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30歳・未経験でWebデザイナーになるまでの記録。

30歳・未経験からWeb制作会社のデザイナーになって5ヶ月経ちました。

自らの振り返りのためと、未経験でデザイナーを目指している方の参考になればと思い、書いてみることにしました。

私がデザイナーとしてやりたいことは「そのものの"らしさ"を表現した世界観を作ること」なので、多様なテイストの制作ができる制作会社を志望していました。

ちなみに私は、美大卒でもなければ、人並み以上に努力ができるわけでもないので、特別な人だけがデザイナーになれるという思い込みは捨ててほしいです。

1. 大学を卒業してからデジハリに入学するまで(2012.11〜2018.03)

私が最初にデザイナーになりたいと思ったのは今から8年前の大学4年生の秋。それから8年越しにやっとデザイナーになれました。

とはいえ、ずっとデザイナーになるために動いていたわけではなく、本格的になろうと決意したのは2017年。独学でデザイナーになる人もいるけど、私の性格的にひとりで努力するのは難しいとわかっていたので、学校に行くという選択をしました。勤めていた会社を辞め、事業会社に転職し、お金を貯め、デジタルハリウッドスクールに入学しました。

私のクラスは土曜日10:00〜17:00のクラスで、平日は働きながら通いました。なりたいと思っていてもなかなか動き出せない人は、学校に行くのがいいと思います!

▼2012年11月 大学4年生、秋。デザイナーになりたいと思い始める

▼2013年3月 大学(社会学部)卒業

▼2013年4月 Web制作会社でディレクターとして働き始める

▼2017年2月 事業会社に転職。マーケティング系の仕事に携わる

▼2018年4月 デジタルハリウッドスクール本科UI/UXD専攻に入学

2. デジハリに入学してから卒業するまで(2018.4〜2019.3)

2018年4月、デジタルハリウッドスクール本科UI/UXD専攻に入学しました。

この頃の私は、 Web制作会社で4年ディレクターとして働いていた経験があるので、Photoshop、Illustratorの基本的な使い方がわかるレベル。自ら手を動かして作ることはないものの、ディレクターとして制作に携わっていたので、クオリティの高いものはたくさん知っているという状態でした。

1年の中で前半の6ヶ月はデザインを学び、後半の6ヶ月はコーディングを学べるコースでした。結論から言うと、通って正解でした。

なぜかと言うと、

・ほぼ毎週のように課題があること
プロのデザイナーからフィードバックを受けることができること

の2つが大きいです。

まず、課題についてですが、先生に提出して終わりでなく、それをクラスメイトの前で発表しなければいけないという負荷が高いものでした。ただただ良いものを作りたい!という原動力でがんばれたと思います。

クラスメイトの前で発表すると、現役デザイナーの先生からフィードバックがもらえます。当時、何が良いデザインなのかも分からなかったので、アドバイスをもらえるのはすごくありがたかったです。

具体的にどういう課題をしてきたのか振り返りたいと思います。

▼4月 CDジャケット

最初の課題は、自分をテーマにCDジャケットのデザインをするものでした。課題も全部掲載しようと思ってましたが、見返すと酷かったのでやっぱりやめました(笑)

▼4月 名刺

自分の名刺をIllustratorでデザインして、印刷屋さんに入稿。次回の授業でクラスメイトと名刺交換をしました。個人情報山盛りなのでお見せできません。

▼5月 ロゴ

デジハリ内にあるLab Protoという電子工作室のロゴデザインをしました。まず、対象のリサーチ、それからキーワードを洗い出し、絞り、それを元に形をたくさん書き出し、クラスメイト全員が書き出したものをトーナメント形式で絞っていくというやり方で作成していきました。

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▼6月 コーヒーのパッケージ

グループでターゲットを誰にするのかを決めて制作しました。妊婦さん用のコーヒーのパッケージデザインです。

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▼6月 ブランディング

クラスメイトとチームを組んでLab Protoのブランディングを考えました。私のチームは、キャラクターを使った施策で認知を高めようというものでした。チーム全員でキャラクターを使ったポスターやスタンプカードなどのアイテムを作成したんですが、私が担当したのはカレンダー。全然納得いってないけど載せます。

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▼7月 Webデザイン

インテリア系のWebデザインを授業で作成しました。グリッドやデバイスに応じたサイズの作成方法などWebデザインの基本を学びました。

▼8月 前半6ヶ月の最終課題【Webデザイン】

前半6ヶ月間の最終課題として、それぞれ個人でWebサイトを企画・制作しました。私は規格外野菜を題材にして、規格外野菜が売り買いできるECアプリのランディングページを企画・制作しました。発表は、他のクラスとも合同で100人くらいの前で行い、100人から発表に対してコメントをくれるというものでした。褒めていただけるコメントもあれば、辛辣な意見もありました(笑)

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ここまでが前半の6ヶ月間です。

ここからは、コーディングを中心に学ぶのですが、正直に言うと、コーディングはデザインと違って全然楽しいと思えず、あまり真面目に学校へ行けていませんでした。最初に言ったように、私は人並み以上に努力はできません。(笑)でも1年の集大成として最終課題でWebデザイン+コーディングをしたサイトを発表しないといけないので、そこでは絶対に良いものを作りたいと思っていました。

