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2021年 62冊目『男の作法』

内館牧子さんの男の不作法を読んだ際に、この男の作法の話があったので手に取りました。
池波正太郎さんの本です。
かっこ良い本です。


冒頭に、こんなくだりがあります。

どのように生きていくのかは、結局、その人が生きている時代そのものと切っても切れない関りを持っています。この本の中で私が語っていることは、かっては「男の常識」とされていた事ばかりです。しかし、それは所詮、私の時代の常識であり、現代の男たちには恐らく実行不可能でありましょう。時代と社会がそれほど変わってしまっているということです。
とはいえ、他山の石ということわざもあります。男を磨くという問題を考える上で、本書はささやかながら一つのきっかけぐらいにはなろうかと思います。

そして次のような話が載っています。

鮨屋に行った時はシャリだなんて言わないで、普通に「ゴハン」と言えばいいんですよ。
そばを食べる時に、食べにくかったら、まず真ん中から取っていけばいい。そうすればうまくどんどん取れるんだよ。
天ぷら屋に行く時には腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ。
たまにはうんといい肉でぜいたくなことをやってみないと、本当のすき焼きのおいしさとか、肉のうま味といいうのが味わえない。
おこうぐらいで酒飲んでね、焼き上がりをゆっくりと待つのがうまいわけですよ。うなぎが。
コップに三分の一くらい注いで、飲んじゃ入れ、飲んじゃ入れして飲むのが、ビールの本当にうまい飲み方なんですよ。

これらは、扉に書かれていた文章です。
全部食べ物の話です。

中身は食べ物以外の話も多いんです。
ただ、食べ物を食べる時に男の作法の違いが出るんだなって気がします。

知ったかぶりや半可通をひけらかすようでは一人前じゃないですね。
職人さん(相手)が最高の仕事をしたものに敬意を払えないようじゃ一人前じゃないですね。

待つ時間を楽しめるようにじゃないと一人前じゃないですね。
美味しいものを美味しく食べる方法を知らなきゃ一人前じゃないですね。
これって食べ物だけではなく、生活全般、仕事全般につながりますね。

そばの食べ方、ビールの旨い飲み方は知りませんでした。
勉強になります。

男を磨かなきゃって思います。

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