レベル台

スランプ試験の試験器具スランプ台考察~Twitterアンケート~

 先日、私新米の所属する試験室で愛用していたレベル台の一つが勇退されました……。そこで新たなレベル台を探していたところ従来のレベル台に代わる新たな試験器具『座布団(正式名称はスランプマットというそうです)』が候補に挙がってきたのです。
 見た目は軽そうで現場への持ち運びも楽そうなのですが、試験室内で実際に使った人がいないことなどからいまいち決め手に欠けており……。
 そこで今回、ツイッターのアンケート機能を使用して、全国の生コン屋さんや試験屋さん、生コンの代行試験を目にしたことがある方々のお力を借りることにしたのです!アンケートにご協力下さった皆様、ありがとうございました!またこのアンケートのきっかけとなった、むさねこさん(@kenchiku_tabi)にも改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 以下はその回答を元に、新米なりの考察を書き連ねていきたいと思います。回答頂けた総数74票が統計として有効な数なのかは不明なので今回のアンケートについてのまとめは質的なものとして扱っています。

1位「レベル台(四角or三角タイプ)」 回答数50%

 やはり一番多かったのは従来のレベル台。新米の所属する試験室でも使用していて、四箇所ないしは三箇所のツマミで其々の高さを変えることによってレベルを調整できます。どんな地面でも安定して水平が取れることが一番のメリットでしょうか。水平器が内蔵されているタイプもあり、新米でも正確に水平をとることができます。が、感覚が合わないとレベルを取るのに時間が掛かることと、やや嵩張ること、あとは少々重いのが欠点と言えば欠点なのかなと思います。
 工場取りの試験や工程検査など時間にシビアさが求められない状況ではそれほど気にはなりませんが、一分一秒も争う現場試験では少しでも早さが欲しいもの……。さらにアルミ製とはいえやや重たいのも個人的には負担があるのも正直なところではあります。他の試験器具に比べればまだまだ軽い方ではありますが(笑)

2位「座布団もといスランプマット」 回答数22%

 二番目に多かったのが座布団もといスランプマットでした。(ちなみにリプで頂いた回答は一番多かったです)
実は最近ツイッターで目にする現場写真で使用されてることが多く、個人的に一番気になってたものでした。使用している方々の意見としては、軽くて使い勝手も良いこと、汚れてもサッと水で流して綺麗にできること、あとはレベルを取りやすいという評価が多く寄せられました。(お昼寝のお供にも!という素敵な意見も頂きました(笑)
 ただ形状はビーズクッションに近いようで、レベルが取りやすい反面、変化もしやすいせいか水平器の使用は必須とのこと。
代行試験では荷物が多いのが地味に大変で、特に試験器具は重たいものが多く負担の一つになっています。そんな状況で軽くて使いやすい新たな試験器具が登場したとすれば魅力的に映るのが人情かなと思います。しかしメンテナンスとしてほつれのチェック(穴が開くとカオスらしい……)や些細な傾きが大きく影響する配合(スランプの大きい配合やフロー試験ものなど)では不向きな印象を受けました。

3位「砂」 回答数15%

 実は私、砂で作ったスランプ台は一度しか使ったことがないんです。以前受験した現場技能士の実技試験の会場で用意されていたのが砂のスランプ台でして。しかもどうやって設置するのかもよく知らないんです。多分、湿り気のある砂をある程度の厚さに均して固めているんだと思うんですが、その施工性(と表現していいのか?)や利便性はどうなんだろう……?と個人的には思っています。現場試験で用意するには結構大変そうな印象が強いですが、メリットとしては一番正確にレベルが取れるものなのかなぁ、と。ただスランプ試験する為に乗った時は結構ドキドキしました……。壊れたらどうしようって(笑)
 早さや機動力が求められる現場試験には不向きでも、工場(地面が安定した場所など)で行うスランプ試験にはまだまだ重宝されるスランプ台なのかもしれません。

まとめ

 結果を踏まえると、やはり利便性と正確性を兼ね備えたレベル台を使用する方が多いようです。しかしただでさえ重たいものを持つことが多い試験室で働いていると、やはり試験器具は少しでも軽いと有難いなぁとも思うので座布団のような新たなスランプ台はとても魅力的に感じています。ただし頂いたリプライを見てみると簡単にマットの形状が変わる分、水平器を使用していたとしても正確性に不安を感じている方もいるようです。
 確かにスランプの大きい建築配合の生コンや高流動コンなどはレベルが正確に取れているか否かが重要になってきます。また現場試験の場合は設置する地面が必ずしも平らな場所とは限らないため、スランプ値や代行試験を行う現場の様子もポイントになるのかなと思いました。
 生コンはスランプの大きいものから小さいものまで形状が様々ある製品です。なので例えば、ある程度試験現場が平坦であることやスランプの小さな土木配合の生コンのスランプ試験などには座布団のようなマットタイプのスランプ台が向いているように思います。現場の状況や配合によって道具を使い分けてみるのも一つの手かもしれません。
 興味から始めた今回のスランプ台アンケートでしたが、74人も協力下さった方がいて大変有難く思っています。私は今働いている生コン屋さんの試験室しか知らないこともあり、Twitterアンケートを通して色々な生コン試験に関わる方の意見が知れたのはとても良い機会でした。ご協力下さった皆様、そしてここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!

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