見出し画像

新しいエビデンスで明らかになる!うがい薬で”あの病気”のリスクが増える!?①

本記事はシリーズ「新しいエビデンスで明らかになる!うがい薬で”あの病気”のリスクが増える!?」の一部として書いてます。うがい薬の総合的な評価・結論だけ知りたい人はシリーズ最後の記事を見て下さい。
>最後の記事

以前にデンタルフロスの話を書いたので、
「デンタルフロスはエビデンス薄いの分かった!じゃあうがい薬は?」
って思いますよね。

実はうがい薬、

最近驚くべき研究結果が出ているんですね!!
「え!?気軽にうがい薬使うのやめよう」

ってレベルの研究内容です。その論文の説明に行く前に、順をおって説明する必要があると思うので、シリーズとして順を追っていきます。

今は色んなうがい薬が出ていて、コンビニにも売ってるので、簡単に購入できて、使いやすくなっていると思います。「リステリン」「モンダミン」「NONIO」近頃だと「NONIO」がすごく売れたって聞きました(売れ行きに関して真面目に調べる気がないwと書きつつ一応調べた)。

画像1


そうすると、やっぱり、うがい薬を使ったほうが良いのかなぁ?って思うじゃないですか。「歯医者さんも推奨!!」とか書いてあるし!って思いますよね。

ということで、まずはうがい薬の効果を知りたい!!

で、今回はこの論文

The Long‐Term Effect of a Mouthrinse Containing Essential Oils on Dental Plaque and Gingivitis: A Systematic Review

日本語にすると、
『プラークと歯肉炎に対する、エッセンシャルオイル配合洗口剤の長期的効果:システマティックレビュー』

です。超有名論文です!(引用数から判断)

システマティックレビューだと!?

これは強い!!
くっ、コイツ、エビデンスレベル最強の1aか!!

茶番はさておき、『3つのエビデンスについて知っておくべき事
読んでいただけましたか?

え!?読んでない!?

すぐに!読んで!!
いらっしゃって来て頂いてもよろしいでございますでしょうか?(日本語崩壊)
読まなくても、要するに、一番信頼性が高い論文レベルってことですね。
ふむふむ。

して、結論は?

エッセンシャルオイル配合のうがい薬は、口腔衛生の補助として利用すると、プラークと歯肉炎の減少に効果があります。

ということです!!

では解説をしていきますね。

まず、
エッセンシャルオイル配合うがい薬≒リステリン
のことですね。ざっくり言うと。

画像2

プラークは歯垢(しこう)とも言いますね。プラークを詳しく解説すると、それだけで記事になるので、いずれまた。ざっくり言うと、歯にくっついている細菌と細菌が出したモノの塊、です。
プラークはむし歯の原因になったり、歯肉炎の原因になったりします。

画像3

歯肉炎は、歯ぐきの炎症ですね。
ざっくり言うと、歯肉炎が悪化すると歯周病になります。(ざっくり言いすぎて自分でゾワゾワする)

画像4

と、ここまで説明したところで、もう一度結論を読んでみましょう

エッセンシャルオイル配合のうがい薬は、口腔衛生の補助として利用すると、プラークと歯肉炎の減少に効果があります。

ふむふむ、リステリンみたいなやつで、うがいすると、
プラークと歯肉炎が減るってことね。

ん?口腔衛生の補助?

これは、歯みがきをする前提ってことですね。うがい単独の結果じゃないよってことです。

おお!やるじゃん!!リステリン!!

他のうがい薬のクロルヘキシジンでも同様に効果が認められてます。こちらもシステマティックレビューです。最強です。(出し惜しみがないですね!!一度は出し惜しみしながら記事を書いてたw)

Effect of a chlorhexidine mouthrinse on plaque, gingival inflammation and staining in gingivitis patients: a systematic review

クロルヘキシジンってあんまり聞かないですか?有名なのは(N=1)、「コンクールF」って商品です。

コンクールF

知らない人もいるかも。歯医者さんとかには、よく置いてあります。
コンクールFは歯科では非常に有名で、特に海外の文献では、外科処置の後にクロルヘキシジンを使ってうがいをしてもらっているケースも多いと感じます(個人の感想です)

ただ、日本では、クロルヘキシジンの誤飲による死亡例が1件でたのと、アナフィラキシーショックが十数件でたので、薬の中に入れて良いクロルヘキシジンの濃度が極めて低く抑えらてます。海外が0.12%くらいなのに対して、国内は0.0001%くらい。(海外が0.12%くらいとしたのは、比較研究に使われてた濃度がそれくらいでしたので)
激低い濃度!!!!ちなみにショックが出た殆どは、適応外部位に使用した症例という報告もあります。その慎重すぎる姿勢が良いのか悪いのか。

まぁそんな経緯もあって、あんまり日本ではクロルヘキシジンのマウスウォッシュって出ないのかもしれませんね。

!!!!
良いツッコミです!そうなんです!
「このレビューも、クロルヘキシジンの濃度、海外基準なんじゃない?日本の濃度だとこの結果にはならないんじゃない?」

いやーーー素晴らしいツッコミです。エビデンスを調べるときに、そのエビデンスが適応できるかどうかを考えるのも非常に大事なステップですよね。
そして意外と多いのは、日本と海外の事情が結構違うこと。これは常に気をつけておきたいですよね。

なので、日本のコンクールFの有効性を評価したエビデンスレベルの高い論文が出てくる事は今後期待です。

とは言え、

適切なうがい薬を使って、マウスウォッシュしたら効果があるよ~

とは言えそうですね。

「いいじゃん!うがい薬!」

そう。この辺の論文しか出てなかった時期には私もそう思っていた。
それが、まさか、あんな事が発表されるなんて、この時の私達は知る由もなかったのだ。。。to be continued

よろしければサポートお願いします。夢は大学機関なみに、論文へのフルアクセスが出来るようになる!です。