ノーザンアルプスヴィンヤードの収穫前分析:シャルドネの糖度を測る方法【ほぼ週ノーザン】
収穫前の分析
収穫1ヶ月前くらいからブドウの分析を始めます。ノーザンアルプスヴィンヤードの主力はシャルドネで毎年10月が収穫日となるので、9月に入ると毎週分析作業を始めます。
分析項目
糖度分析
PH分析
酸度滴定
今回は糖度分析のお話をします。何冊か専門書を見たところ、うちと同じやり方は載ってませんでした。今回の分析方法は農業普及センターと前に勤めていたワイナリーの方法です。phや酸度滴定については来週からお話しいていこうと思います。
サンプリング
区画ごとにブドウのサンプリングを行います。
今回はシャルドネの1区画です。圃場をランダムに歩き、全体から50粒の
ブドウを採取します。
ブドウ粒といっても房の部分によって糖度が違うため、ブドウの肩、中、先端の3箇所から採取します。
糖度分析
よく潰して液体をビーカーに取り分けます。ブドウ粒の果皮に近いところ、種に近いところと、これも糖度が違うのでよくすり潰します。ビーカーに移したらよく撹拌します。
糖度計は光学式のものやデジタルのものなどありますが、今回はデジタルのものを使い糖度分析を行います。。
分析結果
3回計測して誤差がないか確認します。Brix 15.4 % となりました。
日本ではBrix(ブリックス)という単位をよく使います 。
予測
1週間に1度、このようにブドウのサンプリング分析を行います。
およそ1週間に1%ぐらい上昇していきます。シャルドネの場合、Brix20%以上が目標になるので、収穫はあと5週先10月8日前後となりそうです。
今年は残暑厳しく収穫も早くなるのでは?と思っていましたが、分析してみれば、ほぼ例年並みとなりました。
糖度と合わせてphと酸度の分析も行います。
専門書を見ると100粒のサンプリングと書いてありますが、区画ごと小さい畑なので50粒でいいのではないかと思います。
(参考書:ワイン醸造技術 日本醸造協会)
糖度の半分がおよそのアルコール度数となります。Brix22%ならアルコール度数は11% なるべく高い糖度を目標にして収穫日を決めますが、phという値も高すぎると醸造に負荷をかけてしまいます。こちらは来週また分析時に書いていこうと思います。
ノーザン
若林
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