!!!!!

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