見出し画像

「米粉パンで健康と幸せを」KOME'S代表あやかさんの想いと、夢の叶え方

食を軸に夢を追いかける方にインタビューをする連載マガジン「ユメゴハン」
記念すべき第一回目のインタビューは、お米を使ったフードブランド「KOME’S」の代表、藤原あやかさんにお話をお伺いしました。

「KOME’S」は現在(2024/5/10時点)クラウドファンディングに挑戦中で、4/16(火)には目標の100万円の支援金額を達成。現在はネクストゴールである200万円を目標に掲げられています。

今回は「KOME’S」が生まれたきっかけや今後の目標についてお伺いしました。

自身の長年の不調からグルテンフリーとの出会い

──  まずは、今やられていることを教えていただけますでしょうか。

お米を使ったグルテンフリーのフードブランド「KOME’S」を立ち上げて、1つ目の商品として米粉を使ったベーグルを販売しています。元々広告代理店で会社員をしながら二足のわらじで働いていたのですが、3月末に会社を辞めて独立しました。

ブランドとして商品を世に出すにはto C(一般のお客様向け)のto B(法人のお客様向け)の2つがあるのですが、今はその両方にチャレンジ中です。

toBは、卸売や小売店にKOME’Sの商品を扱ってもらうような法人の取引。toCは現在クラウドファンディングに挑戦中です。そこでお客様にブランドを認知してもらい、支援のリターンとして商品をお送りして、その後はネットで商品を購入できるようにECサイト立ち上げも準備しています。

──  グルテンフリーの商品を販売しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

自分が子どもの頃からの原体験がきっかけです。小さい頃から本当に身体が弱くて、21歳まで体調不良に悩まされていました。

倦怠感、頭痛、肌荒れなど……。学校生活にも支障をきたすレベルだったので、小学生の時から毎日のように鎮痛剤を飲んで生活していました。

あまりにも不調が続くので、何かの病気なんじゃないかと思って病院で検査をしっかりと受けてみたこともあるのですが、「体質です」の一言で片付けられてしまったことも。ずっと原因がわからなくて悩んでいました。

そんな中、大学4年生の就活の時期にちょうどコロナが流行して時間に余裕がある状態でした。

万全の体調で就活に挑むため、今一度自分の睡眠や食事などの生活習慣を見直してみた時に気づいたのが、「小麦ばっかり食べている」ということ。3食小麦ということもあるくらいでした。

当時海外セレブを中心にグルテンフリーという情報が回ってきていた時期だったので、興味本位で小麦を意識的に抜いてみることにしました。そんな生活を2週間続けたら、すごく身体が軽くなって、長年悩まされていた不調が改善し始めたんです。

グルテンフリー生活のおかげで、すごく体調が良い状態で社会人1年目を迎えることができました。自分がグルテンフリーをきっかけに体調を改善できた体験を伝えたいと思って、グルテンフリーを軸にした活動を始めました。

「毎日食べられるものを作りたい」ベーグルに挑戦した理由

──  グルテンフリーのどんな活動から始められたのでしょうか?

会社員をやりながら、週末に間借りカフェを始めました。チーズケーキやランチメニューなど、自分が作ってみて美味しかったグルテンフリーメニューを提供していました。

初めは米粉やグルテンフリーと言っても興味を持ってもらえるか不安だったのですが、アレルギーを持っている方から「米粉のものを食べられてとっても嬉しいです」と言ってもらえて嬉しかったです。

ただ、その中で「米粉のスイーツも嬉しいけど、毎日食べられるものだったらな」というお声をいただきました。スイーツだと毎日食べて体質が変わるという体験をしてもらえないのは私自身感じていたので、そこから毎日食べられるメニューを作りたいという思いが強くなりました。

そこで辿り着いたのが、私自身昔から一番好きだった「パン」です。米粉のパン作りは実は一番ハードルが高く、基礎から学ぶ必要があるので初めは手をつけられていなかったんです。

それでも「毎日食べられるものを作りたい」という思いで、挑戦することを決めたのがちょうど1年くらい前です。そこからパン作りをゼロから学び始めました。

──  数あるパンの中からベーグルに辿り着いたのはなぜでしょうか?

