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3月25日 電気記念日

冬場は仕事の関係で深夜に起きていることが多いので、電気のお世話になる。ひと月ほど前に小さな停電があった。

丑三つ時と呼ばれる時刻も過ぎたころ、リビングの部屋の電灯とパソコンが消えた。いきなりの暗闇である。何も見えない。部屋の電灯を消しても、電話機のランプやDVDレコーダーの表示があるはずなのに、それもない。家族が起きている時間の停電はあまり驚かないのだが、一人きりで真っ暗闇にいると慌ててしまった。手探りで移動する。リビングの扉の方に向かおうと思うのだが、なんだか手の感触が違う。壁があるはずなのに、柔らかいものがある。方向は合っているはずと焦る。
電気がついた。自分の立っている場所に愕然とする。全く方向が違っている。壁だと思っていたのは、家族の上着だった。

また停電があってもいいようにスマホを握る。スマホの画面が、災害時に明かり代わりになると思い出したからだ。夜の方が作業がはかどることが多いけれど、一人きりでの停電は怖い。物理面だけではなく心理面でも、電気の効用が大きいと知った。

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