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かぼちゃプリン

最近の私は,とても調子がいい.いろんなことをバランスよくこなしつつ,自分にとって重要なことにはとびきりのエネルギーを注いで生きている.私の大好きなかぼちゃプリンみたいな,満ち足りた味.でも,決してそれだけで無動になるわけではなく,貪欲に動き続ける原動力となるあの香りと食感(ちょっと何を言っているか分からない).ときには感情的な部分を大切にし,ときには論理的な道筋を立てて合理的な選択をする(つもりになっている).

平日は金曜日以外フルコマで授業を受け,放課後はラボで実験や文献調査に打ち込む.平日のフルコマ三昧は,面白い授業だけならまだしも,長時間座り続けてかなりしんどいものがある.それでも多くの人が耐える!本当に尊敬する.私はへとへとだ.

金曜日は授業が2コマしかないので,一週間頑張った~という嬉しくて身軽な気持ちで登校し,ちょっとの授業が終わると金曜日は実験はお休みすることに決めていて,しかしラボミーティングだから18:00にはTeamsの会議室に入る.ミーティングは19:00頃には終わり,私の,みんなの週末がやってきた~とハイテンションになろうとするも,実際は一週間の充実感と疲労にまみれて自宅でゆっくり過ごす.コロナ禍という状況がそれに拍車をかけ,さらに私は食事を某サービスで届けてもらうなどのささやかな贅沢もあり.

食事が終わると,さあ明日は昼までゆっくり寝れるぞ!とはりきって好きな勉強に打ち込むか,新しい映画を2, 3本立て続けに観てしまうこともある.私にとって,金曜日は夜更かしが許される日.

さて,そんな私が研究以外で打ち込んでいるものは,語学とインターン先でのお仕事.と古本購入.ドイツ語は,必要だから学んでいる.そのプロセスにも面白さはあるが,日本で医師免許取得後数年の従事を経てから,ドイツで実技試験を受けて医師免許を取ることを視野に入れているのだ.

ドイツで医師として働いてみたいという気持ちは実は後から出てきたもので,そもそもじゃあなぜ私がドイツへ行きたいかと言えば,きっかけはカントの純粋理性批判の英訳版を読み始めたときだった.

英語なら日本語よりは彼の思想を正確に理解できるのでは?という突っ込みどころ満載かつ至極浅はかな考えで選んだそれは,しかし人文系の学問をしている親友の一人にバッサリ切られた.英訳も訳者の誤読がかなり含まれていると日本人の教授が嘆いている事実を知らせてくれたのだ.要は,ドイツ哲学をやるなら原書に挑め,ということだろう.ケースによるだろうが,少なくとも古典哲学~近代哲学にシリアスに取り組む人間にとって,一次情報ほど強く頼れるものはないのかもしれない.自分の素人考えに恥を覚えた瞬間だった.だが,とてもいい瞬間だった.彼からの忠告によって,哲学を学びにドイツへ赴くことが内心決まったからだ.このテクノロジーが発達した時代に,日本でドイツ哲学をやるのではなくあえて現地に行く理由は,無視することのできない自身の好奇心が第一だ.非合理的な選択方法かもしれないが,私はこれを恥じない.それどころか,誇りにさえ思う(ちょっと言い過ぎたかも).

まぁそんな私だけれど,ここ一年ほどずっと強い興味を持って資料を漁っているフィールドは,法哲学だ.法哲学にもさらに細分化された種々の分やがあるけれど,その中で遵法責務論という本を読んで以来,遵法責務について信頼ややさしさと絡めて論ずる必要があるのではないか,という考えを微かに抱きながら思索に耽っている日々だ.ヘーゲル哲学の系譜も追っているが,まだまだ考察に足りる知識を持ち合わせていないため,とにかく勉強する日々だ.

また,ナチスに関する歴史や派生するナチス映画に関する映画論の本も読みながらドイツ映画を鑑賞し,ドイツに親和性を持った人間?になる努力もちょっとずつ始めている.

余談にはなるが,ヨーロッパ諸国では小学生時代からナチスの問題についてしっかりと教育し,アウシュビッツを見学させることが一般的だと耳にした.対する日本はどうか.ナチスに限らず,そういった歴史的に重要な大惨事・大事件に関する歴史・文化・社会的な教育が全く不足していると感じる.彼らを見習って,もっと歴史教育を工夫するべきだ...と机上の意見を述べても容易には変わらないだろうし善策が見つからないから,まずは自分がシリアスに向き合わねば,というのが現在のスタンス.

なんてことを言いながら,ウヰスキー検定に向けた勉強???や買い物や食に対する欲は人並み?に持ち合わせているので,いろんな誘惑には弱い.いろんなことに手を出しながら,少しずつ無理のない程度に削りながら,大事なことを見極めんと前のめりになって生きている毎日である.

かぼちゃプリンを愛する気持ちと舌は忘れないようにしながら人生を楽しむ所存である.


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