パン作りを学ぶ中で、私が一番やりたいことは、「毎日食べてもらうことで、その人の生活や身体が変わって、人生が変わる」ということだと気づきました。

そうすると「毎日食べられるパン」じゃないといけない。カレーパンでもメロンパンでもクロワッサンでもない……。といった風にどんどん絞り込まれていきました。

食パンやバターロールというシンプルなパンもありますが、ベーグルはいろんなアレンジや味を変えたりできるのが魅力に感じました。

「今日は何を食べようかな?」と、毎日いろいろな選択肢の中から選ぶのも1つの楽しみだったりしますよね。私も子どもの頃は、毎朝どんなパンを食べようか考えて、ワクワクしながら朝を迎えていたんです。

今日は何食べようかなって考えるのも含めて、楽しみながら毎日食べられるパンを作りたいと思って、ベーグルを選びました。

ベーグル開発までの長い道のり。夢を叶えるためにとった行動とは

──  米粉ベーグル開発までの道のりを教えてください。

美味しい米粉ベーグルを作るためにたくさんの試行錯誤を重ねました。

普通のベーグルのモチモチ感って、「グルテン」の成分があるからこそ生地が伸びてモチモチするんです。まず米粉だとその「グルテン」がない中でモチモチ感をどう出すかが難しい。

茶碗に入ったご飯を放置しておくとカピカピになっていくじゃないですか。それと同じで、米粉で作ったパンも時間が経つと生地が乾燥してパサパサの食感になりやすいんです。

そんな米粉ならではの課題もありながら、モチモチして美味しいベーグルを作るまでに研究を重ねました。

例えば、KOME’Sのベーグルは卸売も含めて冷凍でお届けしているのですが、それは前職での経験が活かされているんです。

広告代理店の時に、お米に関わる部署で働いていたので、お米農家さんに取材に行くことも多くありました。そこでお米マイスターの人と仲良くなって、ご飯は炊き立て熱々のまま冷凍することが美味しく食べるコツだと教わったんです。

その教えを活かして、ベーグルは焼きたてのものを急速冷凍して、食べる時に解凍することでモチモチ食感が楽しめるようになっています。

──  会社員での経験も直接活かされた開発だったんですね。本業でもお米に関わる部署にいたのはたまたまだったのでしょうか?

自ら志願した結果、入ることができた部署なんです。

私の前職はあまり食に関われる案件が多くなかったのですが、研修の時に「ここに入れたら食に関われそう」という部署に出会いました。

ただそれまで食に関する経験やスキルもなく、想いをアピールするだけでは入れないだろうと思ったので、その部署のキーパーソンの社員の方が持っていた「ごはんソムリエ」という資格を自分も取ることに決めました。

新卒1年目の2月に「ごはんソムリエ」の試験に合格し、上司やキーパーソンの社員さんに「ご飯に興味があります」という想いを伝えた結果、希望の部署に入ることができました。

──  目標に対して行動を重ねて、やりたいことを引き寄せる力がすごいです…!会社員をやりながら起業もされて大変だったと思いますが、特に大変だった思い出はありますか?

間借りカフェ時代は学生の仲間と一緒に活動していたんですが、その子たちが就活を期に活動から離れることになって、1人で活動していた時期は大変でしたね。事業を進める上での悩みを誰にも相談できないのが辛かったです。

今は起業スクールを通して出会った同い年の仲間ができて、悩みが出てきた時に一緒に整理したり、客観的な意見をくれたりしてとても助かっています。仲間がいるのは恵まれているなと感じますね。

あとは物理的な大変さもたくさん経験してきました。マルシェをやっているときは、発酵器という機械と商品100個とかを一人で抱えて街中を駆け回るなんてこともありました。20kg超えの荷物を一人で持っていたので、身体もメンタルもかなり鍛えられました(笑)

泣きそうになるくらい大変だったこともありますが、それでも直接お客様の笑顔が見れたり、100個以上の商品が完売したりという瞬間はとても嬉しかったです。

クラウドファンディング目標達成。そして、ネクストゴールへの挑戦

──  クラウドファンディングは先日100万円の目標を達成されたとお聞きしました!おめでとうございます!クラファンに挑戦しようと思ったのはなぜでしょうか?