その発表の1ヶ月前にやっと火がつき、火事場の馬鹿力でHTML/CSSを習得し、レスポンシブデザインのコーディングまでができるようになりました。(今の会社では、コーディングはフロントエンドデベロッパーがするので、コーディングはしてません)

▼3月 1年の最終課題【Webデザイン+コーディング】

趣味であるお弁当を題材にWebサイトを企画・制作しました。コーディングまでしたのでURLを載せたいのですが、いつかリリースをしたいと思っているので、やめておきます。

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こんな感じで前半はかなり濃密、後半はちょっとおサボり(笑)、でも最後の最後で火がついた1年でした。

3. デジハリを卒業してから転職活動を始めるまで(2019.4〜2020.1)

デジハリのクラスメイトは卒業したらすぐ転職活動を始める人が多かったですが、私は当時勤めていた会社でやりたかったことがあったので、卒業してから約1年後に転職活動を始めました。

その間にポートフォリオの制作を進めたり、友だちや親族の結婚式の時に席次表や席札などのペーパーアイテムを自ら作らせてほしいとお願いして、ちょこちょこデザインする機会を作っていました。

ポートフォリオの内容は量より質を重視し、下記5つの制作物を載せました。

デジハリ課題で作ったWebデザイン×2
友人の飲食事業パンフレット×1
友人の結婚式のペーパーアイテム×2

ポートフォリオ作りで特に力を入れたのが、制作するまでの「プロセス」を多めに載せること。制作物のクオリティでは抜きんでることはできないとわかっていたので、作るまでの考え方を載せることによって、論理的に考えて作れることをアピールしました。

こちらがプロセスまで載せたものの一例です。

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実際、制作前の摺り合わせやコンセプト立案を大切にする会社からは、プロセスまで載せているのが書類選考で受かった理由だと言われました。

4. 転職活動を始めてから内定まで(2020.2〜2020.6)

私が転職活動を本格的に始めたのが、2020年2月。そうです、日本でコロナがちょうど流行り出した頃。なんでデジハリを卒業してからすぐに転職活動を始めなかったんやって心底後悔しました。30歳で未経験な上にコロナ禍で企業の採用意欲が低下という状況も加わり、もうデザイナーにはなれないかもしれないなとも思いました。

それでも、「制作会社ならどこでもいい!」となっていたわけではなく、クオリティの高いものを作っている会社でしか働きたくありませんでした。まあまあのクオリティで世に出せる会社で働いても自分のスキルを伸ばすことができないと思っていたからです。

本当に行きたい17社を絞って、ポートフォリオを送りました。結果はこんな感じ。

応募:17社
書類通過:5社
一次面接通過:3社(辞退2社)
内定:1社


書類を通過した会社の面接を受け、どんどん持ち駒が減っていきます。「もうこの会社落ちたら一回お休みしよう」と思っていた最後の会社が、今働いている会社でした。今の会社はコロナ禍にも関わらず積極採用中だったので、本当に運が良かったとしか言いようがないです。

私をなんで採用したか聞くと、ポートフォリオではすっきりしたデザインが得意そうという感想しか持てなかったみたいなのですが、一次面接の後にデザイン課題があり、そこで好印象を持ったみたいです。

具体的には、こういうところが好印象だったようです。

どうしてこのフォントなのか、配色なのか、理論的にデザインを説明したところにアートディレクターの素質があるように感じた
初めてAfter Effectsを使ってサイトのモーションイメージを作ってきたこと

制作物がよかったというより、理論的にデザインを説明できたり、慣れないアプリケーションを使って新しいことにチャレンジしたりという姿勢が良かったということなので、デザインがめちゃくちゃすごくなくても安心してください!内定もらえます!

最後に

この記事では、30歳・未経験でデザイナーの内定を獲得するまでの記録を時系列でまとめました。最後に、「やっておいた方が良かった」と思ったことを書いて締め括りたいと思います。

いま働いている会社の面接で言われたことですが、ポートフォリオに載せたデザインのテイストがシンプルなものに偏っているので、もっといろんなテイストのデザインで見たかったと言われました。これだと、センスがあるか、伸びしろがあるかもわからないと。それは、いまの会社が制作会社であり、案件のジャンルが多岐に渡っていて、デザインできるテイストの幅が広ければ広いほどいいからです。

自分が好きなシンプルなテイストだけでなく、もっと色んなテイストにチャレンジしておけばよかったなと思います。

デザイナーになる方法は、とにかくいいものをたくさん見て、それを真似てたくさん作るというシンプルなことです。でもそれが難しい!ひとりで努力できない人は学校に行くなどして、やらないといけない環境を作り出すのがおすすめです。

長くなってしまいましたが、お付き合いいただいてありがとうございました。

この記事を読んだ方のデザイナー職への転身がうまくいきますように。

読んでいただいてありがとうございました🙏 デザインのことについてゆるゆる書いていきます。