チャレンジに踏み切ったのは、「叶えたいことを自分で望まないと手に入らない」と思ったことが理由です。

実はクラウドファンディングをスタートさせるのにかなり時間がかかってしまって。当初は去年の10月頃を予定して夏から準備していたのですが、「誰も支援してくれなかったらどうしよう」とか、「宣言したのにできなかったらどうしよう」という不安がありました。

「やります」といっては引っ込めて、ということを繰り返していたのですが、それだとずっと平行線のままだなと思って、会社員をやめるタイミングで意を決しました。

──  そこから開始2週間で100万円の目標を達成されて、たくさんの方に応援されているブランドだと感じました。応援してもらうために大事なことは何だと思いますか?

「これがやりたい」という想いを発信し続けるのをすごく大切にしています。大事なのが、1回の発信で終えずに、発信し続けることです。

やっぱり1回言っただけじゃ一部の方にしか伝わらないと思っていて。想いを発信し続けていると、だんだんそれに共感してくださる方が増えて、その方々が周りにKOME’Sのことをしゃべってくれたりするんです。

私が知らないところで、「この間KOME’Sのことをアピールしておきました」などと言ってもらえて、想いが波及していっているのを実感します。

KOME’Sでは「わたしたちの起業日記」というnoteもやっていて、そこでは良いことだけでなく大変なことも含めてありのままの過程を発信するようにしていますね。

良い面だけ見せても面白くないなと思うので、小説を読んでいるみたいに、過程も楽しんでもらえるよう自分の言葉で発信を続けています。

また、足を運んでくださった方や支援してくださる方に直接お礼を言うことを大事にしていますね。

──  あやかさんの想いやお人柄が伝わっての目標達成だと感じました。クラファンの次の目標についても教えてください!

クラウドファンディングでは、皆様のおかげで開始2週間で目標だった100万円の支援金額を達成できました。

ですがクラファンの募集は5/12(日)まで続きます。「最後の1秒まで諦めずに挑戦したい」という想いを胸に、ネクストゴールを設定させていただきました。

ネクストゴールでは残り期間で200万円の達成を目指します。

現在、私たちはベーグル作りのほとんどの工程を手作業で行っており、その製造体制は大量生産に適応したものではありません。

もし200万円達成が叶ったら、工房で働く大切なパートナーさん達がより快適に、より楽しく、ベーグル作りに取り組めるよう、「製造器具の購入やしくみの整え」に資金を充てたいです。

ベーグルを作る人も、食べる人も、みんながHAPPYになれることを目指します。応援のほどよろしくお願いいたします!

──  最後にKOME’Sの今後のビジョンを教えてください!

昔の私のように、原因不明の小さな不調に悩まされている方は結構多くいらっしゃると思います。そういった悩みを抱えている方を救いたいです。

KOME’Sの商品は、米粉アレルギーなどを持っていない方でも、すべての方にとって美味しいと感じてもらえるようにこだわって作っています。不調を抱えていない方でも、トレーニングをされていて食生活に気をつけている方にも手にとっていただきたいですね。

今はパンだけですが、今後は商品のラインナップを増やしていって、朝昼晩いつでもどこでも食べられるようにしたい。将来的には、KOME’Sの商品が食卓やレストランなどのお店にも並んで、どこでも食べられる世界を目指していきたいです。

KOME’Sのブランドを広めることで、食や不調に悩んでいる方の力になれたらと思います。

──  KOME’Sのグルテンフリー商品がいつでもどこでも食べられる世界、とてもワクワクします。あやかさん、本日は素敵なお話をありがとうございました。

■KOME’S

・クラウドファンディングページ

・Instagram

・note


ーーー編集後記ーーー
マガジン運営メンバー(まほ・なこ)とあやかさんは、実は同世代。
同世代とは思えないほどの、あやかさんの行動力の高さや乗り越えてきた苦労の多さに、とても刺激と勇気をいただいたインタビューでした。

そして何より、あやかさんとKOME’Sというブランドが沢山の方に愛され、応援されているのは、あやかさんのお人柄とブランドへの真摯な想いこそが理由だと感じました。

私もクラウドファンディングのリターンで、KOME’Sの米粉ベーグルをいただく予定ですが、今から待ち遠しくて仕方がないです。

クラウドファンディング締切まで、残りわずか。
少しでも気になった方は、クラウドファンディングで一緒に応援しませんか?


インタビュー:なこてん朝川真帆
執筆:なこてん


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?